スターバックスのリピーターにとって気になるのが少し高めの商品代金だ。そこで、ここではスタバでの「ポイ活」を紹介しよう。特にポイント多重取りができるとメリットは大きなものとなる。
スターバックスでポイント多重取りするための基礎知識
ポイ活手法として話題になるポイント多重取りとは、店舗独自のポイントのほか、クレジットカードやバーコード決済(スマホ決済)などの決済ポイント、または共通ポイントなどを一度に獲得することをいう。
一般的には、2重にポイントを獲得することを「ポイント2重取り」、3重なら「ポイント3重取り」と呼んでいる。スターバックスでは、最大でポイント3重取りが可能だ。
まず、スターバックスにおけるポイ活、ポイント多重取りの基礎知識を紹介しよう。
スターバックスリワード
スターバックスには「スターバックスリワード(STARBUCKS REWARDS)」という会員プログラムがあり、ポイントサービスにより商品と交換できるクーポンを獲得する。これについて詳しく説明しよう。
・概要
スターバックスの会員プログラム「スターバックスリワード」に登録すると54円(税込)の購入ごとに「Star」(ポイント)が1つたま る。250個集まると「Green Star会員」から「Gold Star会員」にランクアップ。「Gold Star会員」になると同じ条件で「Gold Star」が たまるようになり、150個でクーポン「Reward eTicket」1枚と交換できる。
「Reward eTicket」は、ビバレッジ・フードでは756円(持ち帰り価格)あるいは770円(店内価格)までの商品と、そのほかの商品は756円までの商品と交換可能。それ以上の金額の商品を購入する場合は差額の代金を別途支払う。
・留意点
「Gold Star会員」になる条件としての「Star」250個を得るには1万3,500 円(税込)分の購入が必要だ。1年間でそこまで達しない場合は、「Star」の数はゼロ個にリセットされる。その場合、ポイントサービスとしてのリターンは皆無だ。「Gold Star会員」になった後も、1年間の獲得「Gold Star」が250個未満の場合は「Green Star会員」に降格され、「Star」の数もゼロ個にリセットされる。
なお、「Gold Star」の有効期限は、付与から1年後の翌月1日までと比較的短い。ここにも注意が必要だ。
・還元率
初回のクーポン交換までは、「Gold Star会員」になるための「Star」250個と、「Gold Star」150個が必要となるため、2万1,600 円(税込)の購入が必要となる。「Reward eTicket」の価値を770円としてここから還元率を割り出すと、還元率は約3.6%である。
そのまま「Gold Star会員」資格を維持し続けた場合、以降は「Gold Star」150個だけで「Reward eTicket」を獲得できる。還元率としては約9.5%だ。
・スターバックスカード
「スターバックスリワード」の利用には、スターバックスで使えるプリペイドカード「スターバックスカード」で商品を購入する必要がある。チャージは店頭で、現金かクレジットカードで行うほか、オンラインでクレジットカードからのチャージも可能。使えるクレジットカードは国際ブランドがVISA、MasterCard、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブのいずれかであればよい。
クレジットカードによる支払い
スターバックスで使えるクレジットカードは前述のとおり、国際ブランドがVISA、MasterCard、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブのものとなる。国内で発行されているカードのほとんどがこれに該当すると考えていいだろう。
なかでも、おすすめのカードが「dカード」と「JCB一般カード」「JCB CARD W」だ。それぞれ解説しよう。
・「dカード 」
「dカード」で「スターバックスカード」にチャージすると、通常の1%還元分のクレジット決済ポイントに加え、特典として3%分のポイントが付与。合計で4%もの高還元となる。ただし、特典適用はオンライン入金・オートチャージのときのみであり、スターバックスの店頭でのクレジットチャージには適用されない。
なお、「dカード」の利用でたまる「dポイント」から「スターバックスカード」へのチャージも可能。チャージは3,000円単位となる。
・「JCB一般カード」
「JCB一般カード」の還元率は、ポイントの交換対象によって変わってくる。通常は約0.5%と考えていいだろう 。これが、「スターバックスカード」へのオンライン入金・オートチャージでは、ポイント10倍となり、5%還元と なる。このポイント10倍特典はこのカードだけでなく、JCBの自社発行カード・JCBオリジナルシリーズに共通したものだ。
なお、JCBオリジナルシリーズのポイント「OkiDokiポイント」から「スターバックスカード」へのチャージも可能だが、交換レートの関係上、その場合は実質4%還元と なる。
・「JCB CARD W 」
「JCB CARD W」の還元率は常時2倍の約1%。そこに、JCBオリジナルシリーズの「スターバックスカード」へのオンライン入金・オートチャージ特典が加わり、合計で5.5%還元となる。「OkiDokiポイント」から「スターバックスカード」へチャージする場合は、実質4.4%還元と考えればいいだろう。
なお、「JCB CARD W」は、40歳以降の人は申し込めないが、39歳までに入会すれば40歳を過ぎてもカードを持ち続けられる。
ここに挙げたカードのほか、すでに持っているカードの中に還元率1%の「楽天カード」「ヤフーカード」「Orico Card THE POINT」、還元率1.2%の「リクルートカード 」など高還元率カードがあれば、それらでチャージしてもいいだろう 。
ポイ活とは少し違う話となるが、「セゾンローズゴールドアメックス」ではスターバックスのドリンクチケット(eGIFT)500円分が毎月1回プレゼントされる 。このカードは年会費制ではなく月会費制。毎月980円(税込)がかかってしまうが、スターバックスのリピーターなら、ほかの特典なども考慮して取得を検討してみてもよさそうだ。
電子マネー
スターバックスで利用できる電子マネーは、交通系電子マネー(Suica、PASMO、Kitaka、manaca、TOICA、ICOCA、はやかけん、nimoca、SUGOCA)となる。
このうち「Suica」で得られるポイントを説明すると、JR東日本の「ビューカード」でチャージすると1.5%還元のクレジット利用ポイントが得られる 。
「Suica」で支払う場合は当然、「スターバックスカード」を利用しないため「Star」や「Gold Star」は得られない。還元率だけを見ると、「スターバックスカード」で支払った 方がよさそうだ。しかし、先に説明した年間のスターバックス利用金額がそこまで多くない場合はリターンを得られないことがあるので、電子マネーやこの後に紹介するバーコード決済で支払うことも検討したい。
バーコード決済(スマホ決済 )
スターバックスで利用できるバーコード決済(スマホ決済)は、「LINE Pay」「PayPay」「楽天ペイ」「d払い」「au PAY」となる。それぞれの還元率は次のとおり。
名称 | 還元率 | 備考 |
LINE Pay | 0.5% | 「Visa LINE Payクレジットカード」か 三井住友カード発行の Visaカードを登録した場合 |
PayPay | 基本0.5%~ 最大1.5% |
条件クリアで最大1.5%。 1回7,500円相当/回、 1万5,000円相当/月までが付与上限となる |
楽天ペイ | 1.5% | 「楽天カード」でチャージした場合の クレジット決済ポイントとの合計還元率 |
d払い | 1.5% | 「dカード」を登録した場合の クレジット決済ポイントとの合計還元率 |
au PAY | 1.5% | 「au Payカード」でチャージした場合の クレジット決済ポイントとの合計還元率 |
バーコード決済で支払う場合、「スターバックスカード」を利用しないため「Star」や「Gold Star」は得られない。
JR東日本駅ビル などの商業施設内店舗でのJRE POINT獲得
JR東日本の駅ビルなどの商業施設内にあるスターバックスでは、同社の共通ポイント「JRE POINT」を獲得できることがある。
例えば 、エキュート内のスターバックスではSuica利用により0.5%分の「JRE POINT」が付与される 。アトレ内のスターバックスでは、「JRE POINTカード」の提示により1%分のポイントがたまる 。こちらは支払い方法を問わないので、「スターバックスリワード」の「Star」「Gold Star」との2重取りも可能だ。
プリペイドカード「Kyash」について
プリペイドカードの「Kyash」にクレジットカードからチャージ。そこから支払うことでポイント2重取りが可能となる。オンライン決済のみ可能な「Kyash Card Virtual」なら年会費無料。店頭での決済が可能な「Kyash Card Lite」は発行手数料として300円がかかる。
いずれの「Kyash」にもVisaブランドが付いておりクレジットカードと同じように、「スターバックスカード」へのチャージが可能だ。バーコード決済の支払い元カードに設定―もできる。
「Kyash」決済分として上乗せできるポイントは0.2%分となり、月間の上限は100ポイント(100円相当ポイント)と獲得できるポイント数は決して大きくはない。しかし、「Kyash Card Virtual」なら年会費無料なので、それなりのメリットはあるといっていいだろう。
スターバックスでポイント多重取りする5つの方法
それではスターバックスでポイント多重取りする方法について、主な具体例を挙げてみよう。
【スターバックスリワード+クレジットチャージ】で2重取り
クレジットカードでチャージした「スターバックスカード」で支払うことで2重取りとなる。ポイント獲得例は次のとおり。
クレジットカード名 | スターバックス リワード還元率 |
クレジット 決済還元率 |
合計還元率 |
dカード | 9.5%(※) | 4% | 13.5% |
JCB一般カード | 5% | 14.5% | |
JCB CARD W | 5.5% | 15% | |
楽天カード | 1% | 10.5% | |
ヤフーカード | |||
Orico Card THE POINT | |||
リクルートカード | 1.2% | 10.7% |
(※各カード会社のホームページを元に筆者作成)
【バーコード決済+クレジット決済】で2重取り
前述したスターバックスの利用回数がそこまで多くない場合は、「スターバックスリワード」でリターンを得られない可能性もある。その場合、バーコード決済にクレジットカードを登録(あるいはクレジットチャージ)することによる2重取りも検討したい。
バーコード決済の項目で説明したもののうち、「楽天ペイ」「d払い」「au PAY」が合計還元率1.5%でおすすめである。いずれも、グループ会社発行のクレジットカード以外も選択可能なので 、より高い還元率のクレジットカードと組み合わせることも可能だ。
【スターバックスリワード+Kyash決済+クレジットチャージ】で3重取り
クレジットカードでチャージした「Kyash」を使い、さらにそこから「スターバックスカード」にチャージして、それで支払うことで3重取りとなる。なお、「Kyash」にチャージできるのはVisaブランドかMasterCardブランドのカードのみ 。ポイント獲得例は次のとおり。
クレジットカード名 | スターバックス リワード還元率 |
Kyash ポイント還元率 |
クレジット 決済還元率 |
合計還元率 |
dカード | 9.5%(※) | 0.2% | 4% | 13.7% |
楽天カード | 1% | 10.7% | ||
ヤフーカード | ||||
Orico Card THE POINT | ||||
リクルートカード | 1.2% | 10.9% |
(※各カード会社のホームページを元に筆者作成)
【バーコード決済+Kyash決済+クレジット決済】で3重取り
「スターバックスカード」を使わない場合の3重取りパターンとして、バーコード決済に「Kyash」を登録し、その「Kyash」にクレジットカードからチャージする組み合わせも可能だ。その場合、【バーコード決済+クレジット決済】による2重取りに0.2%分が加算される形となる。
【スターバックスリワード+ANAカードマイルプラス+クレジットチャージ】で3重取り
ANAカードではスターバックスが「カードマイルプラス」の対象店のため、「スターバックスカード」へのオンライン入金で100円につき1マイルが付与。クレジット決済に伴うポイントも付与され 、3重取りとなる。
クレジットカード名 | スターバックス リワード還元率 |
マイル還元率 | クレジット 決済還元率 |
合計還元率 |
ANA一般カード VISA |
9.5%(※2) | 1% | 0.5% | 実質12%(※2) |
(※2)1マイル=2円相当として算出
(※ANAカードのホームページを元に筆者作成)
スターバックスをよく使うなら最低でも2重取りは狙いたい
スターバックスでは4重取りや5重取りのように、何重にも重ねてポイントを獲得できない。 しかし、その分、「スターバックスリワード」の還元率が大きいので、2重取りや3重取りにできるとリターンも大きい。
ただし、すでに述べたように、スターバックスの利用がそこまで多くない場合は「スターバックスリワード」のリターンが皆無ということもありうる。そこを見極め、ケースバイケースで「スターバックスカード」を使わないパターンも検討したい。
執筆・モリソウイチロウ(ライター)
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
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