カジノなどを備えた統合型リゾートであるIRは、ラスベガスのほかアジアでもトレンド産業として注目されています。

日本でもIR法案が2016年に可決され、「いつ日本にカジノができるのか」「日本のどこにできるのか」と気になっている人も多いかもしれません。

IRとはどんな施設なのか、各国のカジノと共に、日本のカジノ(IR)計画について紹介します。

目次

  1. IRとは?
    1. IR:カジノを「含む」統合型リゾート
    2. IRで注目されるカジノはアジアのトレンド産業?
  2. 世界の有名なIRとは?3か国紹介
    1. 1. マカオ
    2. 2. シンガポール
    3. 3. ラスベガス
  3. 日本のカジノはいつできる?懸念される問題や政策も
    1. カジノができる流れ
    2. カジノの完成で期待できるメリット、懸念されるデメリット
    3. 現在の有力候補地紹介、現在も誘致に積極的な候補地も
  4. 今後のIR、カジノ開業計画に注目

IRとは?

IRとはカジノのみにとどまらない「統合型リゾート」のことです。

アジアではすでにIRが産業として注目されています。以下でその詳細をご紹介します。

IR:カジノを「含む」統合型リゾート

IRとは、カジノのほか、劇場やホテル、国際会議場や展示会場といったMICE施設や、ショッピングモールなどが集まった複合的な施設のことです。

MICEとは、Meeting(会議)、Incentive tour(報奨・招待旅行)、Convention/Conference(国際会議)、Exhibition(展示会)の頭文字を取った造語で、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称です。

日本では2016年に「IR推進法」が成立し、2018年4月に「IR実施法案」が閣議決定され、同年7月20日に成立しました。

これによってカジノが解禁となった経緯もあり、「カジノ法案」と呼ばれることもあります。

ただし法案はあくまでも「IRを作る」法案であり、「カジノを解禁、作る」だけの法律ではありません。

IRで注目されるカジノはアジアのトレンド産業?

ラスベガスに多く存在するIRは、近年では世界一のカジノ売上を誇るマカオやシンガポールのほか、フィリピンや韓国、極東ロシアなど、アジアでも誘致が盛んに行われています。

IRは多くの雇用創出に加えて、観光消費増加による税収増などの効果が期待されます。

このためすでにアジアでは、国際的な観光拠点としてIRがトレンド産業になっており、国・地域を挙げて経済・観光政策として取り組んでいます。

世界の有名なIRとは?3か国紹介

日本のIR、カジノにも期待が高まりますが、海外のIRについてもご紹介します。

1. マカオ

マカオは1947年に賭博を合法化し、2018年時点で41のIRが運営されています。

2019年2月にみずほ総研が発表した「アジア近隣諸国をはじめとする世界各国のIRにおける経営戦略等及び再投資に関する事例調査報告書【概要版】」によれば、マカオのIRの市場規模は376億米ドル (約4兆円)にのぼります。

マカオ政府は観光産業の多様化を推進しており、これを受けてIR各事業者も非ゲーミング部門の充実を進めています。

「The Venetian Macao」のカジノは、50,000平方メートル以上の広さを誇り、世界最大となっています。

その施設には、ベネツィアを想起させる風景が広がっています。

IRはカジノだけではない|各国の事例も紹介、日本の開業計画はどうなる?
▲The Venetian MacaoのTwitterより:編集部スクリーンショット(画像=『訪日ラボ』より引用)

Twitter:Venetian Macaoの投稿(https://twitter.com/VenetianMacao/status/775531540629458944

IRはカジノだけではない|各国の事例も紹介、日本の開業計画はどうなる?
▲The Venetian Macao公式サイト「ゴンドラ ライド」のページより(画像=『訪日ラボ』より引用)

2. シンガポール

シンガポールは2005年にカジノ解禁を決定し、2010年にホテルや商業施設を備えたIR「リゾート・ワールド・セントーサ」と「マリーナベイ・サンズ」を開業しました。

IR開業後4年で、シンガポール全体の観光客数が6割、観光収⼊が9割増加しました。

2019年2月にみずほ総合研究所株式会社が発表した「アジア近隣諸国をはじめとする世界各国のIRにおける経営戦略等及び再投資に関する事例調査報告書【概要版】」によれば、その市場規模は45.3億米ドル (約0.5兆円)にのぼります。

リゾート・ワールド・セントーサは、6つのホテルと2つのスイートのほか、シンガポール初の政府公認カジノを擁しています。

IRはカジノだけではない|各国の事例も紹介、日本の開業計画はどうなる?
▲リゾート・ワールド・セントーサの公式サイト「カジノ」のページより(画像=『訪日ラボ』より引用)

マリーナベイ・サンズは、アジアを代表するビジネス、レジャー、エンターテイメントの総合施設で、世界最大の天空プールを備えています。

IRはカジノだけではない|各国の事例も紹介、日本の開業計画はどうなる?
▲マリーナベイ・サンズの公式サイト「インフィニティ・プール」のページより(画像=『訪日ラボ』より引用)

3. ラスベガス

ラスベガスは1869年に賭博を合法化しました。

1990年代からは、カジノホテルにMICE施設を併設し、ビジネス客をターゲットとする新たな戦略を推進しました。

2019年2月にみずほ総合研究所株式会社が発表した「アジア近隣諸国をはじめとする世界各国のIRにおける経営戦略等及び再投資に関する事例調査報告書【概要版】」によれば、ラスベガスのIRの市場規模は119億米ドル (約1.3兆円)にのぼります。

ラスベガスのIRの収益構造は、カジノが34.4%、ホテルが26.1%、その他39.5%となっており、カジノが占める収益割合は大きくないという特徴があります。

代表的なIRである1999年開業のテーマ型リゾート「ザ・ベネチアン・リゾート・ラスベガス」は、カジノのほか、水路を進むゴンドラやブランドショップ、有名シェフによるレストランも備えています。

カジノの面積は12万ft²(約11,000㎡)の広さを誇り、ホテルは4,028スイートを擁しています。

日本のカジノはいつできる?懸念される問題や政策も

日本でもカジノ法案が成立し、今後どのような流れでカジノが作られていくのか説明します。

またカジノがもたらすメリットや、問題点についてもご紹介します。

カジノができる流れ

「IR推進法」と「IR実施法案」がすでに成立している現在、日本は実際の開業場所を決める段階に入っています。

IR施設誘致の立候補地の募集受付は、2021年10月まで延期されており、複数の地域が立候補予定として名乗りをあげています。

開業決定後に、各自治体がIR開発の協力事業者を決定し、自治体とIR事業者が協力して、本格的にIR開発に着手するという流れです。

カジノの完成で期待できるメリット、懸念されるデメリット

カジノの完成によって期待されるメリットとして、主にIR建設による経済効果のほか、雇用の促進やインフラ整備の発展などが挙げられます。

経済効果としては、実際にシンガポールで2つのIR施設の開発によって計約1兆円の⺠間投資が実現しています。

さらに⺠間事業者の創意工夫により、国際会議場・国際展⽰場などの集客施設を⼀体的に整備・運営したり、カジノ施設の収益を集客施設などに分配したりといった事例も見られ、長期的な波及効果が見込めます。

一方でデメリットとしては、ギャンブル等依存症への懸念や、治安の悪化、マネーロンダリングの増加などが挙げられます。

なお日本政府は、これらの懸念される問題点について、シンガポールや韓国の事例をあげ、依存症や治安悪化については否定的な見解を示しています。

現在の有力候補地紹介、現在も誘致に積極的な候補地も

2021年3月時点で、IR誘致を表明しているのは、大阪府・市、横浜市、長崎県、和歌山県の4か所です。

神奈川県は、2021年4月にIR推進費計上の予算案を可決しており、長崎県も2021年4月に「九州IR推進協議会」を発足し、長崎IRを後押しする動きがみられています。

コロナ禍で開業が遠のいているとも考えられるものの、誘致への動きは各地で進められています。

今後のIR、カジノ開業計画に注目

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、IRの創設や開業は予定よりも後れを見せています。

そのような中でも日本政府は、開業の目標を2020年代後半に再設定し、歩みを進めています。

IRの開業後には、大きな経済効果が期待されることから、今後も注目が高まるのではないでしょうか。

文・訪日ラボ編集部/提供元・訪日ラボ

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