新型コロナウイルスの勢いが止まらず、いよいよ倒産する企業も増えてきました。東京商工リサーチによると、全国で新型コロナウイルスによって負債額1,000万円以上を抱えて倒産した企業は、7月30日時点で365件にのぼったといいます。しかしその中でも、倒産ゼロを維持している県が2つだけあるようです。なぜ、この2つの県はコロナ関連倒産を免れているのでしょうか。

コロナ関連倒産が0件(2020年7月1日時点)なのは高知・和歌山

前述した東京商工リサーチによる「新型コロナウイルス」関連破たん状況によれば、7月30日時点のコロナ関連倒産件数365件の地域別内訳では東京が最多の91件、次いで大阪の35件、北海道が21件と続いています。多くの都道府県が5件以上の倒産を抱える中で、高知と和歌山におけるコロナ関連倒産は0件でした。

倒産した企業の事業内容は

さらに事業内容別でみると、飲食店が55件、アパレル関連が46件、ホテル・旅館が40件と続きます。

高知・和歌山のコロナ関連倒産がゼロ件なのは飲食店・ホテルの数が少ないから?

経済産業省の「平成28年経済センサス-活動調査」で2県の飲食店数等を調べたところ、2県とも全国平均を大きく下回ることがわかりました。

表1 全国平均および東京と和歌山、島根、高知の飲食店数
 

全国平均 10,628
東京都 60,668
和歌山県 4,142
高知県 4,110

表2 全国平均および東京と和歌山、島根、高知の宿泊事業所数
 

全国平均 844
東京都 2,041
和歌山県 477
高知県 391

それぞれの県で、飲食店・宿泊事業所ともに全国平均の半数を下回る結果となっています。事業所自体が少ない分、経営がひっ迫している事業所も少ないのかもしれません。

実は倒産している

東京商工リサーチの調査「『新型コロナウイルス』関連破たん状況」は、「コロナによる影響で倒産したことが担当弁護士や当事者から言質がとれたもの」かつ、負債総額が1,000万円以上の企業のみがカウントされているものです。この集計には漏れているものの、それぞれの県では倒産する企業が相次いでいます。

前述の調査で倒産件数が少ない県、また倒産件数がゼロの県も、この状況が長引けば倒産は拡大していくでしょう。

2020年の倒産は1万件を超える予測も

この状況が長引けば2020年の年間倒産数は1万件を超えるという予測もあり、コロナ関連倒産は今後も続くことが予想されます。企業の倒産は、そこで働く人たちの失業を意味します。会社が倒産する前にリストラに走る企業も出てくるでしょう。

未曾有の事態を乗り切るために、「自分の業種には関係がない」と高をくくらずに、各々がスキルを磨くべきときなのかもしれません。

提供元・YANUSY

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