改正健康増進法は2020年4月に施行された法律で、これにより屋内において全面的に禁煙になりました。

今回の法改正に伴い喫煙できた居酒屋などの飲食店でも禁煙が求められている一方で、なかには対象から外れた店舗もあります。法律が改正されたことで義務付けられた内容も多く、内容の把握が必要です。

こうした変化を受け、一部の飲食店では積極的に対策を進めています。そこで本記事では、改正健康増進法について解説するとともに、その認知度や実際に飲食店で実施されている対策について紹介します。

目次
改正健康増進法とは?
 受動喫煙防止で屋内全面禁煙に
 対象にならない飲食店:小規模の店舗やバー・スナック
 飲食店経営で気を付けるポイント:自治体ごとに条例の差
健康増進法改正後の飲食業界の現状と顧客の認知度
 改正後には約70%の飲食店が禁煙対策
 顧客の認知度には改善の余地あり
分煙対策に取り組んでいる飲食店の事例3選
 1. ワタミグループ:約400店で喫煙室の設置へ
 2. すかいらーくホールディングス:3,200店で全席禁煙に
 3. 銀座ルノアール:紙巻たばこの喫煙禁止
法律・条例を理解し、店舗の条件に合わせた対策を

改正健康増進法とは?

改正健康増進法とは、喫煙者でない人の受動喫煙を防止するために2020年4月に施行された法律です。施行されて間もなく1年が経つ法律ですが、改正前と比較して具体的にどういった部分が変わったのかや、対象となる店舗や飲食店、またそれらの店舗が気を付けるべきポイントについても解説します。

受動喫煙防止で屋内全面禁煙に

改正健康増進法は喫煙者以外の受動喫煙を防ぐことを目的としており、この改正により屋内では基本的に禁煙となりました。しかしながらすべての店舗で全面的に禁煙となるわけではありません。

飲食店においては、「2020年4月1日以降に新しく開店した店舗」、「客席面積が100㎡を超える店舗」、「資本金が5,000万円を超える店舗」のいずれかに当てはまる店舗が対象です。一方で一定の条件下において喫煙スペースを設けることもできます。

喫煙可能店舗では飲食できないものの、加熱式タバコが吸える場所では飲食できることも特徴です。ほかにも喫煙ができる施設の場合はその旨を店頭に掲示しなければならず、従業員顧客問わず未成年の立ち入りが禁止されています。

対象にならない飲食店:小規模の店舗やバー・スナック

飲食店においては前述の3つの条件すべてに当てはまらない店舗については、全面喫煙や分煙といった形態を維持できます。条件に当てはまる店舗であっても、バーやスナックといった業態の店舗では、「たばこの販売許可を得てたばこの対面販売を行う飲食店である」という条件のもと店内での喫煙が許可されています。

しかしながら、バーやスナックにおいても喫煙可能であるという旨の掲示をしなければなりません。

飲食店経営で気を付けるポイント:自治体ごとに条例の差

改正健康増進法は国によって定められた法律ですが、このほかにも自治体ごとに異なる条例やルールが設定されていることもあります。

たとえば、東京都においては東京都受動喫煙防止条例が制定されており、喫煙席を設置する場合には特定の条件をクリアしなければなりません。

兵庫県においては、加熱式たばこが通常のたばこと同様に扱われており、加熱式タバコ専用の喫煙室の設置ができません。このほかにも今後新しく条例が制定される可能性のある自治体もあるので、各自治体の条例について常に確認し、遵守する必要があります。

健康増進法改正後の飲食業界の現状と顧客の認知度

改正健康増進法が施行されたのち、東京都は2020年7月に20~79歳の都民3,000人を対象にインターネット調査を実施したほか、飲食店400店を対象に対策の実態について調査しました。

この調査の結果をもとに、飲食店でどういった対策を実施しているかや、飲食店を利用する顧客の認知度について解説します。

改正後には約70%の飲食店が禁煙対策

飲食店に向け実施した調査の結果から、改正健康増進法の存在を99.3%もの店舗が認知していることが分かりました。

しかしながら禁煙の対象となる店舗や違反した措置に関する内容を理解している店舗はそのうちの8割程度にとどまっています。改正後に法律に基づく対策を実施した店舗や対策を検討している店舗は7割程度にとどまりました。

さらに改正後の法律では、店頭に掲示をすることが義務付けられているものの実際に掲示している店舗は76.3%と少ないことも明らかになっています。

顧客の認知度には改善の余地あり

都民への調査において、改正健康増進法や東京都の条例を認知している割合は名前だけを知っているという人を含め75.5%にとどまりました。このことから内容の認知度は低いことが考えられます。

また屋外や行政機関、病院では禁煙であることを認知している人が75.0%いるにもかかわらず、飲食店内も禁煙対象であることを認知している人は67.5%にとどまっており、認知度が低いことがうかがえます。飲食店における喫煙について、顧客とのトラブルを避けるためにも認知度を高めることが必要です。

分煙対策に取り組んでいる飲食店の事例3選

飲食店のなかには、全面喫煙ではなく分煙対策に取り組んでいる店舗もあります。具体的に分煙対策としてどういった対策が実施されているかについて、「ワタミグループ」「すかいらーくホールディングス」「銀座ルノアール」の3つの飲食店を例に対策を紹介します。

1. ワタミグループ:約400店で喫煙室の設置へ

日本全国で居酒屋などを展開しているワタミグループでは、改正健康増進法が施行されるより前から分煙対策に取り組んでいました。しかしながら法律が改正されたことを受け、約400ある既存店のほとんどで喫煙室を設置しています。

ワタミグループは、店舗の場所によってはファミリー層の利用が多い店舗もあり、小人数が利用できる喫煙室を設置することで、喫煙者のニーズにも応えています。

2. すかいらーくホールディングス:3,200店で全席禁煙に

すかいらーくホールディングスでは、改正健康増進法の施行を受け、2019年9月1日より全国に約3,200ある店舗のすべてで全面禁煙の対策を実施しています。

すかいらーくグループの店舗はファミリー層の利用が多いことや、従業員の健康増進、職場環境の改善を目的に実施されました。

さらに社員120名が禁煙運動に取り組むなど、店舗だけでなく会社全体として健康増進に取り組んでいます。

3. 銀座ルノアール:紙巻たばこの喫煙禁止

コーヒーチェーンである銀座ルノアールでは、2020年4月よりグループが運営する店舗のすべてにおいて、改正健康増進法に沿った対策がなされています。

具体的には紙巻きたばこの喫煙を禁止している店舗や、全面禁煙に取り組む店舗、分煙対策に取り組む店舗、加熱式タバコ専用の喫煙エリアを設置する店舗に分かれています。店舗の客層やニーズ、広さなどを考慮し、各店舗に合った対策を実施していることが銀座ルノアールの特徴です。

法律・条例を理解し、店舗の条件に合わせた対策を

2020年4月に施行された改正健康増進法では、屋内において全面的に禁煙となりました。しかしながら一定の条件を満たす店舗や、バーやスナックといった業態の店舗であれば、飲食店の店内における喫煙が許可されています。

一方で法律が施行されてから約1年がたつものの、飲食店を利用する顧客の法律に対する認知度は高いとは言えず、飲食店ではトラブルにならないように対策が求められています。

2020年4月以降やそれ以前から、飲食店ごとに店舗の条件や顧客層に応じてあらゆる対策がとられています。今後も飲食店では、顧客のニーズに応じた柔軟な対策が必要となりそうです。

提供元・口コミラボ

【関連記事】
【保存版】簡単にわかる「Googleマイビジネス」登録方法 ステップ別解説|Googleマップの登録方法も解説
「GoTo効果ナシ」宿泊施設はどうすべき?"強み"を見つけ、宣伝し、リピーターへつなげよう
「〇〇Pay」どれがお得?主要6社コード決済を"ひと目でわかるマップ"で徹底比較!
ネガティブ報道が外食業界を苦しめている。飲食店オーナーが語る「GoToイート」への思い
【最新版】47都道府県「コロナ対応」スタンス総まとめ!GoTo賛否は?独自施策は?【2020年9月】