新型コロナウイルスの感染は、210を超える国・地域で報告されています。

12月30日のロイターの集計によれば、新型コロナウイルスの感染者数は世界全体で2億8,323万人を超え、死者は571万6,700人にのぼっています。

世界保健機関(WHO)は11月26日に、新型コロナウイルスの変異株である「オミクロン株」が確認されたことを発表しました。

これを受けて主要国・地域では、初めて感染が確認された南アフリカ共和国を中心とする一部のアフリカ諸国や香港などからの入国制限や入国時検査、隔離措置の強化など水際対策の厳格化を進める動きがみられました。

WHOは12月14日、「オミクロン株がすでに世界のほとんどの地域に存在しているだろう」と警告しています。

またOECDが12月1日に発表した「エコノミックアウトルック(経済見通し)中間報告」によれば、2021年の世界の経済成長率(実質GDP伸び率)は5.6%、2022年が4.5%とされました。

前回9月の見通しから、2022年の数値は据え置かれたものの、「世界経済の回復は続くが、成長速度は鈍化する」として、不均衡が広がることへの懸念を示し、2021年は0.1ポイント下方に修正されました。

目次

【東アジア】各国で水際対策強化、ワクチン接種のデジタル証明書も導入相次ぐ
日本 アプリ経由でのワクチン接種証明開始
韓国 オミクロン株受け水際対策強化、社会的距離確保の強化策も
中国 浙江省でロックダウン、日系企業に影響も
台湾 ワクチン接種の電子証明書、申請受付開始
香港 日本から香港への渡航は21日の強制隔離、非香港居民は入境不可
【東南アジア】タイ、テスト・アンド・ゴー制度など入国申請を一時停止
シンガポール ワクチン・トラベルレーン(VTL)のチケット販売凍結
ベトナム ワクチン接種者の入国後隔離期間を短縮、国際旅客定期便再開も
タイ テスト・アンド・ゴー制度など入国申請を一時停止
バングラデシュ オミクロン株受け入国制限強化
インドネシア コロナ規制を1月3日まで延長、年末年始は別途制限強化も
マレーシア オミクロン株受け入国規制強化
フィリピン 日本含む新型コロナ感染低リスク国からの渡航者への感染防止対策発表
ラオス グリーンゾーン設置で観光客受入れへ、日本も対象
【南アジア】インド、一般国際旅客便の運航再開延期
インド 一般国際旅客便の運航再開延期
カンボジア アフリカ10か国からの入国禁止措置解除
【北・南米】オミクロン株受け、アメリカ・ブラジルなどで入国規制
アメリカ スペインなど85か所への渡航回避勧告
カナダ オミクロン株受け、国民に海外渡航自粛を勧告
メキシコ オミクロン株拡大でも国境措置は否定
チリ アフリカ7か国からの入国禁止
アルゼンチン ワクチン接種証明「衛生パス」提示を義務付けへ
ブラジル アフリカ6か国からの入国制限
ペルー 緊急事態宣言を1月末まで延長
ウルグアイ 外国人観光客向けブースター接種を開始
パラグアイ アフリカ10か国からの入国を制限
【オセアニア】豪・感染拡大で濃厚接触者基準など緩和、ブースター接種期間短縮も
オーストラリア 感染拡大で検査追い付かず、濃厚接触者基準など緩和
ニュージーランド 入国制限緩和を2月末まで延期
【ヨーロッパ】英・一時アフリカから入国制限も、市中感染拡大で解除
イギリス オミクロン株の市中感染拡大で、渡航制限解除
ポルトガル オミクロン株受け規制強化
フランス コロナ制限措置強化、ブースター接種までの期間短縮も
フィンランド アフリカ7か国からの入国を制限
ドイツ ワクチン未接種者への制限措置導入
ギリシャ 1月3日から一段の制限措置
オランダ オミクロン株拡大防止のためロックダウン実施
スウェーデン 北欧諸国向け新型コロナ水際対策強化
スイス 感染者増で「2Gルール」適用開始、水際対策は一部緩和も
イタリア 感染拡大でコロナ規制強化
アイルランド オミクロン株受けコロナ規制強化
スペイン コロナ陽性者や接触者の隔離期間を短縮
オーストリア 12日からコロナ封鎖解除
EU オミクロン株受け、渡航制限見直しとブースター接種加速を要請
【中東】イスラエルでコロナワクチン4回目接種実施
イスラエル コロナワクチン4回目接種を承認
UAE ブースター接種の対象を18歳以上に拡大
【アフリカ】南ア・オミクロン株ピーク過ぎ外出禁止令解除
南アフリカ共和国 オミクロン株感染拡大ピーク過ぎ、外出禁止令解除
モロッコ 国際旅客便の受入れ中止を1月末まで延長
ナイジェリア ブースター接種解禁、SNS活用し接種率向上へ
ケニア オミクロン株受け入国規制を強化
【WHO】オミクロン株受けた一律の渡航禁止を批判
【UNWTO】南アフリカ諸国めぐる全面的な旅行制限に警鐘

【東アジア】各国で水際対策強化、ワクチン接種のデジタル証明書も導入相次ぐ

東アジアでは、オミクロン株を受けて水際対策が強化される中、新型コロナウイルスワクチンのデジタル証明書の導入を進める国も増えています。

日本 アプリ経由でのワクチン接種証明開始

日本では、オミクロン株の感染者が11月30日に初めて確認された後、12月1日にも2例目の感染者が確認されました。 国土交通省は同日、12月末まで日本に到着する全ての国際線で新たな予約を停止するよう航空会社各社に要請しました。 しかしこの方針は帰国需要を勘案して撤回され、12月4日からは日本到着便の新規予約が再開されました。 また厚労省は12月16日、米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンを3回目の接種に使用することを特例承認しました。 12月20日からはスマートフォンアプリ経由でのワクチン接種証明の運用が開始され、木原誠二官房副長官は同日午後の会見で、すでに25万件の証明書を交付したと述べました。

韓国 オミクロン株受け水際対策強化、社会的距離確保の強化策も

韓国の疾病管理庁はオミクロン株の検出を受けて、11月28日からアフリカ南部8か国からの水際対策を強化しました。

12月1日には、ナイジェリア訪問後に入国した人がオミクロン株に感染していたことから、防疫強化国にナイジェリアを追加し、12月8日からはガーナとザンビアの2か国も追加されました。

また韓国政府は12月10日、新型コロナウイルスワクチンの追加接種について、接種終了からの間隔を4~5か月から3か月に短縮することを発表しました。

さらに韓国の保健福祉部は12月16日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、「ウィズコロナ」政策を修正し、12月18日~2022年1月2日に適用される「社会的距離確保」の強化策を発表しました。

中国 浙江省でロックダウン、日系企業に影響も

中国では浙江省で新型コロナウイルスの感染が拡大しており、一部地域では12月17日時点でロックダウン措置が取られ、取引先が操業停止となるなど現地の日系企業にも影響が出ています。

中国政府は国境付近での感染対策も強化しており、12月3日からはロシアと国境を接する内モンゴル自治区の満州里市で、幹線道路を通じた一部の貨物輸送が停止されました。

また中国の国家薬品監督管理局は12月8日、騰盛華創医薬技術(北京)が申請していた、新型コロナウイルス中和抗体治療薬の注射液2種「BRII-196」と「BRII-198」を緊急承認しました。

これは中国当局が初めて承認した新型コロナ治療薬となります。

台湾 ワクチン接種の電子証明書、申請受付開始

台湾当局は12月5日、オミクロン株の感染拡大を受けて、教育現場や福祉施設など24種類の職場で、新型コロナウイルスワクチンの接種を義務化すると発表しました。

また台湾では12月28日から、新型コロナウイルスワクチン接種の電子証明書の申請受付が開始されました。

現時点では電子証明書は海外渡航者向けで、国内旅行の場合は申請の必要はないとされています。

香港 日本から香港への渡航は21日の強制隔離、非香港居民は入境不可

香港では、オミクロン株を受けて水際対策が強化されています。

12月20日に発表された新たな防疫政策では、航空便の搭乗者に感染者がいた場合、一定の条件を満たすと航空会社の運航が14日間停止されるほか、搭乗72時間以内のPCR検査の陰性証明提出が48時間以内に短縮されました。

オミクロン株の感染者が確認された日本は、12月3日から「高リスク」国(グループA対象国)に指定されており、日本から香港の渡航に際しては非香港居民は入境できず、非香港居民は21日間の強制隔離となります。

また香港政府は12月2日、「香港健康碼(Hong Kong Health Code)」と呼ばれる健康コードシステムを導入し、12月10日から香港と中国本土との隔離なし往来を開始すると発表しました。

【東南アジア】タイ、テスト・アンド・ゴー制度など入国申請を一時停止

アジア開発銀行(ADB)は12月14日、「2021年アジア経済見通し」の補足版を発表しました。 アジアの新興国地域の2021年の経済成長率を7.0%、2022年を5.3%と、前回2021年9月発表時からそれぞれ0.1ポイント引き下げ、2021年の地域別の予測は、中央アジアを除く全ての地域で引き下げとなりました。 引き下げの要因として、デルタ株の急拡大とオミクロン株の出現により、経済の回復に不確実性が増したことが指摘されています。

シンガポール ワクチン・トラベルレーン(VTL)のチケット販売凍結

シンガポールではオミクロン株を受けて、南アフリカ共和国など10か国からの入国を停止していましたが、感染が世界各地に広がったことから、12月26日から同10か国からの入国と乗り継ぎを認めました。 またシンガポール政府は12月22日、ワクチン接種者を対象として相互の隔離なし往来を認める「ワクチン・トラベルレーン(VTL)」について、1月20日まで新規航空券の販売を停止すると発表しました。 同プログラムは、オーストラリアのほか、インドやマレーシア、英国、米国など約20か国を対象にしていますが、オミクロン株をめぐるリスクを理由として販売を一時凍結します。 1月20日以降は入国枠を縮小し、航空券は以前の50%を上限とするとしています。

ベトナム ワクチン接種者の入国後隔離期間を短縮、国際旅客定期便再開も

ベトナム保健省は12月16日、同国への2022年1月1日以降の入国にあたり、新型コロナウイルスワクチン接種者および感染から回復した人は、入国後の強制隔離期間を現行の7日間から3日間へ短縮すると発表しました。 ワクチン未接種の場合は、入国後の隔離において3日目と7日目に受けるPCR検査の結果が陰性であれば、強制隔離期間は現行の14日間から7日間へ短縮されます。 またベトナム政府は12月10日、日本を含む9か国・地域との間で、国際旅客定期便を2022年1月1日から試験的に再開する計画を示しました。

タイ テスト・アンド・ゴー制度など入国申請を一時停止

タイ政府は12月21日、テスト・アンド・ゴーや観光サンドボックス制度による入国者の申請を一時的に停止する規制措置を決定しました。 オミクロン株感染拡大防止のためで、あくまで暫定的な措置として2022年1月4日までを予定しているとしています。 なお同国では11月30日に、非常事態宣言を2022年1月末まで延長することが公表されています。

バングラデシュ オミクロン株受け入国制限強化

バングラデシュ民間航空局は12月2日、オミクロン株対策として追加の水際対策を発表しました。 同国では12月4日時点で国内でのオミクロン株の検出は確認されていませんが、オミクロン株を受けた感染対策ガイドラインの追加や、インド国境との検疫強化も報じられています。

インドネシア コロナ規制を1月3日まで延長、年末年始は別途制限強化も

インドネシア政府は12月3日以降、相次いで新型コロナウイルス対策に関する規制変更を発表しました。 年末年始の感染拡大に備え、ジャカルタ首都圏の活動制限を緩和する一方で、国内の長距離移動ではワクチン接種完了を求めるなど対応を強化します。 12月3日に、ジャワ島とバリで導入している活動制限を2022年1月3日まで延長したほか、12月9日には年末年始(12月24日~1月2日)の行動制限措置を発表しました。

マレーシア オミクロン株受け入国規制強化

マレーシア政府は12月8日、オミクロン株対策として入国規制を強化しました。 同国内では12月3日にオミクロン株の感染が1例発表されましたが、8日時点では追加の例は発表されていません。

フィリピン 日本含む新型コロナ感染低リスク国からの渡航者への感染防止対策発表

フィリピン政府は12月15日、日本を含む新型コロナウイルスの感染低リスク国からの渡航者への、新たな感染防止対策を発表しました。 出発前72時間以内のPCR検査の陰性結果取得が義務付けられるほか、ワクチン接種状況に応じて入国後の隔離期間が定められています。 また保健省は同日、ナイジェリアと日本からの渡航者各1人の計2人について、フィリピンでオミクロン株の感染を確認したと発表しました。

ラオス グリーンゾーン設置で観光客受入れへ、日本も対象

ラオス情報文化観光省は、外国人観光客の受け入れ再開に向けて12月17日、「ラオス・トラベル・グリーンゾーン」設置計画の詳細規定を発表しました。 首都ビエンチャンをはじめ、世界遺産都市のルアンパバーン県などの観光地をグリーンゾーンに指定し、感染対策を徹底したうえでワクチン接種済みの外国人観光客を受け入れる方針です。 2022年1月1日、4月1日、7月1日と3段階に分けて実施される予定で、第1段階では日本を含む17か国が対象となります。