Facebookのマーク・ザッカーバーグ氏やSnapChatのエヴァン・シュピーゲル氏など20代で国際的成功を収める起業家も増えているが、起業に年齢制限はない。米国では新規事業を立ち上げる起業家の5割以上が45歳以上で、IntelやGAP 、IBMの設立者など40歳を超えてから大成功を収めた起業家も多い。

40歳からの起業メリット(1)経済的に安定している・資本力がある

起業を考える人の多くは40代までに経済的基盤を築き、多少なりとも貯蓄しているはずだ。そのため多額の起業資金を借り入れて返済に窮する、あるいは起業当初に利益が出なくて生活に困るといった状況に陥りにくい。

メリット(2)スキルや経験、知識を積んでいる

過去のキャリアから培った専門知識や様々な経験を起業に活かせる。まったく畑違いの分野で起業するとしても、「長年の教訓」がリスクや課題の特定や解決に役立つだろう。

メリット(3)ネットワークが広い

ビジネスやプライベートで築き上げた人脈は、20代の頃よりもはるかに広がっているだろう。また身につけた対人スキルを活用して、ネットワークをさらに広げることも容易だ。

メリット(4) 自分の長所・短所を認識している

すべてを自分で抱え込み苦戦する起業家もいるが、大抵の人は40歳にもなると自分にとって得意な分野、苦手な分野を明確に認識している。自分が情熱を持って上手くできることとそうでないことを分別できることは、起業家にとって重要なスキルである。

GAP、IBM、Intelなど、40歳から起業して大成功した例

40歳を過ぎてから起業し、瞬く間に国際ブランドに育てあげた起業家も多い。

GAPの共同設立者ドナルド・フィッシャー氏が、夫人とともにサンフランシスコにGAP第1号店をオープンさせたのは41歳の時。当時はLevi’sのジーンズを販売していたが、5年後にはオリジナルジーンズの販売を始めた。Intel の共同設立者ロバート・ノイス氏は自ら立ち上げた世界初の商業用半導体メーカー、フェアチャイルドセミコンダクター(Fairchild Semiconductor)を退社し、41歳でIntelを設立した。

その他、カナダの高機能ウェアブランドLululemonのチップ・ウィルソン氏は42歳、ウェブサイト・ホスティングサービス「GoDaddy」のボブ・パーソンズ氏は47歳、Home Depotのバーナード・マルクス氏は50歳、IBMのチャールズ・ランレット・フリント氏は61歳、KFCのカーネル・サンダース氏は65歳と、40歳を過ぎてから事業を立ち上げ大成功した例は多い。

40歳から起業するデメリット

非営利組織Kauffman Foundationの調査によると、2014年に起業した22.9%は35~44歳で、26.6%は45~54歳、25.8%は55~64歳と、年々中高年の起業家が増えている。

しかし若くないがゆえに、起業のデメリットも考慮すべきだ。

40代ならば家庭を持っている人も多いため、家族の理解を得る必要がある。経済的不安や先行きの不透明さから、反対を受ける可能性は十分に考えられる。周囲の理解・サポートは起業を成功させる重要なカギだ。

また長年積んできたキャリアから固定観念にとらわれ、新たなアイデアや手法を受け入れることにとまどう人もいる。体力的にも若い頃のようにはいかない。「事業が起動に乗るまでは寝る間も惜しんで働く」といったことは40歳を超えると難しい。

起業にはアイデアや資本、ネットワーク、運などのほかに、並みならぬ努力とエネルギーが欠かせない。年齢に関わらず起業が成功するかどうかは、「人生を自分で切り開きたい」という気持ちがどれほど強いかにかかっている。

文・アレン・琴子(英国在住のフリーライター)

 

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