クレジットカードは、後払いサービスの中で最もポピュラーな決済手段だ。しかし「BNPL」という決済サービスが登場したことで、今後はクレジットカードを持つ人が減るかもしれない。最近話題のBNPLとは、どのような決済サービスなのだろうか。
そもそも「BNPL」とは何?
BNPL(ビーエヌピーエル)は「Buy Now Pay Later(今買って後で支払う)」の頭文字をつなげた言葉で、文字どおり後払いで商品を購入できるサービスだ。
ネットショップなどがBNPLを導入すると、決済手段の選択肢に「クレジットカード」などと並んで「BNPL」が追加され、BNPLを選択するとクレジットカードがなくても決済ができ、商品を後日受け取ることができる。
後日自宅に届いた紙の請求書もしくはメールで届いた請求書のデータを使い、コンビニや銀行で支払う という。
クレジットカードより便利?
クレジットカードを持っている人であれば、BNPLよりもクレジットカードのほうが便利だろう。後日わざわざコンビニや銀行へ出向いて、商品の購入代金を支払う手間がかからないからだ。
しかし、クレジットカードの審査に落ちてカードを作れなかった人や、これからクレジットカードを作ろうと考えている若い世代にとっては、BNPLは利便性が高いサービスといえる。
そのため、まだクレジットカードを持っていない若い世代の間でBNPLが普及すれば、結果的にクレジットカードを持たない人が増えていくかもしれない。
BNPLに懸念点はないの?
アメリカではBNPLの利用者が増えており、日本でもアメリカ式のサービスを展開する企業が増えている。これは良い傾向なのだろうか。
一概に良し悪しを判断することはできない、懸念点はある。BNPLは原則としてクレジットカードのような審査が行われずに後払いが可能になるため、ユーザーが過重債務に陥る可能性が高くなる。
そのため、今後は何らかの規制が行われるかもしれない。ちなみに2021年12月、アメリカでは消費者金融保護局(CFPB)がBNPL各社に対する調査を行うことを発表し、実態の把握を急ぐ方針だ。
岸田首相の方針は?
2022年は BNPLという言葉を耳にする機会が増えるだろう。金融関連の政策に力を入れている岸田首相だが、BNPLのサービスの普及を後押しする姿勢なのか、静観する姿勢なのか、それとも規制を行うのか。非常に気になるところだ。
文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。
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