JALが21年度の採用を中断へ

1分でわかるニュースの要点
  • 航空会社の売上は全世界で33兆円の減少で前年の半分
  • 日本の航空会社各社は採用活動を中断
  • 新型コロナウイルスの影響が長引き、倒産や国有化も

急激な業績悪化に苦しむ航空業界

国際航空運送協会(IATA)によれば、新型コロナウイルスの影響によって2020年度の航空業界の売上高は全世界で前年度よりも33兆円低下し、前年度の約半分にまで落ち込むとされています。 国内の航空会社であるANAやJALの業績予想では売上高を5%程度下方修正したのみで比較的軽微ですが、営業利益ではJALが28%減、ANAが57%減と下方修正に迫られています。 このように、世界的にも日本国内においても航空業界は急激な業績悪化に苦しんでいます。

内定者はそのまま採用する見込み

ANAホールディングスではすでに内定を出した専門学校生ら600人に対してはそのまま採用すると発表しています。 また、JALもグループ各社で内定を出していて150人に対しては内定取り消しを行わなず、自社養成パイロットや企画職の障碍者採用については今年度も継続する方針を打ち出しています。

採用中断が迫られる航空各社

急激な業績悪化によって採用中断を決断する航空会社が相次いでいます。ANAやJALだけでなく格安航空会社LCCも採用中断するなど、航空業界全体において採用活動がストップしています。 業績悪化に伴う採用活動の減少は今後も増加するでしょう。

ANAも採用を中断

ANAは2020年5月8日に2021年度入社の採用活動を一時中断すると発表しています。 これは新型コロナウイルスによる業績悪化によって事業計画の見直しに迫られており、それによってANAグループ各社で予定していてた約3200人の採用計画も変更せざるを得なくなりました。 ANAは採用凍結ではないと発表していますが、採用活動の再開の目途はたっていません。

スカイマークはすべての業種を中断

スカイマークでは自社養成パイロット訓練生、客室乗務員、事務系・技術系・ITスタッフの5職種で採用を予定していました。しかし、新型コロナウイルスの影響ですべての業種に関して採用の中断を決定しています。 スカイマークでは当初採用活動の中止と発表していましたが、その後一旦中断へと変更されました。 今後の航空需要の回復次第では採用再開をする予定ですが、スカイマークにおいてもANAと同様に再開の目途はまだたっていません。

苦境が続く可能性が高い航空業界

ドイツの大手航空会社ルフトハンザのシュポア社長が「コロナ危機後の航空産業の姿は、いまと異なるものになっている」と発言するなど、新型コロナウイルスの影響が長引くことが航空会社では予想されています。 すでに倒産する航空会社も現れてきていますが、公共性の高い航空会社を国有化によって救済する動きも出始めています。

すでに倒産した航空会社も

座先数が100席以下が中心と小規模であるものの、ヨーロッパで最大規模の路線数を誇るフライビーが3月に倒産をしています。また、特定の路線に就航しているリージョナルキャリアではアメリカのトランス航空が4月1日に、コンパス航空が4月7日に最終フライトを終え、倒産しています。 大手航空会社では、オーストラリアでシェア2位のヴァージン・オーストラリアが4月21日に事実上経営破綻し、タイでも政府系の大手航空会社タイ航空が倒産しています。 このように小規模な航空会社だけでなく大手航空会社にも倒産の波が押し寄せてきています。

一部では国有化が進む

国の重要な交通インフラを担う航空会社の倒産を避けるため一部の国では航空会社の国有化の動きがみられます。 イタリアではアルタリア航空が完全国有化されています。また、フランスではエールフランス航空の国有化が検討されているほか、イギリスでもブリティッシュエアウェイズへのイギリス政府による資本参加が報じられています。 このように苦境が続く航空会社への国有化の動きが欧州を中心に広まっています。

文・ビズキャリ編集部/提供元・ビズキャリonline

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