離婚は互いに対して大きな影響を与えるものですが、最近の研究では、使用している言語にも離婚の兆候が表れていると判明。

アメリカのテキサス大学オースティン校心理学科に所属するジェームズ・ペネベーカー氏ら研究チームは、離婚する人が3ヵ月前から代名詞を多用するようになることを発見しました。

研究の詳細は、12月20日付けの科学誌『Proceedings of the National Academy of Sciences』に掲載されています。

目次
離婚する人は代名詞を多用する
「私」「私たち」を多用するのは認知機能に負荷がかかっている証拠

離婚する人は代名詞を多用する

カップルは別れる3ヶ月前から代名詞を多用するようになる
(画像=代名詞を多用するのは離婚が近いからかも / Credit:Depositphotos、『ナゾロジー』より)

人の感情的および心理的状態は、その人の言葉遣いに影響を与えます。このことは当然離婚を経験する人々にも当てはまるはずです。

この点を明確にするため、研究チームは、6800人のRadditユーザーによる100万件を超える投稿を分析し、離婚する人々の言語がどのように変化しているのか調査しました。

その結果、離婚する人々は代名詞を多用すると判明。彼らは、主に「私」「私たち」という言葉を頻繁に使うようになっていたのです。

そしてこの傾向は、離婚日の3ヵ月前から生じており、離婚日にピークを迎えます。さらに離婚後6か月間は正常に戻らなかったとのこと。

研究者の1人であるテキサス大学の心理学者サラ・セラジ氏は、「人々が関係の崩壊に気づく前でさえ、既に彼らの生活にはその影響が及んでいるようです」と述べています。

また一部のユーザーは、離婚から1年経っても言語が通常に戻っていませんでした。

これは、彼らが離婚の話題をRadditに何度も投稿することで自ら思い返し、精神的ダメージからの回復を妨げていたことが原因です。

「私」「私たち」を多用するのは認知機能に負荷がかかっている証拠

カップルは別れる3ヶ月前から代名詞を多用するようになる
(画像=「私」という言葉の多用はうつ病と関係している / Credit:Depositphotos、『ナゾロジー』より)

研究チームによると、「私」「私たち」などの代名詞を多用するのは、その人が認知的負荷を背負っている証拠とのこと。

セラジ氏も「彼らは何かをずっと考えたり取り組んだりしていて、より自己中心的になっている」と述べています。

また、この傾向を精神疾患とも関連付けており、「時折、『私』という言葉の使用は、うつ病や悲しみと相関します。人々はうつ病になると、自分自身に特に集中する傾向をもち、他人との関わりをあまり持てなくなります」とのこと。

ところで、「離婚する3ヵ月前から言語に変化が出る」のであれば、人の言語を分析することで、離婚を事前に察知できることになります。

そして「言語から人間関係の予測が可能」であることは以前から知られています。

実際、2000年に行われた研究では、15分のインタビューから、カップルが別れるかどうかを93%の精度で見分けることができたのとのこと。

さて、今回や過去の研究が示しているように、離婚や失恋は私たちに様々な身体的変化を与えます。

今後、この変化に対する理解が深まれば、離婚を含む悲惨な出来事に上手に対処する方法を見つけられるかもしれません。

参考文献
Partners Start Using Different Language Months Before They Break Up, Study Shows
元論文
Language left behind on social media exposes the emotional and cognitive costs of a romantic breakup

提供元・ナゾロジー

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