会社員は毎月給料から住民税が天引きされるが、納税額は毎年6月に変わる。6月から翌年5月まで、前年の所得に応じた納税額が適用されるからだ。今年は、想像以上に住民税の負担が大きくなっているかもしれない。納税額の計算方法が変わったからだ。

住民税の基礎知識

そもそも住民税とはどういう税金なのか、簡単におさらいしておこう。

住民税は「地方税」の一つで、都道府県と市区町村が住民の所得に対して課す税金だ。「均等割」と「所得割」の合計金額を支払う必要があり、均等割は所得の金額に関わらず年間5,000円で、所得割の税率は10%である。

徴収された住民税は、自治体の行政サービスに充てられる。教育や福祉、消防・救急、ごみ処理などだ。

住民税の算出期間と適用期間

住民税の所得割は前年1〜12月の所得額に応じて計算され、算出された納税額は6月から翌年5月まで適用される。2021年6月から2022年5月まで適用される住民税の税額は、2020年1〜12月の所得に応じて計算されるということだ。

・2021年6月から2022年5月まで適用される税額
 →2020年1〜12月の所得で計算
・2020年6月から2021年5月まで適用される税額
 →2019年1〜12月の所得で計算

住民税と控除

住民税の所得割は前年の所得をもとに計算されるが、前年の所得のすべてに対して課税されるわけではない。前年の所得から必要経費を「控除」し、控除後の金額に対して住民税の所得割が課税されるのだ。

会社員の場合は、主に「給与所得控除」と「基礎控除」などが必要経費として差し引かれる。給与所得控除は給与額から差し引ける必要経費で、基礎控除は給与額から給与所得控除を差し引いた後、さらに差し引ける必要経費だ。

住民税の控除に関する2021年度の変更点

冒頭で「想像以上に住民税の負担が大きくなっているかもしれない」と書いたが、その理由が2021年度に行われた給与所得控除と基礎控除に関する変更である。 これによって一部の人は控除額が減り、その結果住民税の納税額が増えるからだ。

具体的に給与所得控除と基礎控除がどのように変更されたのか、説明しよう。

給与所得控除に関する変更点

給与所得控除の金額は、一律で10万円減額された。控除される金額が減るということは、それだけ税負担は重くなるということだ。

給与所得控除は年収が一定金額を超えるまでは、年収の増加に応じて控除額も増える仕組みになっているが、2021年度の変更で控除額の上限が引き下げられた。これまでは年収1,000万円超の場合の控除額は一律220万円だったが、年収850万円を超えると一律195万円に変更された。つまり、高所得者は不利になったわけだ。

基礎控除に関する変更点

基礎控除も変更された。これまで基礎控除額は一律33万円だったが、年収が2,400万円以下の場合、2021年度からは一律43万円となった。つまり、年収2,400万円以下の人は控除額が10万円増えたのだ。

一方で、年収2,400万円を超える人は不利になった。これまでは年収2,400万円超の人も基礎控除額は一律33万円だったが、それが以下のように減額もしくはゼロになったからだ。

・年収2,400万円超の人:控除額が33万円から29万円に減額
・年収2,450万円超の人:控除額が33万円から15万円に減額
・年収2,500万円超の人:控除額が33万円から0円に

年収が850万円を超えると住民税の負担が重くなる

2021年度の住民税の所得割の控除に関する変更によって、高所得者の住民税負担が重くなったことが理解できたと思う。年収が850万円を超えると以前よりも住民税負担が重くなり、年収が上がるにつれて不利になる度合いも大きくなる。

年収が850万円を超える場合でも、22歳以下の扶養親族がいる場合や配偶者が特別障害者である場合などは負担が軽くなるケースもあるが、当てはまる人は一部だ。

給与明細をよくチェックしてみよう

住民税の控除について変更があり、それが今年の6月から適用されるため、改めて給与明細をチェックしてほしい。年収が高い人の中には、年収が変わってなくても住民税の天引き額が上がっている人がいるはずだ。

住民税は所得税と同様に、自分が額に汗して得た収入から差し引かれる「コスト」なので、ある程度の知識は身につけておきたい。

文・MONEY TIMES編集部

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