ウィキペディアを閲覧しようとしたら、寄付をお願いされたことはないだろうか。「コーヒー1杯の値段で大丈夫です」「どうか1分だけ時間をください」といった文言で、寄付がないとウィキペディアの運営が継続できないことを強く訴えかけてくる。

たしかに、ウィキペディアはこれだけ大きなプラットフォームであるにもかかわらず、広告を一切掲載していないため広告収入がない。その上でこのようなアピールをされると、「ウィキペディアは本当に資金不足なんだな……」と思ってつい寄付しそうになる。ところがウィキペディアは、実はかなり潤沢な資産を持っていることをウェブメディアのThe Daily Dotに指摘されている。一体、どういうことなのだろうか。

ウィキペディアが5年間で集めた資金は“約110億円”にものぼる!?

ウィキペディアは「クレクレ厨」だった? 潤沢な資産があるのに催促メールがホラー級と話題
(画像=Image:Camilo Concha / Shutterstock.com、つたない日本語で寄付をお願いされると協力しなければいけない気持ちになるが……、『オトナライフ』より引用)

 ウィキペディアの運営母体であるウィキメディア財団は、2016年に運営継続のための財源として「ウィキメディア基金」を設立。10年間で1億ドル(約110億円)の資金を集める目標を掲げ、資金調達活動を行ってきた。そして5年後の2021年現在、ウィキメディア基金は9,000万ドル(約99億円)以上の資金調達に成功した。10年間かけて集める予定だった1億ドルという獲得目標はすぐそこだ。
 加えて、ウィキメディア財団の財政状況は、毎年収入が支出を大きく上回っており、極めて健全な黒字経営だと言える。それもそのはず、実際にウィキペディアに情報を掲載しているのは一般のボランティアだ。情報が一番の資産であるコンテンツなのに、情報収集にはほとんどコストがかかっていない。そんな意外すぎる現実を知ってしまうと、寄付をする気持ちが失せてしまう人もいるのではないだろうか。