マイナンバーと口座情報を紐付けることを目指す自民党
- 今国会にもマイナンバーと口座情報紐づけの法整備
- 15%と低いマインバー普及率
- 手続きの簡略化と不正な資金の流れを監視する目的も
給付にスピード感を出すための施策か
10万円の特定定額給付金を巡っては、市区町村では給付申請の確認作業が煩雑になっており、給付が遅れていることが問題となっています。 またリーマンショック時にもこうした給付が行われたように、今後も経済危機や災害時に際して給付が行われる可能性があります。 こうしたことから手続きを簡略化し、公金給付を今後も迅速に行っていくために、マイナンバーと口座情報の紐づける提言案を自民党は検討しています。
早ければ今国会中にも
自民党はマイナンバー制度活用のための施策に関する費用について、今年度の第二次補正予算に組み込みたい考えです。そのため、自民党は野党にも協力を求めながら、5月20日にも正式に方針を決定し、今国会中での議員立法の提言を行うことを目指しています。 これを受けて、高市早苗総務相は「真摯に受け止め、しっかりと検討する」と述べています。
活用しきれないマイナンバーの現状
特別定額給付金の給付スピードへの批判が高まるにつれ、マイナンバーへの関心も高まっています。 しかしながら、現状ではマイナンバーのメリットを一般的に感じられる場面が少ないため、マイナーナンバーの普及も低いままになっています。
マイナンバーカードの申請も進まず
マイナンバーカードの交付枚数は2020年1月の段階で約1900万枚と、普及率は15%弱にとどまっています。 マイナンバーカードは現状のところ身分証明書としての利用が主要な用途となっています。そのため、マイナンバーカードではなく運転免許証や保険証などの既存の証明書類でも代用できるため、マイナンバーカードの必要性を感じられないことが普及を妨げる原因の1つとなっています。
健康保険証としての利用も可能に
マイナンバーカードの低い普及率を受けて、政府はマイナンバーカードの普及を推進してきました。 例えば、2021年3月からは健康保険証としても活用できるようになり、カードリーダーにマイナンバーカードをかざすだけで、オンラインで医療資格を確認できるようになる予定です。それによって、窓口に高齢受給者証や高額療養費の限度額認定証などの書類を病院に持っていく必要がなくなるとともに、医療費控除の申請も医療機関の領収書が不必要になる予定です。 マイナンバーカードが活用できる場を増やすことで政府はマイナンバーカードの利便性を高め、普及を推進する狙いがあります。
すでに預金口座にはマイナンバーの紐付けが義務
2016年より証券取引などを行う口座に関しては金融機関へマイナンバーの通知が必要とされ、2018年以降に銀行口座を作成した場合には預金口座にもマイナンバーの通知が必要とされるようになりました。 こうしたマイナンバーと預金口座の紐づけには手続きコストの削減やマネーロンダリングの監視という目的もあります。
一括した管理で手続きなどの削減を目指す
マイナンバーによる一括管理によって、引っ越しの際に銀行などへの住所変更手続きが不要になり、相続税や贈与税の手続きにおいて住民票が不必要になるなどの手続きの簡略化が進められています。 内閣府では引っ越しに伴う事務手続きの簡略化で170億円の社会的なコストダウンを、相続税や贈与税の手続きの簡略化によって12億円の行政コストの削減を見込んでいます。 政府はこうした一括管理によって手続きの簡略化とそれによるコストの削減を目指しています。
不正な金の流れを監視する目的も
マイナンバーが預金口座を紐づけされていなければ、まずは誰がどの銀行に口座を持っているのかを調べるところから始めなければなりません。そのため、複数の銀行口座をもつ個人の資金の流れを把握するためには時間がかかりました。 しかし、マイナンバーを預金口座と紐づけすれば、口座情報も一括で管理されることになるため、資金の流れの把握が容易になります。 それによって脱税の摘発が容易になるとともに、不正な資金の流れも監視しやすくなるため、マネーロンダリング(資金洗浄)を防止する効果も期待されています。
文・ビズキャリ編集部/提供元・ビズキャリonline
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