トヨタは2022年1月13日、ミニバン「ノア」、「ヴォクシー」を7年振りにフルモデルチェンジし発売した。今回発売されたモデルは4代目で、トヨタ4チャネルでの販売される。

トヨタ ミニバン「ノア」「ヴォクシー」を7年振りにフルモデルチェンジ
(画像=ノアS-Zハイブリッド、『AUTO PROVE』より引用)

新型ノア、ヴォクシーは、ファミリー向けミニバンとしての機能を向上させ、より快適に、より便利に、より安心であることを目指している。7年振りのモデルチェンジとあって、安全性の大幅な向上はもちろん、質感の向上、きめ細かな利便性能の向上が図られている。

トヨタ ミニバン「ノア」「ヴォクシー」を7年振りにフルモデルチェンジ
(画像=ノアS-Zハイブリッド、『AUTO PROVE』より引用)

その一方で、従来は販売チャネルで差別化するためにノア、ヴォクシー、エスクァイアという3姉妹車が設定されていたが、エスクァイアは廃止され、ノア、ヴォクシーは4チャネルで併売される。そのため、2ブランドのそれぞれの特徴づけが課題となっている。

パッケージングと機能

新型ノア/ヴォクシーは、全長4695mm、全幅1730mm、全高1895mm(4WDは1925mm)、ホイールベース2850mmで、従来までの5ナンバーサイズ・ミニバンから一回り大きくなっている。プラットフォームはこれまでの専用低床プラットフォームを採用していたが、今回からはTNGA-Cに刷新している。

ミニバンで最も特徴的なパッケージングは、ボディ骨格の変更により左右Cピラー間の距離1295mm(従来型比+75mm)と室内幅の拡幅。室内高は1405mmで、開放感ある室内空間としている。またミニバンの弱点であるラゲッジ容量は104L(スペアタイヤなし)とし、高さのあるものやスーツケースなどの収納に便利な床下収納スペースを確保した。

トヨタ ミニバン「ノア」「ヴォクシー」を7年振りにフルモデルチェンジ
(画像=ノアS-Zハイブリッド7人乗りのシート配列、『AUTO PROVE』より引用)

乗員は3列シート7人乗り/8人乗りで、7人乗り仕様はセカンドシートにはキャプテンシートを採用。クラス初となるオットマン機構とシートヒーター、折りたたみ式大型サイドテーブルなどを装備。

またセカンドシートの前後スライドはシートを一旦横にスライドさせることなく、超ロングスライド(スライド量745mm)を実現している。

トヨタ ミニバン「ノア」「ヴォクシー」を7年振りにフルモデルチェンジ
(画像=ノアG8人乗りのシート配列、『AUTO PROVE』より引用)

8人乗り仕様車のセカンドシートには、3人掛けベンチシートタイプの6:4分割チップアップシートを採用。7人乗り仕様車同様に超ロングスライド(スライド量705mm)を実現している。

パッケージオプションとして、手すり付きの専用2人掛けベンチシートタイプを設定。2列目左側に乗降スペースを確保することで、セカンドシートにチャイルドシートを設置してもサードシートへのアクセスがしやすくすることもできる。

トヨタ ミニバン「ノア」「ヴォクシー」を7年振りにフルモデルチェンジ
(画像=オプションの機械式「ユニバーサルステップ」、『AUTO PROVE』より引用)

パワースライド・ドア仕様車にはオプションで「ユニバーサルステップ」(助手席側)を設定。このサイドステップは機械式に展開/格納する機構で、ステップ高は200mmとし、子供、高齢者が乗り降りしやすくできる。

また高齢者、子供用に左右Bピラーにロングアシストグリップを装備。さらにパッケージオプションとして「ハンズフリー デュアルパワースライドドア」を設定。キーを携帯している状態であれば、フロントドア下側に足を出し入れすることでスライドドアが自動で開閉させることもできる。

バックドアは、任意の角度で保持できる「フリーストップバックドア」を世界初採用。任意の角度で停止可能とし使い勝手を高めている。またパワーバックドア装着車は、両サイドのリヤクォーターパネルにあるパワーバックドアスイッチで開閉操作が可能となっている。

安全システム

安全装備は7年分の進化を盛り込み、大幅に向上させている。最新のトヨタセーフティセンスを装備。プリクラッシュセーフティでは、車両、歩行者、自転車運転者に自動二輪車(昼)を加え検知範囲を拡張し、衝突回避または被害軽減を行なう。さらに事故割合が高い交差点での支援拡大し、交差点右折時に隣接する2レーンから直進する対向車両、右左折時に前方から横断してくる歩行者と自転車運転者に加え、トヨタ初となる交差点で交差する車両、自動二輪車も検知が可能になっている。

トヨタ ミニバン「ノア」「ヴォクシー」を7年振りにフルモデルチェンジ
(画像=右折時の対向車、歩行者に対する警報システム、『AUTO PROVE』より引用)

また緊急時に、ドライバーのステアリング操作をきっかけに操舵をアシストする緊急時操舵支援機能もオプションとして設定。万が一ドライバーのステアリング操作がなくても、システムが衝突の危険性が高いと判断した際にプリクラッシュブレーキと操舵制御を行なうアクティブ操舵機能を設定している。

トヨタ ミニバン「ノア」「ヴォクシー」を7年振りにフルモデルチェンジ
(画像=緊急時操舵支援機能、『AUTO PROVE』より引用)

またトヨタ初のプロアクティブドライビングアシストも初搭載している。これは歩行者の横断、飛び出してくるかもしれないなど、運転の状況に応じたリスクの先読みを行なうことで、歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないようにステアリング、ブレーキ操作をサポートするシステムだ。さらに先行車や前方のカーブに対して減速操作をサポートし、頻繁なペダル踏みかえ操作を軽減する。

この他にオプションでレーンチェンジアシスト、フロントクロストラフィックアラートなども設定している。

またアドバンストドライブ(渋滞時支援)もオプション設定されている。渋滞時(0km/h~約40km/h)にレーダークルーズコントロール/レーントレーシングアシストの作動中に、ドライバーが前を向いているなど一定の条件を満たすとハンズフリー運転となる。

さらにオプションで並列駐車時の支援を拡大。従来のバック駐車に加え前向き駐車に対応し、前向き/バック出庫が可能に。ハイブリッド車では、専用アプリをインストールしたスマートフォンにより駐車および出庫が可能なリモート機能もトヨタ初採用となっている。

新機能としては無線通信(Tコネクト搭載車)、または販売店での有線接続により、常に最新のソフトウェアに更新可能な「ソフトウェアアップデート」も追加されている。

装備面では、全モデルが通信モジュールを搭載しTコネクトに対応。ディプレイオーディオが採用され、車内Wi-Fiもトヨタとして初設定されている。