飲食メディアに異変?ぐるなび、クックパッドが苦しむ理由とは

2018.12.21
BUSINESS
(写真=Jo karen/Shutterstock.com)
(写真=Jo karen/Shutterstock.com)
これまで順調に成長を続けてきた、ぐるなびやクックパッドが経営不振に喘いでいる。これは一時的なものだろうか、それとも構造が変わってきたのだろうか。今、飲食メディア産業で起こっていることを解説したい。

ぐるなび、クックパッドともに厳しい決算結果に

5月9日のぐるなびの決算発表の数字は、お世辞にもいい結果とは言えなかった。年間の売上は-2%、営業利益は-29.6%とマイナス成長になったからだ。特に第四四半期の結果が良くなかったことも、投資家達にはマイナスに映ったのではないだろうか。結果、1500円近かった株価が1000円を割る水準にまで悪化している。

クックパッドの決算も失望を呼んだものだった。第一四半期の決算は、売上が-18.7%、利益に至っては-57.8%と大きく前年を下回るものだったからだ。こちらも決算発表後、株価は低迷している。

両者ともに決算の数字が悪かったから失望を呼んでいるわけではない。構造的な部分で、成長が止まっていることが問題視されている。ぐるなびは、減収の要因として新規契約店の減少と解約店の増加を挙げている。つまり加盟店が減っているということだ。同様にクックパッドにおいても、ユーザー数は2016年以降緩やかな低下傾向にあり、いずれも「顧客離れ」が進んでいることがマイナス評価されたのだろう。

「顧客ニーズ」は常に変化している

なぜ飲食メディアを牽引してきたこの両社が今になって減速してきたのだろうか。

最も大きな要因として考えられるのは「顧客ニーズの変化」だ。飲食メディア業界自体は、いまだに成長を続けている。先行者として顧客を増加してきた両社だが、ここにきて顧客ニーズの変化を見落としていたのかもしれない。

ぐるなびのようなレストラン検索サイトにおいては、「レビュー」でお店を正しく評価できる「食べログ」は今も好調である。さらには、redishのようなコンシェルジュサービスや、東京カレンダーのような独自の切り口を持ったコンテンツを持つサービスが台頭してきている。レストランを検索すること自体が付加価値だった時代とは異なり、レストランの紹介そのものにコンテンツ性を持たせる必要がある。もちろんぐるなびもキュレーションメディアのような施策は行っているものの、独自性の面では疑問が残る。

一方クックパッドについては、料理動画サービス「クラシル」と比較するのがわかりやすいだろう。クラシルは料理の作り方を動画で紹介してくれるサービスで、コンテンツとして非常にわかりやすく、見ていて楽しいものになっている。事実、アプリランキングで1位を獲得するなどユーザー数を大きく伸ばしている。レシピが増えすぎて正しいものはどれかわからない、と評されるクックパッドとは対照的だ。

かつて両社は「今までなかったこと」を行ったことで、大きく成長してきた会社だ。しかし業界が成熟するにつれて、今までなかったことは「当たり前のサービス」に変遷していく。そうなると、顧客には新しいニーズが出てくる。レストラン検索サイトでは「コンテンツ性」がそれに該当し、レシピ検索サイトでは「わかりやすさ」「見やすさ」のようなものが新しい顧客ニーズになるのだろう。

いかに速く新しい顧客ニーズを捉えるかが課題

飲食メディアという新しい領域を作った両社だが、産業が成熟してくると顧客ニーズも変化し、競争も厳しくなってくる。今のままでは両社とも、ジリ貧になる可能性も否定できない。ニーズの変化を見抜けなかった両社が、新しい顧客ニーズを捉え、再び脚光を浴びる日は来るのだろうか。

文・ZUU online 編集部

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