近年世界的に普及が進み、日本国内でもQRコード決済が一般的になるなど、かなり身近な存在となってきたキャッシュレス決済。2020年に行われた調査をもとに世界での普及具合を見てみると、遠くない将来にキャッシュレス完全導入されそうな国まで存在することがわかった。
今回は、世界のキャッシュレス決済普及事情と、今後の展望をご紹介していきたい。

2030年にマレーシアから現金が消える?

オトナライフ
近年急速に発展している東南アジアの国・マレーシア(写真=オトナライフより引用)

イギリスのスタンダードチャータード銀行が、12市場・12,000人を対象として行った調査によると、新型コロナウイルス感染症の流行もあり全世界で「オンラインショッピングの利用が加速する」という調査結果になったという。中でもマレーシアでは、コロナ禍となる前は30%しかいなかった「オンラインショッピングを好む」という回答が、今回の調査では51%の回答者が「対面での買い物や現金支払いよりもオンラインを利用することを好む」と答えた。この回答の変化から、70%という圧倒的な支持を得ていた「対面での買い物」が、感染リスク低減のためにオンライン志向が高まり、主流派と少数派がごっそりと入れ替わったことがわかる。

さらに同国のスタンダードチャータード・マレーシアの責任者も、国内で日頃の買い物から資産形成のための投資まであらゆる場面でデジタル化が急速に進んだことを明言。街中などにあるATMの利用率も2年前の半分程度に下がっているといい、スタンダードチャータードも報告の中で「マレーシアの消費者の多くはキャッシュレス決済が2030年までに完全導入されると考えている」と結論づけた。