国慶節は中国の建国記念日です。1949年10月1日に毛沢東主席が中華人民共和国の成立を宣言したことから、この日が国慶節になりました。

そしてこの時期は春節に並ぶ中国の大型連休期間でもあります。例年多くの中国人が日本を訪れる国慶節ですが、新型コロナウイルスの影響を受けた2020年の様子はどのようなものだったのでしょうか。

目次

  1. 国慶節とは?例年の様子
    1. 国慶節とは
    2. 例年多くの中国人が日本を訪れる
  2. コロナ禍での国慶節の様子
    1. コロナでも旅行意欲根強い
    2. 北京の様子
    3. 上海の様子
    4. マカオの様子
    5. 海南島の様子
    6. 武漢の様子
    7. 旅行商品値段の回復には時間がかかる見通し
  3. コロナ禍での国慶節、国内旅行は回復

国慶節とは?例年の様子

新型コロナウイルスが感染拡大する前には、多くの中国人が国慶節に日本を訪れていました。例年の様子について簡単にご紹介します。

国慶節とは

国慶節とは、中国の建国記念日である10月1日のことで、毎年祝日となっています。また、この日を初日として、中国では春節に並ぶ大型連休がスタートする日でもあります。

2020年の国慶節は8連休で、中国の休暇のうちの一つ中秋節と日程がかぶったため、例年の7日間よりも1日長くなりました。

例年多くの中国人が日本を訪れる

新華社通信によると、2019年の国慶節期間には約8億人の中国人が旅行をしたとのことです。

また携程(Trip.comグループ:2019年10月まで、中国国内では「Ctrip」の名称で展開)によると、2019年では日本が国慶節期間中の人気旅行地のトップとなりました。また、日本政府観光局の訪日外客数調査でも、2019年10月の中国人訪日観光客の数は過去最高の73万人であり、2018年同月と比較して2.1%増加していたことが明らかになっています。

コロナ禍での国慶節の様子

中国文化観光省は、新型コロナウイルスの感染拡大に揺れた中国で、2020年の国慶節の連休期間中に全国の観光地を訪れた旅行者数は延べ6億3,700万人、それに伴う観光収入は4,665億6,000万元(約7兆2,804億円)に達したと発表しました。

コロナでも旅行意欲根強い

中国文化観光省の統計によれば、2020年国慶節の連休期間中に全国の観光地を訪れた旅行者数は延べ6億3,700万人に達し、観光収入は4,665億6,000万元(約7兆2,804億円)となりました。

しかし、隔離要請や国際線の減便などの影響で海外旅行をする人はほとんどなく、多くの中国人が国内で旅行を楽しんだことが特徴となっています。また、この国慶節の大型連休期間を狙い、全国各地の自治体が観光名所やテーマパークなどのチケットの無料化や大幅割引を実行する一方で、4,000社を超える旅行会社がオンラインでさまざまなツアープランを売り出しました

こうしたプロモーションもあり、2020年は国慶節の連休に中国国内を旅行をする中国人が急増しました。

なお、中国国家衛生健康委員会によると、国慶節を含む大型連休の前半7日間(1~7日)に中国本土で感染した「国内症例」は0人であったと発表しています。

北京の様子

JETROの2020年10月16日ビジネス短信によると、人気の観光地である北京市の国慶節期間中の観光客数は998万2,000人(前年同期と比べて8.4%増)を記録し、それに伴い115億元(前年同期比2.9%増)の観光収入があったことが報道されています。

さらに、新型コロナ後初の大型モーターショーとして、北京モーターショー2020(第16回北京国際汽車展覧会/Auto China 2020)が9月26日から開幕していたこともあり、多くの人々が北京を訪れました。

上海の様子

上海市商務委員会は、2020年の国慶節の連休期間における上海市内の437社の大型商業企業の売上高が、123億8,000万元(前年同期比で13.7%増)であったと発表しています。

また、ブルームバーグによると上海・虹橋駅からは大勢の人々が旅行に出発した様子が報道されていました。

マカオの様子

マカオでは、2020年の国慶節を前に往来制限の緩和が進み、中国本土からの観光客は隔離検疫せずにマカオに滞在できるようになっていました。

こうした影響を受け、マカオ政府旅遊局(MGTO)は、10月7日の総入境者数は1万9,115人(前年同日比75.3%減)であったこと、国慶節大型連休期間の7日間で13万9,280人(前年比85.7%減)の観光客がマカオを訪れたことが発表しました。

また、中国本土からマカオに旅行した観光客は10月7日の1日だけで1万7,534人(訪問客の全体の91.7%)に上りましたが、それでも前年の同じ日と比べると66.9%減少しています。加えて、国慶節大型連休期間の7日間に中国本土からマカオに旅行した中国人の数は12万9,967人(訪問客全体93.3%)でしたが、こちらも前年と比べると83.6%減少したこともMGTOから発表されました。

海南島の様子

JETROによると、7月1日から免税品の対象や購入額の上限が拡大された人気リゾート地の海南島では、10月1日~8日の免税店売上高が10億4,000万元と前年同期の約2.5倍となりました。これは自粛の反動による「リベンジ消費」であると考えられています。

武漢の様子

新型コロナウイルスの感染が最初に拡大した湖北省武漢でも、2020年の国慶節の連休に合わせて多くの観光客が訪れました。

中国最大手の旅行予約サイトトリップドットコムが検索数や予約状況などで分析した連休中の人気の観光スポットのランキングでは武漢の観光名所「黄鶴楼」が全国で1位に選ばれ、さらに武漢では封鎖が解除されたあと各地の観光名所を無料で開放し、観光客を呼び込む政策で人気を集めました。

また、人民網日本語版2020年10月9日記事では、国慶節連休期間に武漢市が受け入れた観光客数は延べ1,817万5,300人(前年の80.34%)、観光収入は89億8,400万元(前年の71.31%)に達したと報道されています。

旅行商品値段の回復には時間がかかる見通し

このように昨年の国慶節で、中国国内の旅行予約は殺到していましたが、その価格の水準はまだ低い状態にありました。

例えば、旅行サイト大手の飛猪によれば、国慶節の連休期間中のホテルの宿泊料は2019年に比べて約3割低い水準にとどまり、重慶の中小旅行会社は「今年の商売はとても厳しい。多くのツアー商品が4割以上の大幅値下げを余儀なくされている。」と話していました。

コロナ禍での国慶節、国内旅行は回復

2020年の国慶節の様子を見る限り、中国人の旅行意欲は回復の兆しを見せていたと考えても良いでしょう。そして2021年はさらなる回復が期待されます。

中国の旅行業者にとっては、今年のツアーや宿泊価格が新型コロナウイルス感染拡大以前の水準に戻るかどうかが気がかりでしょう。

この傾向は日本のインバウンド市場にも影響を与えるものとみられ、アフターコロナ時代の訪日中国人観光客はツアー価格にシビアになる可能性もあるのではないでしょうか。

文・訪日ラボ編集部/提供元・訪日ラボ

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