ワールドグループの(株)アンドブリッジは、オフプライスストアの「アンドブリッジ(&Bridge)」の期間限定店を浅草に8月29日、JR京都駅前に9月5日それぞれオープンした。前者は浅草ROX・3Gの1階で約180坪で5カ月間、後者はイオンモールKYOTO2階に190坪で1年半の期間限定。西大宮店(2019年9月オープン)、相模原店(2020年3月オープン)に次ぐ3、4店目の出店は、都心での実験店舗になった。前者は従来型(4,500?5,500円)よりも小売価格は高く6,000?6,500円を想定している。商品はワールドのブランドが25%程度で百貨店向けブランドやインポートブランドが多くなっている。

問題は都心の家賃と見合う売り上げが取れるかだろう。コロナ禍で家賃は今後下落傾向が予想されるし、なによりも体力のないブランドが退店するケースが予想され、良い立地に恵まれることが予想される。またコロナ禍で冷え込んだ消費マインドには、オフプライス消費はぴったりの商材かもしれない。いずれにしても都心から20km圏の西大宮店、都心から50km圏の相模原店の4店での販売データを基にして、2021年3月までにあと2店、2023年3月までに最大20店の出店を目指すという。ブランドごとのくくりによりアウトレットモールで行うアウトレットビジネスは、現在日本国内で約40のアウトレットモールで8000億円のビジネスを行っている。1990年にバブル経済が崩壊後では最も堅調なブランドビジネスだったと言える。オフプライスストアはもっと雑多にブランドを集めてストア単位でのビジネスを行うが、日本では端緒についたばかりだが、将来的にはアウトレットモールビジネスの半分ぐらいまで拡大するという見方もある。

パンパシフィック・インターナショナル・ホールディングス(旧ドン・キホーテ)の「オフプラ」などの競合はあるが、ワールドグループの「アンドブリッジ」はオフプライスの先陣争いに勝てるだろうか。失敗は許されない。

文・久米川一郎/提供元・SEVENTIE TWO

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