コロナ禍で今年のハロウィンは、例年のような外食での盛り上がりは期待できず、"お家ハロウィン"が主流になると思われる。アルコールメーカー各社もハロウィン商戦を狙い、ワイン、リキュールなどがスーパーの陳列で目立っている。今年、目につくのが「モエ・エ・シャンドン」や「ヴーヴ・クリコ」など、ラグジュアリーの象徴でもあるシャンパンが一般スーパーにも並んでいる。

 外食では不動のシャンパンとして誰もが知っている「モエ・エ・シャンドン」が、存在感を示している。一般のスーパーでも750mlのフルボトルは販売しているものの、今年は少し違う。ハーフボトルの375mlや一人飲みにちょうど良い、ピッコロボトルと言われる200mlがスーパーの冷蔵ショーケースに陳列されている。しかし、残念なのは、スパークリングワインと並んで陳列されているため、シャンパンを知らない消費者からは単に価格が高いだけのスパークリングワインに伝わってしまうと思われる。

(写真=フードリンクニュースより引用)

 今年のハロウィンは、自宅で楽しむ"お家ハロウィン"。一人ハロウィンや友人達とのオンラインハロウィンなどのシーンで、ちょっとした贅沢に最適なのがピッコロボトルである。フルボトルは高く、一人で飲むには量が多い、泡抜けを防ぐストッパーを使っても時間が経つと徐々に泡は抜けていく。ピッコロボトルであれば、飲み切りサイズであり、オンライン越しにさりげなくボトルを置いていれば、乾杯で仲間に差をつけ、注目株になるのは間違いない。

 ハロウィン、クリスマスとイベントが続き、自宅で贅沢を楽しむ機会が増えることは、シャンパンの購買意欲も高まる。メーカーにとっては、自社アイテムを購入に大いに期待ができる。モエ・エ・シャンドンを例に挙げれば、外食のシーンでは手の届く贅沢シャンパンとして認知されているが、スパークリングワインと並んでの陳列となると、モエ・エ・シャンドンが埋もれてしまって、贅沢、華やかさが全く伝わってこないのが残念だ。

(写真=フードリンクニュースより引用)

 陳列やディスプレイなど、スーパーで販売する際の条件があると思うが、上記のような画像の乾杯写真だけではなく、外食シーンでも不動のシャンパンであるメッセージやワインクーラーにアクリルロックアイスとモエピッコロボトルを入れ、ディスプレイするなど、デイリースパークリングとの差別化を図ることが必要である。

 "お家ハロウィン"は身近にシャンパンを飲むきっかけになり、量販でもメーカーの「艶な」売り方に期待したい。

文・小山裕史/提供元・フードリンクニュース

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