日本政府観光局(JNTO)は、2021年4月の訪日外客数推計値を5月19日に発表しました。

4月25日から3度目の緊急事態宣言が発出されており国・地域間の観光目的の移動が制限されていることから、各国の規制や市場動向を注視していく必要があるとしています。

目次

  1. 4月の訪日外客数は10,900人
  2. 東アジア
  3. 東南アジア
  4. 豪州、北米
  5. 欧州
  6. 中東地域
  7. 五輪での往来に備えられるか

4月の訪日外客数は10,900人

2021年4月の訪日外客数は、2019年同月比99.6%減の10,900⼈でしたが、1回目の緊急事態宣言が発出された2020年同月と比べると273.7%増加しました。

しかし、2021年3月より訪日外客数は減少しており、また3月から位置確認アプリやCOCOA等のダウンロードが義務づけられたこともあって厳しい入国制限措置が続いています。

2021年4月の訪日外客数は10,900人 昨年から273.3%の回復
(画像=▲訪日外客数推移:JNTOより訪日ラボ作成、『訪日ラボ』より引用)

東アジア

2021年4月の東アジア各国の訪日客(2019年同月比)は、韓国が1,100人(99.8%減)、中国が3,300人(99.5%減)、台湾が400人(99.9%減)、香港が60人(100.0%減)となりました。

国際的な人の往来再開に向けた段階的措置として、2020年10月8日からレジデンストラックおよびビジネストラックが運用されていたものの、2021年1月14日から運用が停止されています。

また日本人を含むすべての国からの入国者にPCR検査が求められ、14日間の隔離が必須となっています。

韓国

韓国では、海外旅行の中止や延期を国民に要請する、韓国政府による特別旅行注意報が、2021年5月16日まで延長されました。

韓国人が日本から入国する場合は、入国後1日以内のPCR検査および原則14日間の自宅または施設での隔離などが義務付けられています。

また韓国では、コロナ感染再生産指数が1か月ぶりに1を超えており、感染拡大が続いています。

中国

中国では、2020年4月21日以降、中国政府外交部から海外旅行自粛が指示されており、実質的に観光客の渡航が不可能な状況が続いています。

中国人が日本から入国する場合は、原則として14日間の施設での隔離などが求められます。

なお中国国家衛生健康委員会によると5月23日現在1日当たりの感染者が18人であり、感染拡大を封じ込めています。

台湾

台湾では国際線パイロットが変異株を持ち込んでから、感染拡大が続いています。

台湾衛生福利部疾病管制署によると、5月24日現在1日当たり460人の感染が確認されました。

ワクチン接種にも遅れがみられており、依然として観光往来復活には時間がかかるものと考えられます。

東南アジア

2021年4月の東南アジア各国の訪日客(2019年同月比)は、タイが200人(99.9%減)、シンガポールが40人(99.9%減)、マレーシアが100人(99.8%減)、インドネシアが200人(99.5%減)、フィリピンが200人(99.7%減)、ベトナムが300人(99.5%減)、インドで600人(96.7%減)となりました。

タイでは4月23日、政府がワクチン接種者であることを証明する免疫証明書である「ワクチンパスポート」の導入について発表し、様式など運用面の詳細が明らかになりました。

シンガポールでは、5月21日現在初の学校感染が確認され感染拡大が続いています。

またインドでは、変異株の影響があるもののPCR検査の陰性証明を相手国出国前72時間以内に取得すると停留措置が免除され、14日間のセルフモニタリングの実施のみとなります。

豪州、北米

2021年4月の豪州の訪日客(2019年同月比)は、100人(99.9%減)となりました。

なお豪州政府による日本に対する海外渡航禁止が継続されています。

2021年4月の米国の訪日客(2019年同月比)は、600人(99.6%減)となっています。

アメリカではワクチン接種が進んでおり、ニューヨーク州では夏にも観光業復活のためのキャンペーンが開始されるため、日本との往来がどこまで開始されるかが注目されそうです。

2021年2月のカナダの訪日客(2019年同月比)は、100人(99.7%減)で、日本はカナダ政府により、レベル3の「不要な渡航の自粛」に指定されています。

また2021年2月のメキシコ訪日客(2019年同月比)は、40人(99.5%減)となりました。

欧州

2021年4月の欧州各国からの訪日客数(2019年同月比)では、イギリスが200人(99.6%減)、フランスが100人(99.8%減)、ドイツが100人(99.6%減)、イタリアが90人(99.6%減)、ロシアが100人(99.3%減)で、スペインは80人(99.4%減)となりました。

EU委員会によると、EU加盟国ではワクチンパスポートの導入が5月20日に正式決定され、夏の観光往来再開に向けて動き始めています。

中東地域

2021年4月の中東地域の訪日客(2019年同月比)は、80人(99.4%減)となりました。 トルコでは2021年2月7日から、国内で新型コロナウイルス変異株の感染者が確認されたと政府当局が発表している国・地域として、当面の間、誓約書の提出など検疫強化の対象となっています。

またイスラエルで2021年2月5日から、アラブ首長国連邦でも2021年3月5日から、変異株流行国として、当面の間、検疫所が確保する宿泊施設での3日間の待機など検疫強化の対象となっています。

イスラエルではワクチン接種証明書「グリーン・パス」が発行されており、国内でのスポーツジム、イベント会場などでの提出が義務づけられています。ワクチン接種が進むことにより国際的な往来も再開されるのか注目が集まっています。

五輪での往来に備えられるか

政府は5月20日、東京オリンピック・パラリンピックで海外からの選手と関係者について、感染対策の徹底を図るため、当初見込まれていた20万人余りから半分以下となる9万4,000人程度に絞り込む方向で調整を進めていることを明らかにしました。

これは4月の入国者数と比較すると約9倍となる人数であり、五輪開催まで2か月に迫る中、感染防止を徹底しながら入国がなされるのか、注目が集まります。

文・訪日ラボ編集部/提供元・訪日ラボ

【関連記事】
【独自】GoTo「良い影響ある」96.7% 、菅首相に「インバウンド期待」72.5% 海外向け情報発信の適切な時期と内容は:インバウンド対策意識調査
仏・Japan Expo創立者に聞いた、日本の魅力の「ニューウェーブ」とは?【訪日ラボ独占インタビュー】
外国人に大人気「アキバフクロウ」に実際に行ってわかった、「体験」へのこだわりとインバウンド対策の秘訣とは
インバウンド業界は「第三のフェーズ」へ-より戦略に精緻さ求められる時代に
【日中比較】新型コロナで売れた・売れない商品ランキング 「口紅」明暗分かれる