コロナ禍で巣ごもり需要が高まっていることから、100円ショップ(100円均一、100均)業界が好調に売上を伸ばしています。

一方で、300円均一ショップを展開する「ミカヅキモモコ」は、今年2月8日に全店舗を閉店し自己破産申請を行うことになりました。

激化する競争に、100均をはじめとしたワンプライス商品を展開する各社はどう対応しているのでしょうか。

目次

  1. コロナ禍でも100円ショップ好調
    1. 各社の売上は?
    2. ホームセンターがライバルに
    3. 一方、苦境に陥る企業も…300円均一「ミカヅキモモコ」破産
  2. 競争増す業界、ダイソー・セリアの戦略は?
    1. ダイソーは「100円商品を置かない」新業態店舗を展開
    2. 過去最高売上を記録したセリアは
  3. 対照的な大手2社の戦略、競合との違いを発信できるか

コロナ禍でも100円ショップ好調

100円ショップでは、コロナ禍で在宅時間が増え「巣ごもり需要」が増大したことで、キッチンやインテリア、DIY用品などの売上が伸びています。また、節約志向が高まっていることも需要増の要因となっているようです。

さらに100円ショップの商品は単価が低く、ネットでの販売では送料との釣り合いが取れないものが多いため、ECに需要を取られなかったことも理由のひとつと見られています。

各社の売上は?

100円ショップ業界は2010年以来一貫して成長してきており、コロナ禍においてもその傾向は変わらず、業界全体の売上、店舗数ともに過去最高となる見込みです。

では各社の売上を見ていきましょう。

セリアが1月に発表した決算書によると、2021年度第3四半期の売上高は前年同期比で11.4%増、営業利益は24.3%増と大きく躍進しています。同年の2020年の売上は、同社において過去最高となる見通しです。

キャンドゥの決算では、2020年度の連結業績(2019年12月〜2020年11月)において前年比売上高2.4増、営業利益30.6%増と、こちらも大きく売上を伸ばしています。

業界最大手のダイソーは上場していないためIRが公開されていませんが、好調を維持しているものとみられます。

ホームセンターがライバルに

同じく「巣ごもり需要」により成長しており、100円ショップと競合し得る業態として、ホームセンターが挙げられます。

一方、苦境に陥る企業も…300円均一「ミカヅキモモコ」破産

一方、同じワンプライス業界でも苦境に陥った企業もあります。

300円均一の雑貨店「ミカヅキモモコ」は、今年2月8日に全店舗を閉店し、経営破綻しました。新規出店の際の負担が資金繰りを悪化させていました。

また、ミカヅキモモコを含むワンプライス業界は安くて高品質であることから外国人からの人気が高く、近年はインバウンド需要によって大きく業績を伸ばしていました。

ミカヅキモモコはその中でもファッション雑貨やアクセサリーなどによって人気を得ていましたが、コロナ禍によりこれらの商品の主要な購入客であった海外からの旅行客が急減したことにより売上回復の見通しが立たなかったことが、不調の要因となってしまったようです。

競争増す業界、ダイソー・セリアの戦略は?

100円ショップ業界内の競争は激しくなっています。また先述の通り、インバウンド需要が減少するなど消費者の特徴に変化がみられます。

業界全体が好調な中でも、こうした変化に対応するための戦略は必要となるでしょう。

では、100円ショップを展開する企業がとっている戦略はどのようなものなのでしょうか。ここでは、業界大手2社のダイソーとセリアが実施している戦略について解説します。

ダイソーは「100円商品を置かない」新業態店舗を展開

ダイソーは、すでに展開している「THREEPY」という300円均一の業態に加えて、300〜1,000円の商品を専門に扱う新業態の店舗を出店を2021年3月に発表しました。

もともとダイソーは大量発注によって仕入れコストを抑える一方で、ほとんど粗利のない商品でも100円で売り出す、いわゆる「薄利多売」戦略をとり、大きな成果を上げてきました。

しかし近年は原材料費や海外での人件費高騰などの影響を受け、100円以外のラインナップ展開によってより付加価値の高い商品に販売をシフトしていく傾向がみられます。

同様の傾向は他社にもあり、100円ショップ業界ではダイソー、セリアに次ぐ規模であるキャンドゥも300円以上の商品を2020年7月から取り扱っています。

過去最高売上を記録したセリアは

100円以外の商品をラインナップに加える他社とは対照的に、セリアは価格を100円に統一することにこだわり続けています。

セリアはデザイン性の高いものを中心に、付加価値の高いアイテムを提供しています。商品の入れ替わりも早く、主に主婦層の間で「セリアパトロール」という言葉が生まれるほどの人気を集めています。これらの商品の魅力と安さによって、「つい手に取って、そのままレジに持って行ってしまう」という購買行動を促すために、あえて100円均一を守っているというのです。

また、セリアは業界でもPOSレジシステムをいち早く導入し販売データの収集や発注の効率化を図る、商品のほとんどをメーカーと共同開発して開発コストを抑えるなど、高利益率を保つ取り組みを行っています。

その他にも、他社がお菓子や清涼飲料水などの食品を取り扱っているのに対して、セリアでは管理コストを抑えるためにあえてこれらの商品を扱わない方針です。

100円ショップを展開する他社の営業利益率が1%台であるのに対し、セリアではこれらの方策の効果もあり、利益率は9.8%と小売業界全体で見ても優秀な数字を誇っています。

対照的な大手2社の戦略、競合との違いを発信できるか

コロナ禍による後押しで業界全体の売り上げは好調である一方、100円ショップ業界内での競争は激化しており、それぞれが生き残りをかけた戦略を模索しています。

ダイソーは300円以上のラインナップに注力し、ホームセンターやドラッグストアなども競合として見据えた幅広い販売チャネルでの成長を目指しています。それとは対照的に、セリアは100円という価格を守り続けることによって、景況感がさがり消費が冷え込むコロナ禍に強い低価格での訴求を続けています。

競合他社がひしめく中、いかに他社にない魅力を発信し続けられるかが、それぞれの企業にとって重要な戦略となるでしょう。

たとえばホームセンターのカインズはコロナ禍においても売上を伸ばし、2020年10月には売上総額1兆円を達成しました。

日用雑貨や感染防止対策グッズに加え、「おうち時間」を充実させるためのインテリアやDIY用品などの売上が伸びていることが、100円ショップの傾向と一致します。

提供元・口コミラボ

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