自分は朝型、もしくは夜型、なんて名乗ったことは誰でもあるでしょう。

人間はそれぞれ個人的な体内時計を持っていて、それに応じて活動のタイプが分かれています。これをクロノタイプと呼びますが、実はこれは朝型、夜型の2種類だけではなかったのです。

科学雑誌『Personality and Individual Differences』の2021年1月号(Volume 168)に掲載予定の新しい研究では、人のクロノタイプが全部で6種類存在すると報告しています。

1日中いまいち活動的になれない人、1日通して活発な人の違いは体内時計のリズムに秘密があったようです。

目次


ヒトが持つクロノタイプ

覚醒と眠気の調査

あなたはどのタイプ? 6つのクロノタイプ


ヒトが持つクロノタイプ

あなたは夜型? 朝型? ヒトの「体内時計」は全部で6種類あることが判明!
(画像=ヒトは個人的な時間に応じた活動の傾向を持っている。 / Credit:canva、『ナゾロジー』より 引用)

人によって用事がなければ休日はいつまでも眠ってしまい昼頃になってやっと起き出す人もいれば、用がない休日でも朝早くから目覚める人もいます。

また逆に夜はすぐに眠くなってしまう人もいれば、夜のほうが目が冴えてきて深夜遅くまで起きているという人もいるでしょう。

こうした時間的な活動傾向は、一般的には「夜型昼型」という言葉で表現されますが、より専門的な言葉ではこれを「クロノタイプ」と呼んでいます。

「クロノタイプ」は一人ひとり異なっていることが分かっていて、それは個人の持つ体内時計の周期が影響していると言われています。

そして、「クロノタイプ」は双子を使った研究によると50%程度は遺伝的に決定されており、個人が生まれつき持っている体内時計の特徴なのだと考えられています。

しかし、最新の研究では、ヒトの覚醒を左右するクロノタイプは朝夜の2つできっぱり分けられるほど単純なものではないということを示唆しています。

覚醒と眠気の調査

あなたは夜型? 朝型? ヒトの「体内時計」は全部で6種類あることが判明!
(画像=どの段階で人は覚醒するのか。 / Credit:canva、『ナゾロジー』より 引用)

ロシアのRUDN大学の研究チームは、ヒトのクロノタイプにさらに4つの新しい分類が存在する証拠を発見したといいます。

同大学の人間生理学の研究者ドミトリー・スヴェシニコフ氏は「既存のクロノタイプを再考し、拡大する必要がある」と研究結果について述べています。

研究チームは大学生を中心とした約2,300人の参加者を対象に、今回の調査を行いました。

研究者たちは、過去の研究からクロノタイプには6つのタイプがあるだろうと考えていて、最初に被験者たちに、自分たちがどのようなタイプになると思うか自己評価を行ってもらいました。

そして次のステップとして、これ検証するため、被験者たちに睡眠研究で使用される標準的なテストを受けてもらいました。このテストは、1日のさまざまな時間帯における眠気や覚醒の度合いを推定できるように設計されています。

結果、6つのクロノタイプに参加者の大部分が収まると確認されたのです。これに当てはまらないヒトは参加者のわずか5%でした。

この研究結果について研究チームは、ヒトには昼型夜型に加えて、新たに「高活動型」、「日中眠い型」、「昼活動型」、「中活動型」の4つのクロノタイプが完全に確認されたと考えています。

あなたはどのタイプ? 6つのクロノタイプ

あなたは夜型? 朝型? ヒトの「体内時計」は全部で6種類あることが判明!
(画像=ヒトには6つのクロノタイプがある。 / Credit:RUDN University、『ナゾロジー』より 引用)

集中力やエネルギーレベルについて考えると、「朝型」は朝がもっとも高く、昼は中程度に下がり、夕方には低い状態になります。

逆に「夜型」は、朝の覚醒度合いは低く、昼に中程度まで上昇し、夜になると高いレベルに上昇していきます。

「高活動型」の人は時間に関係なく1日通して高い覚醒度を示します。

「日中眠い型」は朝も夜も覚醒度は高いのに昼間に低くなります。

「昼活動型」は逆に、朝も夜も覚醒度は低いのに、日中はとても高い状態になります。

「中活動型」は昼夜関係なく、1日を通して低いエネルギーレベルを示します。

今回の研究では、それぞれのタイプの割合は、「朝型」が13%、「夜型」が24%とこれまでの2分類では全体の37%しかカバーされていなかったことがわかりました。

新しい分類での割合は、「日中眠い型」が18%ともっとも多く、「中活動型」が16%、「昼活動型」が15%、そして「高活動型」がもっとも少なく9%という結果でした。

なんとこの研究結果だと「夜型」がもっとも多く一般的なクロノタイプと示されたのです。また日中眠くてあまり活動できないタイプの人や1日中眠いタイプの人も高い割合にあります。

ただ、今回の研究は規模としては比較的小さいものであり、大学生を中心に調査したという点は念頭に置いておいたほうがいいかもしれません。

研究チームは今後さらに他の実験方法によっても調査を行っていき、具体的にこうしたクロノタイプの違いが、ヒトの中でどういう役割を果たしていくのか明らかにしていくと語っています。

参考文献
sciencealert

ライター:KAIN
大学では電気電子工学、大学院では知識科学を学ぶ。ナゾロジーでは趣味で宇宙関連の記事を書くことが多いです。そして特に求められていなくても、趣味でアラフォーに刺さるアニメ、ゲームネタを唐突にぶっこむことも。 科学が進歩するほど、専門分野は先鋭化し、自分と無関係な知識に触れる機会が減ります。しかし、自分には解決の糸口も見えない問題が、ある分野ではとうに解決済みの話かもしれません。問題を解決させるのはいつでも新しい知識とのふれあいです。先人の知恵、最新の発見、それが誰かの抱える問題解決の助けになるよう、現在は科学ライターとして活動中。

編集者:やまがしゅんいち
高等学校での理科教員を経て、現職に就く。ナゾロジーにて「身近な科学」をテーマにディレクションを行っています。アニメ・ゲームなどのインドア系と、登山・サイクリングなどのアウトドア系の趣味を両方嗜むお天気屋。乗り物やワクワクするガジェットも大好き。専門は化学。将来の夢はマッドサイエンティスト……?。

提供元・ナゾロジー

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