タワマン高層階住まいは幸せなのか?ビジネスパーソンが陥りがちな「生活レベル」の罠

2019.5.25
BUSINESS
(写真=Igor Normann/Shutterstock.com)
(写真=Igor Normann/Shutterstock.com)
(本記事は、ひろゆき氏の著書『自分は自分、バカはバカ。他人に振り回されない一人勝ちメンタル術』=SB クリエイティブ出版、2019年4月15日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

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(4)タワマン高層階住まいは幸せなのか?ビジネスパーソンが陥りがちな「生活レベル」の罠(本記事)

自分の維持費を上げるな

「給料を上げるスキル」よりも大切なこと

僕の場合、お金をぜんぜん持っていなかった頃も、たくさん持つようになってからも、その前後でほとんど金銭感覚は変わっていません。

大学生だった頃に住んでいたアパートの家賃は2万8000円、ネット回線が3000円。部屋で炊いたご飯を大学に持っていって、友人たちからおかずを1品ずつもらうなどということもよくやっていました。なので、食費もあまりかかりませんでした。全部ひっくるめても、月の生活費は5万円くらいでしたね。

「月に5万円あれば暮らせる」。それがわかったことは、僕にとって大きな意味がありました。結局、僕は会社に就職することなく、ネット関連のビジネスなどを手がけて今に至るわけですが、もし会社に就職していたとしたら、金銭感覚は大きく変わっていたかもしれません。僕はこれまで定収入のある生活をしたことがないので、お金がなくなるかもしれないという不安が常にある。なので、今お金があるからといって、ぜいたくをしようという気にはとてもなれないんですよね。

会社に勤めている人は、毎月決まった額の給料が振り込まれることを当然だと考えているでしょう。日本にはまだ年功序列の会社も残っていたりしますから、頑張れば毎年ちょっとずつ給料が上がるんじゃないかと期待している人もいるかもしれません。

定期的な収入がある人が陥りがちなワナは、「つい生活レベルを上げてしまう」ということ。

「今住んでいるところよりも、次はもっと広い部屋に住みたい」「評判のレストランで食事をしたい」「おしゃれな服が欲しい」「スポーツジムに通いたい」……。

定収入があると、ついついこんなふうに生活のレベルを上げたくなってしまうんですよね。

最初のうちは、ちょっとしたぜいたくをするだけで、かなりテンションが盛り上がります。だけど、繰り返していくうちに、そのぜいたくは当たり前になっていく。以前ほど、気分が盛り上がるわけではないのに、そのぜいたくができないと、すごく貧乏になった気になる。これが生活レベルを上げると「損」なところだと思います。

足立区で暮らしている年収600万円の人が、港区に引っ越したら生活は相当キツくなるでしょう。買い物や外食でお金がかさみますから、自分としては同じような生活をしているつもりでも、いつの間にかお金がなくなってしまう。

ましてや、タワーマンションに住みたいなどと考え始めたら大変です。もしあなたが今、タワマンに住んでいたら申し訳ないんですが、僕はタワマンがぜんぜんうらやましくないんですよ。タワマンの40階に住んでいる知り合いによれば、エレベーターもなかなか来なかったりして、近所のコンビニに行って帰ってくるだけで30分かかってしまうそうです。そんなに不便な家の何がいいか僕にはよく理解できないんですが、たぶんみんな、「これがすてきな生活」だと思い込まされているのでしょうね。

住む場所とか、食べるものとか、いったん生活レベルを上げてしまうと、給料がいくらあっても満足感は得られませんし、下がってしまうことも多い。上がってしまった生活レベルを維持するために、楽しくもないのに働き続けなければならなくなってしまいがちです。

こういうと語弊があるかもしれませんが、ぶっちゃけ、生活レベルを上げて以前よりも幸せになったという人を僕は見たことがないんですよね。報酬が増えて幸せな人はいますけど、そういう人はだいたい無理に生活レベルを上げようとはしていないものなのです。

今の生活レベルを維持しなければならないと思い込んでしまうと、給料が下がる、あるいはなくなることが、ものすごく怖くなります。「イヤなことがあっても、絶対にこの会社を辞められない」という不安が勝って、ストレスがたまっていくわけです。

そもそも自分の生活レベルを上げないようにしていれば、会社を辞めて転職したり、ぜんぜん別のことを始めたりと、たくさんの選択肢から選べるようになりますよね。

生活レベルを上げてしまう人は、貯金もなかなかたまりません。

たとえば、「毎月5万円ためよう」と決めたとしましょう。ちゃんと守れるのであれば立派ですが、逆にいうと「5万円の貯金さえできれば、あとは使ってもいい」という理屈も成立してしまいます。給料が上がったとしても、出費のほうもどんどん増えていってしまう。

毎月5万円貯金したら、1年間で60万円。1カ月の生活費が5万円の人は1年間暮らすことができますが、20万円の人は3カ月、30万円の人は2カ月しか暮らせません。年収200万円で毎月5万円ためられる人はそんなに困窮することはありませんが、年収1000万円で毎月5万円しか貯金できない人は、仕事を辞めたらあっという間に行き詰まってしまうでしょう。

「給料を上げるスキル」よりも、「ムダなモノを一切買わないで生活できるスキル」を持っていたほうが、結果的に貯金が増えるし、人生の選択肢も広がりますよ。

あえて「自分の維持費」を低くしてみる

ぜいたくな生活をしている人と自分を比較していては、いつまで経っても幸福を実感することはできません。いい大学に入って、いい会社に入って、年収が上がる、それが当たり前だと思い込んでいると、どんどんキツくなっていきます。

なので、人生のどこかで一度落ちぶれてみる、生活レベルを思い切り落として、「自分の維持費」を削減してみることを、僕はあえておすすめします。

日本であれば、どんなに落ちぶれたとしても生活保護がもらえます。僕の知り合いには、何人か生活保護を受けている人がいるんですけど、彼らの生活はぜんぜん惨めではありません。家賃の安いところに住んで、ムダなモノを買わず、賢く制度を利用して、けっこう楽しそうに生きていますね。僕は現在フランス在住で、日本と海外の違いを肌感覚で実感することが多いんですけど、日本での「最低限の生活レベル」というのは、想像するよりもだいぶ高いところにあるんですよ。これ、日本の人はけっこう知らない人が多いかもしれませんけど。

たとえばグアムなんかだと、4分の1から3分の1くらいの人がフードスタンプをもらっているらしいですね。観光客とアメリカ政府がどんどんお金を落としてくれるから、みんな無理して働く必要がない。誰もフードスタンプをもらうことに罪悪感を覚えたりしません。日本人ももう少し世間体を気にしなくなれば、今よりずっとラクに生きられると思うんですがね。

【POINT】
  • 定収入がある人が陥りがちなのが、収入に応じて生活のレベルを上げたくなる、ということ。これはやめておいたほうがいい。
  • 「給料を上げるスキル」よりも、「自分の維持費を抑えるスキル」のほうが人生の選択肢を増やす上では有効。
  • 日本における「最低限の生活レベル」は世界水準と比べた場合、かなり高い基準になっている。

無料でトクするミニゲームのすすめ

人間は「トクする」ことで幸福を感じられる生き物

今の僕はお金に困っているわけではないのですが、「おトク感」のあるゲームを見つけるのがけっこう好きです。

たとえばコンビニ。今はもう廃止されてしまいましたが、以前のローソンには「来店ポイント」という制度がありました。どんなに安い商品でも、レジでPonta カードを見せると1ポイントが加算されていたんですね。それ以外にお買い上げポイントが1ポイントつくので、100円の商品を買ったら2ポイントもらえたわけです。知り合いとローソンに行った時にも、ほかの人がPonta カードを出さない時は僕のカードにポイントをためてもらっていました。

モスバーガーにもおトクなサービスがあります。モスバーガーは注文を受けてから調理を始めるのでけっこう待たされますが、店に行く前に電話で注文することができます。こうすると待たされずにハンバーガーを食べられる上、電話代ということで10円もらえるんですね。実は、ネットで注文しても同じように10円もらえます。

けちくさいと思いますか?100円のガムを買って2ポイントついたら利率は2%、500円のバーガーで10円もらえたらやっぱり利率は2%です。2%の利息が確実につく投資商品なんて、そんなにありませんよね。

「人生のコスパ」ファーストでうまくいく

1カ月に数円、数十円トクしたところで、大した金額にはなりませんし、生活が変わるということもないでしょう。だけど、誰だって10円、100円拾ったらラッキーだと思うじゃないですか。何だかトクした気分になって、ちょっとうれしい。

自販機の釣り銭受けをあさったり、目を皿のようにして道を歩いたりしなくても、今の世の中には、こんなふうにちょっとしたおトクが得られる仕組みがたくさん用意されています。面倒な仕事をして10円しかもらえないのならともかく、手間をかけないで10円もらえるのなら、悪い話ではないでしょう。

僕がいいたいのは、それでお金を儲けようということではありません。人間は、おトクなことがあると幸福を感じるようにできているのですから、うまくこの脳の仕組みを利用していい気分になったほうがいい、ということなのですよ。

楽しくなりたい、幸せになりたい。そう思った時、人はついついお金で解決しようとしがちです。高いモノを買ったり、いいところに住もうとしたり。

でも、お金をかけずに楽しめることを普段から見つけるようにしていたほうが、人生のコスパはずっといいですよ。

【POINT】
  • 無料で「おトク感」を抱けるミニゲームは、リアル社会、ネット社会に実はたくさん存在している。
  • 人間は、「お金を儲ける」ことよりも、「おトクに感じる」ことで幸福感を抱くものである。
  • 「お金のコスパ」よりも「人生のコスパ」を上げるように考えると、楽しく生きていける。
『自分は自分、バカはバカ。他人に振り回されない一人勝ちメンタル術』(※クリックするとAmazonに飛びます)

ひろゆき
本名・西村博之。1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカのアーカンソー州に留学。1999年にインターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。東京プラス株式会社代表取締役、有限会社未来検索ブラジル取締役など、多くの企業に携わり、企画立案やサービス運営、プログラマーとしても活躍する。2005年に株式会社ニワンゴ取締役管理人に就任。2006年、「ニコニコ動画」を開始し、大反響を呼ぶ。2009年「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。
 

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