国内では新型コロナウイルスの新規感染者数が急激に減少傾向を見せており、10月25日からついに都内の飲食店などで「時短解除」になりました。

世界ではワクチン接種完了を移動制限緩和の足掛かりにすべく、「ワクチンパスポート」の活用が議論されています。

既に導入している国もあれば、厳しい反対意見に晒されている国もあります。

本記事では、まずワクチンパスポートの今までの経緯を整理するとともに、今後の動向を展望します。

目次

  1. 現在のワクチンパスポート
    1. 国内用のワクチンパスポート、デジタル化の動き
    2. 海外渡航用のワクチンパスポート、対象国拡大
  2. ワクチンパスポートの今後:外国の動向から予想
    1. 国内利用、レストランやバーなどで義務化する国も
    2. アメリカ、「自由と平等」の観点からワクチンパスポートを実施した州に罰金
  3. ワクチンパスポート、対象範囲をどこまで拡大するかには賛否あり

現在のワクチンパスポート

まず、現在利用できるワクチンパスポートについて説明します。

国内ではデジタル化の動きが官民で進められており、9月末からは海外渡航した際にも、隔離期間が短縮される措置が取れるようになりました。

国内用のワクチンパスポート、デジタル化の動き

国内のワクチンパスポートをめぐっては、現在のところ接種済証と接種記録書(紙媒体)が、正式なワクチン接種証明書として機能しています。

これをデジタル化する動きがデジタル庁主導で実施されており、年内にも利用可能となる見通しです。

一方民間企業の間では、すでにデジタル化の動きが進んでいます。

ソーシャルデータバンク株式会社が、LINE上で動作する民間のワクチンパスポートアプリ「スマートコロナパス」の運用を開始したほか、株式会社デバイスエージェンシーは、ゲートやステッカー印刷機などと連動し入店コントロールに対応する「ワクチンパスポートソリューション」の開発を開始しました。

またメディカルチェック推進機構と検査キット事業を展開するICheck社は、民間主導では初となる新型コロナワクチン接種証明アプリ「ワクパス」の提供を開始しました。

ただしこれらは、公的な証明とはなっていません。

海外渡航用のワクチンパスポート、対象国拡大

10月1日からは、帰国時にも隔離期間を短縮する措置が取られています。

これまで「海外渡航用の新型コロナワクチン接種証明書」(ワクチンパスポート)は海外に入国する際に隔離期間が短縮されてきましたが、日本に帰国した際にも、10日目の検査で陰性であれば、4日間の隔離免除で済むこととなります。

さらに海外から日本に入国する際も、政府が認証した国から隔離期間を免除すると発表しています。

ワクチンパスポートの今後:外国の動向から予想

日本に先駆けて、世界でワクチンパスポートを導入した国々の反応から、日本でのワクチンパスポートの今後について予測します。

国内利用、レストランやバーなどで義務化する国も

カナダは10月30日から、航空機や鉄道などの交通機関利用時に、ワクチン接種を義務付けると明らかにしています。

またフランスでは、ワクチン接種を証明する「衛生パス」がないと、72時間ごとの抗原検査が必須となります。

東南アジアやEUでも、ワクチン接種証明の提示を義務化する動きが進んでいます。

NYでは、ワクチンが未接種だとレストランの店内飲食が不可となっており、接種証明書を提示できなければ、外のテラス席かテイクアウト利用に限定されます。

ワクチンパスポートの利用範囲について日本でどこまで進めるのか、提示を義務化するのかをめぐっては、未知数のところも残されています。

海外では、これらの証明は電子化されており、日本でも対策が求められます。

アメリカ、「自由と平等」の観点からワクチンパスポートを実施した州に罰金

一方アメリカでは、「自由と平等」の観点から、ワクチンパスポートを禁止する動きも見られています。

アメリカのフロリダ州では、ワクチンパスポート実施の郡に4億円の罰金を科しています。

また共和党のデサンティス州知事は4月、自由とプライバシーへの懸念を主要な根拠に挙げてワクチンパスポートの禁止を発表し、その後これに違反した郡や都市には罰金を科すと約束していました。

さらにテキサス州でもワクチンパスポートの禁止が発表されたほか、イギリスもワクチンパスポートの国内利用はしないことを発表しています。

なお国際航空運送協会(IATA)は、ワクチン未接種の人にも海外渡航を再開するよう促しています。

イタリアでは、ワクチン接種の進展に伴って脱マスク化の動きも進んでいます。

ワクチンパスポート、対象範囲をどこまで拡大するかには賛否あり

ワクチンパスポートをめぐっては、国内では未だ紙媒体のみがワクチン接種の公的証明となっている状況です。

海外では、ほとんどの国でデジタル化が進んでおり、日本でも早急に対応する必要があるでしょう。

海外から日本への入国においては、10月から日本政府も相手国のワクチンパスポートを承認するようになります。

ワクチンパスポートの対象範囲を、どこまで拡大するかが問われると考えられます。

文・訪日ラボ編集部/提供元・訪日ラボ

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