コロナウイルス感染拡大が大きな問題となり、日本で初めて緊急事態宣言が発出された2020年4月から約1年2か月が経過しようとしています。

日本では、一部地域を対象に今もなお緊急事態宣言が発令されており、飲食店のアルコール提供無しの時短営業、イベントの開催制限、美術館や映画館の時短要請などが続いています。

Go To 関連キャンペーンの再開も見通せず、ワクチン接種のスピードも遅々としているため、経済には閉塞感がただよっているのが現状です。

一方世界では新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進んでおり、国外も含めて観光往来が再開している国や数万人単位でのイベントを開催している国があります。

これ以上日本が国際社会の経済回復から取り残されないためにも、世界の現状を知ったうえで適切に対策、対応することが求められます。

本記事ではアジア諸国の現状について紹介し、後編では欧米豪の状況について紹介します。

目次

  1. 日本の現状
    1. 未だ制限、自粛が続く日本
  2. 東アジア・東南アジアの現状
    1. 中国
    2. 韓国
    3. 台湾
    4. 香港
    5. タイ
  3. 感染再拡大地域があるものの、経済活動は復帰の兆し

日本の現状

日本は2020年1月15日に初めて感染が確認されて以降、感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令と解除を繰り返しており、2021年5月現在3度目の緊急事態宣言の期限が延長されることが決定しました。

日本の自粛、制限が続く状況について以下で簡潔に説明します。

未だ制限、自粛が続く日本

日本では、5月29日時点で全国で3,604人の新規陽性者が確認されており、一部地域を対象に緊急事態宣言やまん延防止措置が行われています。

政府は接触確認アプリ「COCOA」を2020年6月18日から利用を推奨し、感染経路追跡を図っています。

新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性について通知を受けることができるもので、国に個人情報が把握されないというメリットがあるものの、2020年9月以降、接触が通知されないという不具合も報告されています。

イベントについては、宣言地域やまん延防止の対象地域については、5,000人かつ収容率50%などの条件を設けてはいるものの、各都道府県知事の判断に任せられています。

対象外地域に関しても「新しい生活様式」に沿うことを要請しており、感染予防に重きをおいた行動を呼びかけています。

今年の夏に迫る東京五輪については外国人観光客受け入れの見送りを発表しており、国際的な観光の往来再開の目処は立っていません。

東アジア・東南アジアの現状

東アジア、東南アジア諸国では2020年の段階で感染拡大封じ込めに成功した国が多くみられ、制限等の緩和も欧米諸国に比べると早めに行われました。

しかし現在、変異株の流行とワクチン接種率の低さによって一部の国では再び感染が拡大しつつあります。

中国

中国は、新型コロナウイルス感染症の感染が初めて確認された国です。

20年2月13日には一日の感染者が15,133人を記録するなど苦しい状況にあり、一時は医療崩壊も叫ばれていました。

2020年1月23日には、市民に対して武漢を離れないよう求め、すべての公共交通機関も運行を停止しました。

徒歩での外出も禁止し、感染の抑え込みを行った結果、2020年3月18日に新規感染者がゼロになりました。

2021年現在も感染拡大は見られておらず、2021年の労働節(メーデー)に伴う5月1~5日の大型連休では、国内旅行者数が前年同期比約2.2倍の2億3千万人にのぼりました。

観光収入は約2.4倍の1,132億3千万元(約1兆9,100億円)となっています。

中国では市内で感染者が確認された場合、市全体に移動制限が発令され、数万人がPCR検査対象となる体制が敷かれます。この対応の迅速さと徹底ぶりが中国のコロナ対策の特徴です。

既に国外旅行解禁の国も...日本と海外のコロナ対応の差(前編)
(画像=Twitter:@daruk_blog氏の投稿、『訪日ラボ』より引用)

韓国

韓国では、2020年2月に最初の感染者が確認されました。

以降は大規模な検査や徹底した接触者追跡を行い、4月には3日連続で国内での感染者ゼロを記録するに至りました。

国際通貨基金(IMF)は韓国のコロナ対応について、感染拡大による経済的なダメージを緩和することに成功したと評価しています。

最近では、15分でコロナ検査の確認が可能な国産の自家検査キット2種が製造されたため、誰でも手軽に検査が受けられるようになっています。

ただし、変異株の感染拡大を抑えるためソーシャルディスタンスの確保や5人以上の私的な集まりは禁止措置が取られています。

台湾

台湾では都市封鎖などは行っていないものの、感染拡大初期で迅速な水際対策を行ったため1年近く感染封じ込めに成功しました。

2020年1月21日に武漢からの帰国者の感染が判明すると、翌日から武漢からの団体観光客の入国許可を取り消し、同月24日には、中国本土からのすべての団体観光客の入国を禁止する措置を取るなどの強い措置を行っています。

また感染拡大防止のため、飲食店や商業施設が来店客と連絡を取れるよう、入店時に名前や電話番号の登録などを求める「実聯制」を相次いで導入し防いでいました。

しかし、2021年5月4日に国際線パイロットが英国型変異株に感染したことが発表され、市中感染が急拡大しています。

2021年5月15日、台湾衛生福利部疾病管制署は感染拡大防止のためレジャー及び娯楽施設の閉鎖、宗教的なイベントの禁止、学校キャンパスの閉鎖を発表しました。罰則も厳しく、徹底した対策が行われています。

既に国外旅行解禁の国も...日本と海外のコロナ対応の差(前編)
(画像=▲台湾のコロナ対策の様子|Twitter:@wuwuchenchen氏の投稿、『訪日ラボ』より引用)

香港

香港は2020年3月25日から、海外から香港国際空港に到着したすべての非香港居民の入境が禁止されており、香港空港の全トランジットを停止していましたが、6月1日からは香港への入境を伴わないトランジットに限り再開しました。

2021年5月31日現在、香港の感染者数は抑え込まれており、輸入症例以外ほとんどゼロの状態が続いています。

街にも人手が戻っており、感染対策を徹底し、ソーシャルディスタンスを保ったうえで通常の経済活動が行われています。

また2021年4月29日から中国本土、マカオとの往来も再開しています。

しかし、ワクチン接種者数は政府への不信感から2割程度と伸び悩んでおり、今後感染が拡大した際に経済活動が止まるのかどうかが焦点となりそうです。

タイ

タイでは、外国人観光客の受け入れを各種条件付きで再開しています。

さらに、ワクチン接種済の外国人旅行者を検疫隔離免除で受け入れる実証試験「観光サンドボックス」を7月1日から実施予定としています。

7~9月には、外国人旅行者12万9,000人を受け入れる見通しです。

感染再拡大地域があるものの、経済活動は復帰の兆し

アジア各国では2020年~21年初頭にかけて一度は感染拡大を抑えられたものの、変異株の流行によって再び感染拡大フェーズに逆戻りしてしまった地域も存在します。

一方経済活動については、日本と台湾を除く多くの国・地域で平時の状態に戻りつつあるため、日本の自粛ムードと同様に考えるべきではありません。

後編ではアジアよりもさらに経済活性化に向けた動きが進んでいる欧米豪エリアの動向について紹介します。

(後編へ続く)

文・訪日ラボ編集部/提供元・訪日ラボ

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