国際航空運送協会(以下:IATA)は、世界保健機関(以下:WHO)からの旅行に関する新しいガイダンスに従うように各国に求めました。

かねてより各国政府に対して国際移動や入国制限に関する規制緩和を求めており、今回の要請も国境を超える移動やそれに伴う航空需要の回復を目指してのものだと考えられます。

IATAのウィリーウォルシュ事務局長は、「国際的な旅行者はCOVID-19に関してリスクの高いグループではありません。」と述べており、国際移動を不安視する風潮を払しょくしたい考えです。

目次

  1. WHOのガイダンスで国際移動への制限緩和なるか、IATAも同調姿勢
    1. 「ワクチン接種証明書」の提示義務には消極的な姿勢、世界統一システムの導入も望む
    2. WHOのガイダンスにIATAが全面的に賛同

WHOのガイダンスで国際移動への制限緩和なるか、IATAも同調姿勢

WHOは、加盟各国に対し、国際的な移動の際にワクチン接種証明書の提示を義務付けないこと、国際的な旅行を容易にするためのリスクベースのアプローチを検討することなどを推奨しています。

IATAは7月14日、世界各国に、これらのWHOによるガイドラインに従うことを要請しました。

「ワクチン接種証明書」の提示義務には消極的な姿勢、世界統一システムの導入も望む

7月2日にWHOより発表されたガイダンスでは、新型コロナウイルス感染症への対策、そしておよび海外旅行時の感染防止策を実施するための「リスクベースのアプローチ」が推奨されています。

具体的に示された内容としては、主に以下のようなものがあります。

  • 出入国の必須条件として、コロナワクチン接種の証明を必要としない。
  • ワクチン接種を済ませている、または過去6か月以内に新型コロナウイルス感染症に感染歴があり、陰性となった旅行者には検査や検疫要件などの措置を緩和することを検討する。
  • ワクチン未接種の個人が海外に旅行できるように、テストを通じて代替経路を確保する。

また、WHOは、「各国当局は、地域または世界の政府機関が推奨する、デジタル形式のCOVID-19健康状態の他の証明書を使用することもできます。」として、ワクチン接種状況や健康証明を管理する、デジタルパスの運用についても言及しています。

「デジタル証明書を使用する場合、国境を越えた検証を可能にするために、相互運用可能なソリューションを求めるべきである。」と、世界共通のものが導入されることを望んでいるようです。

デジタルパスの国際規格を設けることについてはIATAも統一すべきとの見解を表明しています。

6月29日に発表したニュースでは、EU加盟国内で少なくとも10の異なるシステムが運航していたことについて「加盟国は、これらのツールを調和のとれた効果的な方法で緊急に実施する必要があります。」といったコメントが見られます。

WHOのガイダンスにIATAが全面的に賛同

IATAの事務局長、ウィリーウォルシュ氏は、WHOが発表したガイダンスを受けて、各国がこれに従った場合には新型コロナウイルスの流入リスクを最小化できると評価しています。

また、「国際的な旅行者はCOVID-19に関してリスクの高いグループではありません。」ともコメントしており、「国際移動=感染症へのリスクが高い」といった世界の認識を変えていきたい姿勢が窺えます。

加えて、WHOが健康管理についての国際的な措置や要件を迅速に変更するよう各国に呼び掛けていることに対してもウィリーウォルシュ事務局長は同調しています。

事務局長は、旅行者は旅行に消極的にならざるを得ないだけでなく、頻繁に変更される入国規則の迷路に直面していると懸念を示しています。「最新の乗客調査によると、最近の旅行者の70%が、ルールを理解するのが難しいと考えていました」とのことです。

また、現在の措置は観光業従事者全体に経済的困難を引き起こしていると表現したほか、「パンデミックにより、通常は航空によって支援されている4,600万人以上の雇用が危険にさらされています。」として雇用や経済への影響にも警鐘を鳴らしています。

パンデミックによって不況に見舞われ、大きく落ち込んだ航空需要や国際的な移動を回復、再興していきたい姿勢が見て取れます。

文・訪日ラボ編集部/提供元・訪日ラボ

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