チーズとワインが好きな人に朗報です。

『Journal of Alzheimer’sDisease』の11月号に掲載された論文によると、10年にわたる食品と認知力の関係を調べる調査が行われた結果、チーズと赤ワインが人間の晩年の認知力を強化することが示されました。

しかし着目すべきは、今回の研究はチーズとワインの健康効果「そのもの」だけを調べる調査ではなかった点です。

チーズとワインは平等な条件下で数々の食品の中から、効果を再発見されたのです。

目次

  1. トップダウン型研究で健康食品を「探す」
  2. チーズとワインの再発見
  3. チーズとワインをそえてラム肉を食べよう

トップダウン型研究で健康食品を「探す」

チーズとワインは認知機能の低下を防ぎあう「最強の組み合わせ」だと判明!
(画像=特定の食品の効果ではなく、全ての中から効果があるものを探す / Credit:Canva、『ナゾロジー』より 引用)

これまでのチーズやワインの研究は、それぞれの食品だけを対象に研究をしていました。

そのため結果として示されたのは、チーズをとると「〇〇が××%改善する」というものでした。

有用なデータであることには間違いありませんが、ただ結論を出すために相関関係を自由に解釈することができました。

そのため研究が進むと食品に効果が次々と付加され、糖尿病からがんまで、何にでも効く万能食ができあがる傾向があったのです。

これでは健康効果を調べる努力が、積み重ねの末に霧散しかねません。

一方で、今回の研究では幅広い食品の中から、認知機能の強化に役立つ食品を「探す」というコンセプトで行われました。

この方法では、どの食品にも公平に評価機会が割り振られ、認知力に対する影響度の大小が測られることになります。

従来の1つ1つの食品に焦点をあわせた研究がボトムアップ型とするならば、今回の研究は探索によるトップダウン型と言えるでしょう。

チーズとワインの再発見

チーズとワインは認知機能の低下を防ぎあう「最強の組み合わせ」だと判明!
(画像=チーズとワインは最強のペア / Credit:Canva、『ナゾロジー』より 引用)

調査をおこなうにあたり、研究者たちは1800人の高齢者を対象にデータをあつめました。

集められたデータは参加者の日々の食事と定期的な認知テストの成績が含まれており、認知力に影響を与える食品の探索が可能となっています。

対象となる食品には、新鮮な果物、ドライフルーツ、生野菜とサラダ、調理済み野菜、油性魚、赤身の魚、加工肉、鶏肉、牛肉、子羊、豚肉、チーズ、パン、シリアル、紅茶、コーヒー、ビール、赤ワイン、白ワインと発泡酒が含まれていました。

そして10年にわたる長期調査がはじまります。

結果、チーズにはアルツハイマー型以外のケースで認知力を強化する働きがあり、赤ワインには特にアルツハイマー型の認知症に対してより多くの改善効果があることが示されました。

この事実はチーズと一緒に赤ワインをとることで、幅広い認知能力の改善と、アルツハイマー型の認知症の改善の両方が行われることを意味します。

研究者たちは、チーズに含まれる細菌が腸内環境を改善して腸と脳の通信を改善し、赤ワインに含まれる抗炎症化合物(レスベラトロールなど)が脳へのダメージの蓄積を防いでいるのだと推論しました。

チーズとワインをそえてラム肉を食べよう

チーズとワインは認知機能の低下を防ぎあう「最強の組み合わせ」だと判明!
(画像=肉の中ではラム肉が最も認知力を強化する効果があった / Credit:Canva、『ナゾロジー』より 引用)

今回のトップダウン型の研究により、チーズとワインの健康効果が再発見されました。

特にチーズは、晩年になってからの摂取でも認知機能を強化することが示されており、非常に有用な認知改善食品であることが判明します。

またデータをさらに詳しくみると、ラム肉(子羊の肉)が他の種類の赤身の肉よりも認知機能の改善に役立っていること、また塩分の取り過ぎは認知症の主要な原因とされてきたものの、アルツハイマー型の家族歴のある人のみリスクとなっていたことなども明らかになりました。

これらの結果は、正しい食べ物の選択が認知力の維持と向上に直接的な役割を果たすことを示唆します。

物忘れやうっかりが増えてきているなら、赤ワインを片手にチーズ食べる習慣を作るのもいいかもしれませんね。

参考文献
sciencedaily

提供元・ナゾロジー

【関連記事】
ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功