2020年、働き方ががらりと変わったという人は多いだろう。記者も新型コロナウイルス感染拡大による4月の緊急事態宣言以降、テレワークに移行。今では月に3~4回程度しか出社しなくなっている。基本的には、会社支給のノートPCを使っているのだが、スペックや機能で物足りなさを感じることが増えた。

こうした不満を解消してくれそうなのが、各社がラインアップをそろえてきたインテルの第11世代コアプロセッサー・ファミリーを搭載するモバイルノートPCだ。今回は、いち早く発表したASUSの「ASUS ZenBook Flip S UX371EA(UX371EA)」をレビューしてみたい。
 

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インテルの第11世代コアプロセッサー・ファミリーを搭載する
「ASUS ZenBook Flip S UX371EA」を試した(写真=BCN+Rより引用)

昔とは違う ASUSの本気のモバイル機

ASUSはPCメーカーの中でもモバイルに強いというイメージがある。記者も出先でさっと原稿を書きたいときなどに過去モデルにお世話になったが、メイン機として全てを委ねるほどの性能は持っていなかった。設計からして機動性特化なので、それを不満に思うこともなかった。

ところが、最近は同社のノートPCに対するアプローチも変わってきた。スタンダードモデルやハイスペックのモバイルPCにも本腰を入れており、全てを委ねられるメイン機が多くそろってきた。ノートPCはどれも似たり寄ったりになりがちなカテゴリだが、その中でも独自性がふんだんに盛り込まれているのも魅力。結論からいうと、UX371EAはまさにこうした新しいASUSを体現するようなノートPCだ。

UX371EAのディスプレイサイズは、テレワーク用途として最も需要があるであろう13.3インチ。選択肢には4K UHD有機ELディスプレイのモデルがあり、今回はこちらを使用した。重さは約1.2kgと、モバイルノートPCとしてはやや重め。このあたりは、スペックと重量のバランスをどう考えるかで人によって好みが分かれるところだが、個人的には自宅や会社、取材先に持ち歩くのに不便は感じなかった。
 

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重量は約1.2kg。モバイルPCとしてはやや重め(写真=BCN+Rより引用)

デザインは「美しい!」の一言。天面は薄く波紋が施され、メタリックの質感を高めており、カッパーでASUSのロゴが刻印されている。カッパーはマシン側面のエッジにもさりげなく配色されていて、どの角度から見ても高級感を堪能できる仕上がりになっている。キーボードの印字もカッパーで統一されており、テック感もありながら落ち着いた印象を与えてくれる。
 

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波紋が美しい天面(写真=BCN+Rより引用)
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きょう体のエッジはカッパーで縁取られている(写真=BCN+Rより引用)
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キーボードの印字色もカッパー(写真=BCN+Rより引用)

インターフェースは、USB Type-C×2(Thunderbolt 4対応)/USB Type-A×1/HDMIを搭載。記者としてはmicroSDスロットもあればうれしかったのだが、一般的なビジネス用途としては十分といえるだろう。なお、電源はキーボード部ではなく、インターフェースと同じ側面に備わっている。
 

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電源は側面に備わっている(写真=BCN+Rより引用)

最新プロセッサー&有機ELで作業効率が爆上がり!

スペックで最大の目玉といえるのが、インテルの第11世代コアプロセッサー・ファミリーを搭載していることだ。モバイルノートPCに特化しており、薄型・軽量マシンでも高負荷な作業やマルチタスクの快適性が格段に向上。さらに省電力設計となっている。UX371EAはCore i7-1165G7とCore i5-1137G7の2種類の選択肢がある。

記者はCore i7-1165G7搭載機を使用したが、動画を小窓で視聴しながら、ブラウザを閲覧、ついでにExcelで作業するなどのマルチタスクでも動作がカクついたり、フリーズしたりすることなく快適にこなせた。その爆速具合は、会社支給のノートPCをはるかに上回る。大抵の人であれば、現在使用しているノートPCからの進化を分かりやすく実感できるはずだ。
 

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インテルの第11世代コアプロセッサー・ファミリーを搭載。
インテルが次世代PCの基準として策定するEvoプラットフォームにも準拠している(写真=BCN+Rより引用)

こうしたパワフルな性能は各社の第11世代搭載機でも共通するところかもしれないが、UX371EAならではの魅力としてハイスペックを際立たせているのが、4K UHD有機ELディスプレイだ。正直、13.3インチではオーバースペックという先入観があったのだが、実際に試してみると、もうフルHDに戻るのはキツくなる。

映像コンテンツを試してみれば一目瞭然なのだが、有機ELなのでコントラストがくっきりとしており、液晶パネルを採用したノートPCとは明らかに異なる映像美を堪能することができる。色再現性も高いので、例えば撮影した写真の色味を細かくチェックしたいときにも十分に要求に応えてくれる。
 

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黒をはっきりと描写できるのは有機ELならではの魅力。ダークモードにすると快適さが実感できる。
ただ、液晶に比べると映り込みは多い(写真=BCN+Rより引用)

ドットを感じさせないきめ細かい描写は、Excelで細かい数値を見るときなどにもメリットがある。視認性が上がり、目がチカチカすることがないので、外付けのディスプレイにつないで大画面で作業していたデータもUX371EAだけで十分になった。
 

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Excelなどのオフィスソフトを使用する際も高精細ディスプレイのメリットを感じられる(写真=BCN+Rより引用)

ASUS独自の魅力も満載! 新しいPCスタイルの提案

操作の基本となるキーボードとタッチパッドも良好だ。キーボードは、静音設計ながら打鍵感がしっかり伝わってくる。記者のように、タイピングがメインの職種でも疲れにくい設計になっている。タッチパッドは横に広く、十分な作業領域が確保されている。感触が気に入ったのが、タッチパッドのクリック感だ。細かい部分かもしれないが、押し込んだときのちょうどいい深さと音の小気味が良い。もし実機に触る機会があるなら、ここはぜひ味わってほしいポイントだ。
 

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タッチパッドは横に広い。クリック感が秀逸!(写真=BCN+Rより引用)

ASUSは昨年からいくつかのモデルでタッチパッドがテンキーボタンに切り替わる「NumberPad」を採用しているが、これはUX371EAにも搭載されている。斬新な機能ゆえに一連のワークスタイルに取り込むには少し慣れがいるかもしれないが、ノートPCにテンキーを外付けして作業するような人であれば、重宝する機能になるだろう。テンキーモードオンでもタッチパッドとして機能するので、作業の時短につながるはずだ。
 

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タッチパッドはASUS独自の機能「NumberPad」を搭載(写真=BCN+Rより引用)

UX371EAの自由自在の変形機構についても触れておきたい。ヒンジが360度に回転することで、通常のクラムシェルスタイルだけでなく、タブレットスタイル、テントスタイルなど、さまざまな使い方ができるのだ。これまで紹介してきた優れた操作性と高性能が従来のワークスタイルの質を底上げするものだとしたら、この変形機構は新たなスタイルを提案してくれるものといえるかもしれない。
 

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ディスプレイを回転させて、さまざまなスタイルに変形できる(写真=BCN+Rより引用)

記者でいえば、紙媒体の原稿に赤入れをする作業で新しいスタイルの恩恵を味わうことができた。タブレットモードに切り替えてPDFを表示、付属するペンを使用すればプリントアウトした原稿に赤を入れるのと変わらない感覚で作業を行うことができた。先述した高精細ディスプレイの良さは、ここでも生きる。画像の色味なども細かくチェックでき、効率は紙に直接書き込んでいたとき以上だ。
 

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タブレットモードはペン操作も快適(写真=BCN+Rより引用)

第11世代コアプロセッサー・ファミリーの“省電力”という特徴は先述したが、UX371EAは有機ELの高解像度ディスプレイながら連続駆動時間が約13.4時間を実現。1日中、自宅やオフィスに戻れないというときでも電池切れにおびえることなく、仕事に打ち込むことができる。現在、テレワークの環境に物足りなさを感じていたり、新しいアプローチを考えたりしているなら、UX371EAは多くの側面でその期待に応えることができるだろう。

文・大蔵大輔(BCN)/提供元・BCN+R

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