「洋服の青山」は破綻してしまうのか?希望退職者400人を募集、160店閉店……

2020.11.21
ビジネス・キャリア
(写真= yu_photo/stock.adobe.com)
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スーツ販売の大手チェーン、「洋服の青山」。同店の運営会社である青山商事が、初めて希望退職者の募集に踏み切った。新型コロナウイルスによって、業績に深刻な影響が出ていることが理由だ。店舗の閉店数を増やすことも発表されており、ダメージが大きい青山商事の今後に視線が集まる。

青山商事、初の希望退職者の募集に踏み切る

青山商事は2020年11月10日、希望退職者の募集と役員報酬の減額を発表した。希望退職者の募集人数は400人程度で、青山商事が抱える正社員数の約1割に相当する。募集対象者は「40歳以上63歳未満で勤続5年以上の正社員」だ。

発表によると退職日は2021年5月末で、希望退職者には割増退職金を支給するほか、本人が希望すれば青山商事の負担で再就職支援を受けることができる。

青山商事は希望退職者の募集をする理由として、新型コロナウイルスの影響で業績が悪化していることを挙げている。青山商事の業績悪化は、数年前から「スーツ離れ」などによって始まっていたが、コロナ禍がその状況に拍車をかけた。

青山商事は希望退職者募集の発表に際し、これまで事業の再構築プロジェクトに取り組んできたことを説明した。その上で「さらなる構造改革として、人員の適正化と年齢構成の調整を実現することを目的に、希望退職の募集を行うことといたしました」と述べている。

青山商事の業績は?株価は右肩下がりが長期化

青山商事は希望退職者の募集を発表した2日後、2021年3月期第2四半期の連結業績(2020年4~9月)を発表した。売上高は、前年同期比40.1%減の610億6,500万円と大幅に落ち込んだ。

営業利益と経常利益、最終損益は前年同期も赤字だったが、それぞれ赤字額が拡大している。詳細は以下のとおりだ。

  • 営業利益……138億5,100万円のマイナスで約8.8倍
  • 経常利益……29億600万円のマイナスで約11.1倍
  • 最終損益……169億3,800万円のマイナスで約2.6倍

通期の業績予想は、以下のとおり。

  • 売上高……1,723億円(前年同期比20.9%減)
  • 営業利益……128億円のマイナス
  • 経常利益……103億円のマイナス、
  • 最終損益……292億円のマイナス

このようにコロナ以前から業績が振るわず、コロナ禍で業績悪化が加速している青山商事。株価も下落に歯止めがかからない状況だ。2018年前半から現在にかけて右肩下がりの状況が続いており、株価回復の期待感は薄い。

コロナ禍が青山商事に与えた悪影響とは?

コロナ禍が青山商事に与えた影響をもう少し踏み込んで考えてみると、2点挙げられる。コロナ禍でスーツ需要が一気に落ち込んだことと、店舗の臨時休業や時短営業を余儀なくされたことだ。

悪影響1,スーツを着る機会の減少

入社式を見送る企業が増え、入学式を延期・中止する大学や専門学校も続出した。在宅勤務(リモートワーク)の増加によって、スーツを必要とするシーンも減った。これらによって、スーツの需要自体が減少したのだ。

悪影響2,店舗の休業

青山商事も従業員や来店客の感染を防止するために、休業や時短営業を決断せざるを得なかった。休業や時短営業は、いうまでもなく売上減に直結する。ビジネスウェア事業の既存店客数は、2020年9月期は前年同期の75.0%まで減った。

苦境を乗り切るための希望退職と店鋪閉鎖

業績が厳しく、株価も右肩下がり。この苦境から抜け出すために、青山商事は希望退職者の募集を行うわけだ。

同社は、不採算店舗の閉店計画の拡大も発表している。これまでは3年間で85店舗を閉店する計画だったが75店舗を追加し、160店舗まで対象を広げる。160店舗は、店舗数の2割に相当する。コスト見直しをさらに進めることで、採算性を高める考えだ。オペレーションの省力化・省人化も図るという。

さらに、リブランディング施策として商品力や機能性の訴求に力を入れ、SNSを活用した販売・宣伝にも注力する計画だ。

他の打ち手は?「価格表示」にも改善の余地がある?

コロナ禍による青山商事の売上の落ち込みは、「スーツのAOKI」でおなじみのライバル「AOKIホールディングス」よりも深刻だ。なぜ青山商事とAOKIの落ち込みに差が出ているのだろうか。その要因として、「価格表示」の違いを指摘する声もある。

青山商事は2019年10月の消費税増税後、「常時低価格路線」に動いた。割引表示で購買意欲を高めるのではなく、常に低価格で販売する「EDLP型」(Everyday Low Price)に切り替えようとした。一見消費者に寄り添った価格表示のように感じるが、消費者の購買行動には結びつかず、売上が思うように伸びなかった。

青山商事の業績回復はコロナ禍によるところが大きいが、価格表示といった消費者へのアピール方法などには改善の余地があるかもしれない。

執筆・

国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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