キリンビバレッジはこのほど、香港への「生茶」の輸出を開始した。輸出は、同社が掲げる3つの事業方針のうちの1つ「新たな領域での取り組み(将来への種まき)」の取り組みの一環と位置づけられる。

堀口英樹社長は、輸出の狙いについて「ビジネスを持続的に成長させるには、新たな事業的領域とともに新たな地理的領域があり、そういう意味で国内のみならず国外の市場を探索。海外展開は将来の成長の種まきとして探索していくことを目的としている」と説明する。

輸出に至った背景に日本の人口減少を挙げる。「長いターンで将来を見ていくと、やはり日本国内の清涼飲料市場は人口の減少が影響すると考えられ、市場はそうそう伸びるものではないし、逆に減少していくことを前提にビジネスを考える必要がある」と述べる。

飲料市場は2年連続の天候不順とコロナの影響で19年・20年と前年を下回ったものの、人口が微減に転じた08年以降も、一人当たりの消費量を増加させることで年によって若干の凸凹はありながらも基本的に右肩上がりで成長を続けている。このことからキリンビバレッジの輸出は、かなり先の将来を見据えた取り組みと思われる。

同社はそのほか、海外チャレンジとしてベトナムにあるキリンホールディングスのグループ会社インターフード社で9月に「世界のKitchenからソルティライチ」の製造販売を開始した。

提供元・食品新聞

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