普段生活する中ではあまり馴染みが無いですが、「薬機法」という法律があります。「薬」という字から医薬品や医療機器などに適用されることは想像できますが、実は医薬部外品、化粧品も対象です。

健康食品は食品の部類に入り「医薬品の世界に入り込む」行為、つまり医薬品の表現に該当する文言の使用などは禁止されています。例えば、広告で医薬品かのような効果を謳うことは、薬機法に反します。

今回は、薬機法や他の規定も含め、マーケティングの観点で注意すべき事項を解説します。

目次

  1. 薬機法(旧薬事法)とは
    1. 化粧品や食品に関する規定も。「薬事法」から対象範囲が拡大
    2. 安全性に関する規定が強化
    3. 定められた広告表現に違反した場合の罰則
  2. 薬機法で規制されている広告表現
    1. 「健康食品」の広告には注意が必要
    2. 医学的効果を謳う広告の禁止
    3. 薬機法違反を防ぐために
  3. 薬機法以外に注意が必要な法律
    1. 1. 不正競争防止法
    2. 2. 景品表示法
  4. 食品に関わる広告規制を理解し、トラブルを避ける

薬機法(旧薬事法)とは

薬機法は時代や技術の革新、消費者のニーズと共に変化してきました。生産や販売で従来の法律のまま対象製品を扱ってしまうと、知らないうちに違反している可能性もあるため、法改正で規定範囲や内容がどう変わったのかについて理解が必要です。

化粧品や食品に関する規定も。「薬事法」から対象範囲が拡大

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律を略して「薬機法」と呼び、前身の薬事法から対象範囲が拡大し安全対策が強化された内容になっています。

改正後の薬機法では、医薬品や医療機器に対する規定はもちろん、化粧品も規制の対象となり、健康食品やサプリメントも規制があります。

自社の扱う製品や機器が、どれらに該当するのかどうかを審査するためにも、各対象物の定義を完全に把握しましょう。

そして、生産事業者や販売事業者はこの法律を理解し、顧客に対し誤解のない記載を徹底しなくてはなりません。

安全性に関する規定が強化

法改正のきっかけにもなった安全対策の強化ですが、製造販売業者は、見直し後の指定文書を厚生労働大臣に提出することが義務付けられ、品質や有効性、安全性の観点で承認を得る必要があります。

厚生労働省の資料によると、新医薬品についての審査期間は、10日前後を要します。さらに、市販後も、副作用など常に報告して評価を受けるとともに、再審査や再評価が必要な製品もあります。

定められた広告表現に違反した場合の罰則

薬機法では第66条から68条で、医薬品等の広告について定めており、誇大広告や承認前の医薬品に関する広告を禁止しています。

違反すれば2年以下の懲役や200万円以下の罰金、もしくはその両方が課せられることになり、これは製造販売に関わる人だけでなく、広告に絡む人すべての人に向けられた罰則です。

そして、健康食品は医薬品ではなく食品に分類されるため、医薬品の基準に合致し、医薬品かのような効果を記載すると薬機法違反となってしまいます。

薬機法で規制されている広告表現

事業者だけでなく、個人も対象となる広告に対する規制ですが、違反する事例が後を絶ちません。

集客だけを考えてキャッチコピーやメッセージを決めると、法を抵触する可能性があるため、注意すべきポイントを解説します。

「健康食品」の広告には注意が必要

健康食品は、医薬品に近い印象がありますが、正式には食品の部類なので、医薬品の範囲に対する基準に該当しないような表現を用いなくてはなりません。

健康食品のうち、定められた基準に従い食品の機能を表示して販売できるものが「保健機能食品」です。

その中でも、事業者が科学的根拠を消費者庁に届出をし、事業者の責任で機能性を表示できる「機能性表示食品」と、届出は不要で、国が定めた表現に則った機能性を表示し、対象成分が限定される「栄養機能食品」とがあります。

分類が複雑ですが、広告表示にも大きく関わるため、正確に認識することが必須です。

医学的効果を謳う広告の禁止

広告と判断されるのは、顧客の誘引を意図とするもので、テレビ広告や新聞広告、ウェブ広告、DMやチラシなどです。これらで健康食品を取り扱う場合は、医学的効能を匂わす表現を避けなくてはなりません。

実際の例を挙げると、「お肌やおなかの調子はどうですか」という新聞広告や「血液の流れを良くしましょう」という雑誌の広告は違反しています。体の特定部位に作用するような表現や、身体の組織機能を促進するような表現は、医学的効能に該当するため使用できません。

また、公式サイトなどで利用者の口コミを掲載する際も、効果を断定するような表現は避ける必要があります。

薬機法違反を防ぐために

薬機法を違反していないかどうかの判断に迷う場合や、事業者は広告とみなしていなくても消費者から広告と認知されてしまう、もしくは個人によるウェブサイトの更新などの場合、自身で厳密なチェックが難しいこともあります。

この場合は、無料チェックツールを利用し参考にするのもよいでしょう。

違反表現の有無をチェックするだけでなく、顧客に訴求できる代替表現を提案するサービスなどもあります。

Yahoo!では薬機法に関連する商品の広告を打つ際に注意すべき事項をポータルサイトの形で提供しています。

薬機法以外に注意が必要な法律

これまで薬機法に着目して広告掲載で注意すべき点を挙げてきましたが、食品広告については薬機法以外に守らなければならない法律があります。今回は、その中でも不正競争防止法と景品表示法について説明します。

1. 不正競争防止法

略して不競法とも言われますが、企業の公正な競争を維持するための法律で、独占禁止法と目的は似ています。不正競争防止法の場合は、違反すると民事的措置や刑事罰が課せられます。

禁止行為の対象となるのは、既に世の中に浸透していたり人気のある商品名を無断で転用し、顧客に混同を招く行為や、原材料名の表示などを偽る行為などです。

広告表示する際は、他社の顧客吸引力を利用したり、名誉を傷つけるような行為に該当しないか細心の注意が必要です。このような行為は、同業他社や顧客からの信用を失い、企業にとって大きな損失となります。

2. 景品表示法

正式には「不動景品類及び不当表示防止法」と言い、商品やサービスの品質、価格、内容について、消費者に誤認を与える偽った広告表示や、過大な景品の提供を禁止する法律です。

例えば、商品比較をせずに「Aは肝臓の機能を最も回復させるドリンクです」と言い切る表現や、「本日限定30%増量」といった広告を常時出し、量を変えないで提供するといった虚偽の記載などが規制対象です。

消費者庁より事業者が行うべき措置について7つの指針が示されているため、これらについては理解しておくべきでしょう。

食品に関わる広告規制を理解し、トラブルを避ける

広告はマーケティングにおける重要な施策であり、認知度や集客、評判を左右するため、企業は戦略的な出稿を目指しますが、表現によっては法律違反となってしまうことを留意しなくてはなりません。

そして、法律は、消費者が正当に商品やサービスを理解し、購買の判断ができるように制定されたものであるため、顧客視点で考えれば遵守するのが当然です。

良い品質のものを届けるために必要なのは、過大表現ではなく正しい情報とわかりやすい表現です。CSRの観点からも、法律遵守の意識向上やチェック体制など徹底することが必要です。

文・口コミラボ編集部/提供元・口コミラボ

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