「今、何時?」と聞かれれば、「そうね〜♪」とすぐ答えられるほど時計は普及しています。

今では、24時間サイクルが当たり前の毎日を過ごしていますが、人類はいつから時間を計り始めたのでしょうか?

また、時計はどのように進化して、現在はどんなことまで計れるようになったのでしょう?

人類と時間の歴史を紹介していきます!

目次
人類はいつから「時計」を使っているの?
3000万年に1秒もズレない「原子時計」が生まれるまで

人類はいつから「時計」を使っているの?

太陽を使う「日時計」、太陽のいらない「水時計」

人類が初めて「時間を計る」システムをつくったのは約4000年前のことです。

古代エジプト人が、1日をいくつかの単位に分けるというアイデアを思いつきました。

遺跡で発見された初期の「日時計」を見ると、日中の時間を12等分にしていたようです。

日時計は棒を地上にまっすぐ立てて、影の位置や長さで時間を計ります。

いつから時間に縛られて人類は生活し始めたのか? 「138億年たってもズレない時計」って知ってる?
(画像=初期の日時計 / Credit: 「SEIKO」より、『ナゾロジー』より引用)

しかし、日時計は季節によって日中の長さが変わるので、真冬に比べると真夏は、1時間あたり約16分ほど長くなりました。

おそらくエジプト人も「夏は時間のたつのが遅いなぁ」と思っていたでしょう。

この問題を解消するために「水時計」が作られています。

水時計は1日を24等分にし、太陽の動きと関係なく時を刻みました。

太陽が出ていなくても時間を計れるので、夜用の時計としても使われたようです。

いつから時間に縛られて人類は生活し始めたのか? 「138億年たってもズレない時計」って知ってる?
(画像=古代の水時計 / Credit: ja.wikipedia、『ナゾロジー』より引用)

「1秒」が誕生したとき

その後、時計は長い年月をかけて発達しますが、現代につながる時間のシステムは西暦1000年頃に誕生しました。

1日を24時間とし、それを60で2回割って、「分」と「秒」としたのです。

そのため、秒を示す英語の「セカンド(second)」は、時間を60で「2回割る(second division)」に由来します。

ここから、1秒は1日の8万6400分の1と定義されました。

いつから時間に縛られて人類は生活し始めたのか? 「138億年たってもズレない時計」って知ってる?
(画像=Credit: jp.depositphotos、『ナゾロジー』より引用)

しかし、これにもエジプト人が直面したのと同じ問題が見つかっています。

「1日の長さが必ずしも一定ではない」ということです。

地球の自転は、月と太陽の重力の関係でちょっとずつ遅くなっているので、100年前の1日は今より少し短く、100年後は少し長くなります。

さらに、地球の中心部も不安定な動きを見せることがあるため、自転の予測不能なスピードアップやダウンが起きる可能性もあります。

この問題を科学はどう解決したのでしょうか?

3000万年に1秒もズレない「原子時計」が生まれるまで

「原子の1秒」と「うるう秒」

時間のズレを防ぐために科学が応用したのは「原子」でした。

1967年に国際度量衡委員会は「セシウム133原子が91億9263万1770回振動する時間」として1秒を再定義しました。

こうして新たに誕生した「原子時」が、地球の動きにもとづいた「天文時」に取って代わったのです。

それでも、数年に一度くらい予想外の天文学的異変が生じて、原子時と天文時がズレることがあります。

具体的には、100年で2〜3分程度のズレですから、日常生活には支障のないレベルです。

しかし、正確性を求める科学にはよくありません。

そこで1972年に「うるう秒」が導入されました。

地球の自転が変動して、原子時と天文時に0.9秒を上回る誤差が生じる場合は、1秒単位で原子時を調整します。

これが「うるう秒」です。

138億年たってもズレない「光格子時計」

原子時計はその後も進化をつづけ、近年では3000万年に1秒もくるわないほどの精度まで達しています。

さらに2015年には、東京大学により、原子時計を超える「光格子時計」なるものが開発されました。

光格子時計であれば、宇宙の年齢である138億年が経過しても、時間のズレは起きないのです。

いつから時間に縛られて人類は生活し始めたのか? 「138億年たってもズレない時計」って知ってる?
(画像=光格子時計 / Credit: 東京大学、『ナゾロジー』より引用)

そこまでして時間を正確に計る理由は何でしょう?

これには、アインシュタインが関係します。

アインシュタインは「光速に近づくと時間は遅く進む」と、「重力が強いところでは時間がゆっくり進む」という2つの相対性理論を唱えました。

ところが、人が歩く程度のスピードや、高低差1センチで生じる重力エネルギーの差による時間のズレは、原子時計ですら計れません。

しかし、光格子時計を使えば、この日常生活における時間のズレも捉えられるのです。

いつから時間に縛られて人類は生活し始めたのか? 「138億年たってもズレない時計」って知ってる?
(画像=日常生活のわずかな重力差も測定できる / Credit: 東京大学、『ナゾロジー』より引用)

例えば、光格子時計をのせた車を道を走らせ、時間のズレを測定することで、重力エネルギーの差をマッピングできます。

重力に異常が見られる場所には、貴重な資源が隠されている可能性もありますし、火山の噴火や津波の到来も予知できるかもしれません。

日常生活に関係なさそうに見えて、実は「時間を正確に計る」ことはとても重要なことなのです。


参考文献

『NewScientist 起源図鑑』

元論文

東京大学


提供元・ナゾロジー

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