仕事ができる人の秘訣は「それっぽさ」?正論よりも雰囲気が重要

2019.5.23
BUSINESS
(写真=GaudiLab/Shutterstock.com)
(写真=GaudiLab/Shutterstock.com)
(本記事は、ひろゆき氏の著書『自分は自分、バカはバカ。他人に振り回されない一人勝ちメンタル術』=SB クリエイティブ出版、2019年4月15日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

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「営業」スキルが人間の仕事になる

「人」を相手に「モノ」を売る仕事は淘汰されない

人工知能や機械学習の技術が進歩したことで、これまで人間が行っていた仕事は、すごいスピードで自動化が進んでいます。とくにホワイトカラーのデスクワークは、人工知能に置き換えられる確率が高い。

RPA(Robotic Process Automation)という仕組みを導入する企業も増えてきました。請求書を発行する、領収書を精算するといった定型的な業務はもう自動化できるようになっているんですね。

銀行や保険といった金融業界でも、リストラが本格化してきました。かつて、安定した職場として就職したい企業ランキングでも上位だったメガバンクも、数千~数万人規模の人員削減を計画しています。保険会社、たとえば富国生命保険も給付金を査定する部署の人員を3割削減しました。ちなみに、富国生命はIBMのWatson を導入して査定業務を効率化したそうです。

残る仕事、消える仕事ランキングみたいな記事もよく見かけます。こういう記事では、人間に残るのはクリエイティビティだとか、人間を相手にした仕事は人間にしかできないと書かれていたりします。

そんな中で、僕がこれからも残ると考えている人間の仕事は、「営業」です。コンピューターを使って数字をいじくる、デスクワーク系の仕事は全部なくなりますが、人間相手にモノを売る仕事は、なくならないんじゃないでしょうか。

「営業」と聞くと、そのワードからにじみ出る体育会系感だけで、苦手意識がわいてくる人もいるかもしれません。「ノルマ」「飛び込み」「接待」などなど。内向的な人にとって営業にはネガティブなイメージがつきまとうでしょう。知らない会社に出向き、名刺交換して、頭を下げて商品を売り込む。あるいは、ある地域の家のインターホンを片っ端から押して、飛び込みで営業をする。勧誘電話をかけまくる。こういうのって営業部門で働いたことのない人にとっては、かなり敷居が高く感じられるでしょう。

でもそれは営業を狭く考えすぎています。人間相手に何かを売る行為は、すべて「営業」です。だいたい、飛び込み営業や勧誘電話を受けて、実際にモノを買ったことがある人なんてもういないんじゃないですかね。

たとえば、ブログに記事を掲載して、そこにアフィリエイト広告を貼るのも営業です。BtoC、個人を対象にした記事という商品を用意し、広告によって収益化を図っているんですから。

営業部門のサラリーパーソンは自社製品を売るのが仕事ですが、方法は問屋や小売店を回って頭を下げるだけではありません。Amazonのレビューやブログ記事を書きまくって、製品をアピールするのも立派な営業行為。どういうやり方であれ、結果として売上が上がれば営業の成果があったということになるわけです。

「人に愛想よく挨拶するなんて自分にはできない」と思っているのであれば、人に会わずに営業して売上を増やす方法を考えましょう。

「売り方」ではなく「買われ方」から考えてみる

では、営業能力を高めるためには、どうすればいいのでしょうか。

売り手の立場から「どうやって売るか」を考え抜くというのは1つのやり方ですが、僕は買い手の立場から考えたほうがラクだと思います。

たとえば、あなたがコンビニでお茶を買うとしましょう。商品を選んで手に取りレジに持っていくわけですが、この時「なぜその商品を手に取ったか」を意識するようにします。

棚には、「お~いお茶」や「綾鷹」などいろんな銘柄のお茶があったのに、なぜ自分はその中から1つ選んだのか。商品名の語呂が気に入ったのか、パッケージの色が気に入ったのか、CMが印象に残っていたのか。

ネット通販でモノを買う時もそうですね。Amazonや楽天のレビューや広告、ブログなどの記事を見て買うかどうか決めると思いますけど、自分が見た情報のうち「刺さった」のは何かを考えてみましょう。

あなた自身に刺さったキャッチコピーや記事の書き方を真似して、ブログやレビューを書けば、少なくともあなたと同じような感性を持った人に刺さる可能性は高いわけですよね。

もしあなたが20代男性でひとり暮らし、年収400万円であれば、同じような生活をしている人がどんな生活をしているのか、頭の中でシミュレーションしてみましょう。

同じような人はけっこういるでしょうから、うまくいけば、それなりのマーケットになるでしょう。

ちなみに僕の場合は、趣味嗜好がすごくニッチだったりするので、この方法は使えないんですけどね。「超面白い!」と僕がハマるゲームはたいてい続編が出ませんし、コンビニで気に入った商品はすぐ店頭から消えてしまうので……。

まあそれはともかく、自分の担当する商品を魅力的にアピールする営業能力はどんな会社でも役に立ちますし、商品企画にも使えますよ。

「営業」では、ほんのちょっとだけ人と違うことをしてみると効果的です。

たとえば、メールでのやり取り。今はメールでやり取りするのが普通になりましたから、誰かからメールが来たところで印象に残りません。であれば、あえて万年筆で直筆した手紙を送ってみる。

今時、直筆の手紙を受け取れば、誰でも「おっ」と感じるはずです。その手紙自体はひょっとしたら放置されてしまうかもしれませんけど、メールよりは受取人の記憶に残りやすいでしょう。

別の機会で、その人に出会うことがあれば、「昔手紙を送った者です」と言ってみれば、「ああ、あの時の!」ということになって、会話のきっかけになるかもしれません。

べつに手紙は直筆でなければいけないということではないですよ。ほかの人がやらないことをやると印象に残りやすい、そういう差別化を行うのが、営業の本質ということなのですよ。

こんなふうに「営業」というのはとても幅広い概念なんですけど、どうしても体育会系的なイメージがつきまといますね。何か適当な別の言葉に置き換えたほうがいいんじゃね? とすら、僕は思っています。

「こだわりの薄い人」がうまくいく

これからは、どんな仕事が生まれるのか、あるいはなくなるのか、正確な答えは誰にもわかりません。なので、仕事をする上で「ヘンなこだわり」を持たないようにしたほうがいいと思うのですよ。

「このスキルが必要なんだな」と思ったら、さっさとそのスキルを身につけるようにする。そっちのほうが将来的にはトクする可能性が高くなるでしょう。

たとえば、寿司屋でずっと働いてきたんだけど、職場の寿司屋が潰れてしまった。料理人として何とかやっていきたいけど、寿司屋の求人が見つからない。だけど、中華料理屋ならけっこういい条件の求人がある。こんな時、皆さんはどうしますか?

自分のスキルやキャリアにこだわりがある人は、つい「俺は、寿司以外作りたくない!」と言ってしまいがちです。でも、そんなこだわりはないほうがいいです。

料理人にとって中華料理と寿司ではぜんぜん違うように感じるでしょうけど、食材を仕入れて、調理して、客をもてなすという飲食業の基本は同じじゃないですか。

「へー、中華料理はこんな食材を使うんだ。こういう調理法もあるんだ」 そんなふうに柔軟に考えて、中華料理を学ぼうとするほうが、楽しく生きられると思うわけです。

自分にはこのスキルしかないから、この仕事しかできない。そんなふうに選択肢を狭めてしまうとかなり辛いです。これからの時代は、特定のスキルではなくて、状況に合わせて自分のスキルも柔軟に変えていく。そういうふうに考え方を切り替えられることのほうがずっと重要になっていくでしょうね。

これから使える「プログラミング思考」

これから重宝されるスキルについて僕の意見をお話ししてきましたが、「プログラミング」に関してちょっとだけ補足しておきましょう。

小学校でもプログラミング教育が始まるなど、将来有望なスキルとしてプログラミングがすごく注目されるようになっていますよね。

自分でプログラミングできない先生が生徒に教えるとか、興味がないことを無理矢理学校で教えるとか、意味ないよなあ、と僕は思います。僕も中学校や高校で、興味のない古文や漢文を無理矢理勉強させられて本当にイヤだったので。

学校の授業で、プログラミングを教えるということに関しては「それってどうよ?」と思います。ただ、プログラミングに多少なりとも興味があるのなら、手を出しておいて損はないですよ。

プログラミングではない分野で、物事を少々工夫したところで、仕事の効率は倍になったりしません。すごく優秀と言われる人でも、できる仕事量にそんなに違いがあるわけじゃない。

けれど、プログラミングの場合、優秀な人とダメな人では、でき上がったプログラムの処理能力に
10倍、100倍の差がつくことがよくあります。処理の手順をアルゴリズムといいますが、うまいアルゴリズムのプログラムを書けるかどうかで、まったく生産性は違ってきます。

プログラムがどんなふうに動いているか、基本的なことがわかっていると、優秀なプログラマーがどんなことをやっているのかが見えてくる。

プログラム開発を外注する場合も、先方から提示された見積もりが妥当かどうか、ある程度判断できるようになります。自分自身がプログラマーにならなくても、トクすることは多いですよ。

表計算ソフトのエクセルにしても、マクロが少し使えれば、圧倒的に仕事のスピードを上げられます。

今の時代、それなりの給料をもらえる仕事で、まったくプログラミング(的な考え方)と関わりがない仕事はないですからね。このことは、知っておいたほうがいいでしょう。

【POINT】
  • 時代が進んでも残る仕事は、人にモノを売る「営業」。営業というと体育会系のイメージがあるが、本来はもっと幅広い定義ができる概念。
  • 「どう売るか」を考えるより、消費者目線で発想して「この商品の何が刺さったか」を考えるほうがラク。
  • どんな仕事がなくなり、生まれるかの正確な答えはわからない。だからこそ、仕事への「こだわり」よりも「柔軟性」が重要。

社会では「それっぽい提案」ができるヤツが一人勝ちする

勝負を決めるのは「正しさ」よりも「説得力」

前項でお話しした「営業」の話とも通じるのですが、これからの時代は「それっぽいことが言える」スキルは身につけておいたほうがいいでしょう。「それっぽいことを言う」は、口からでまかせとはちょっと違います。いかに相手に「もっともらしい」と思ってもらえるロジックを考えられるか、ということなのですよ。

たとえば僕は、電車に乗っている時にひとりでちょっとしたゲームをしています。昼間山手線に乗っていたとしましょう。もし、次の駅が大塚だったら、誰が降りるだろうと考えてみるんです。

おばさんグループとサラリーパーソンがいたら、どちらのほうが降りる確率が高いか。昼間なら、おばさんのグループはどこかに遊びに行く途中じゃないかな。だとしたら、ターミナル駅で乗り換えるだろう。大塚にあんまり観光スポットはないですからね。

でも、営業をしているサラリーパーソンだったら、大塚で降りるかもしれない……。

こうして立てた予想がきっちり当たることはそんなに多くはありませんし、僕も条件を揃えて厳密にデータを収集しているわけでもありません。

大事なのは「合っている」かどうか、「正しい」かどうかではなくて、「それっぽい」「もっともらしい」理由を考えることができたかどうかなんです。

いい加減だと思いますか? でも、実際の仕事でも、仮説が本当に正しかったのか検証できることのほうが少ないんじゃないですかね。

本なんかも、まさにそうです。「今このテーマが流行っている」「この著者が人気だ」「こういうデザインの表紙が手に取ってもらいやすい」などなど、本が売れるのにはさまざまな要因が関係していますが、本当のところ売れた決定的要因が何なのかを正確に検証することはできません。

「インパクトのある表紙が受けた」など後づけで理由を説明することはいくらでも可能ですが、あくまでそれは「仮説」にすぎないわけです。別の表紙だったらもっと売れていたかもしれませんよね。

もちろん、技術の進歩によって、今後はより精密にデータを集めることができるようにはなるでしょう。紙の本では難しいでしょうが、今でもウェブサイトであれば滅茶苦茶細かいデータが取れるようになっています。

どういう商品が売れているか、その商品と似た商品を買っているのはどんな人か、商品画像Aと画像Bではどちらのほうがクリックされやすいか。

現在は、こういうデータを一生懸命調べたり、コンピューターでグラフにしたりできる人が重宝されていますが、そういう作業は高度化、自動化が進んでいますから、誰でも同じようなことができるようになっていきます。だから、データを収集して予測するような仕事の価値がなくなっていくのは間違いないでしょうね。

では、仮説を立てるのが無意味かといえば、僕はそうじゃないと思うんですよ。

どんなに仕事の自動化が進んでも、最終的に人間の判断が求められる部分は必ず残ります。経営に関するデータ分析が進んでも実際にどういう戦略を採用するのか決めるのは人間の経営者ですし、企業にどれだけ投資するのかを決めるのも人間の投資家です。

この本の読者のほとんどは経営者ではないでしょう。それであれば、「何が正しいのか」よりも、経営者に「こいつの言っていることは説得力がある」と思われることのほうが大事です。

人を動かす「重役っぽい雰囲気」を醸し出すスキル

たとえば、「来年あたりには、こういうジャンルのサービスが流行るんじゃないか?」と、ピンと来ることはけっこうありますよね。

今のところ、コンピューターにはこういう「直観」がありません。AIツールに大量のデータを放り込めば、一見無関係に見えるデータの間に相関があることを教えてくれはします。何かのジャンルが流行したあとに、「この流行は××と相関がある」といった分析はできるでしょう。だけど、まだデータ化されていない、「何となくそうじゃないかという感覚」に関しては、まだコンピューターでは扱うことはできません。

ですから、あなたに「来年あたりには、こういうジャンルのサービスが流行る」という直観が下りてきたら、それに説得力を持たせる理屈やプレゼンのやり方を考えればいいわけなのですよ。

予想なんて、さっきお話しした電車の乗り降り1つ取っても、そうそう当たるものではないですが、当たればすごくラッキーです。自分の意見を採用してもらうために、何が必要かをきちんと考えましょう。

ネット上で、「重役っぽい雰囲気の話し方テクニック」の動画を見たことがあります。声のトーンや話すスピード、会議の中で一番偉い人をファーストネームで呼ぶといったテクニックを使うことで、たしかに「重役っぽさ」が醸し出されるんです。

欧米ではこういう「重役っぽい雰囲気」のことを「エグゼクティブ・プレゼンス」といって、企業幹部になるための必要条件と考えられているらしいですよ。

根拠となる正確なデータがなくても、もっともらしい仮説を立てて、決定権のある人間をうまく説得する。それがどんな人間にとっても、重要な仕事ということになっていくでしょう。普段からそのことを意識しておいたほうがいいと思います。

【POINT】
  • 仕事において重要なのは、判断の「正誤」ではなく、「もっともらしい理由」を考えられるかどうか。
  • 仕事の自動化が進んだとしても、最終的な意思決定者が人間であるということは変わらない。
  • コンピューターは、データを元に「相関関係」の分析はできるが、まだデータ化されていない「感覚的なもの」を扱うことはできない。
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ひろゆき
本名・西村博之。1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカのアーカンソー州に留学。1999年にインターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。東京プラス株式会社代表取締役、有限会社未来検索ブラジル取締役など、多くの企業に携わり、企画立案やサービス運営、プログラマーとしても活躍する。2005年に株式会社ニワンゴ取締役管理人に就任。2006年、「ニコニコ動画」を開始し、大反響を呼ぶ。2009年「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。
 

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