また、この研究を通じて、SnappyやSageといったコンピューターを使った計算手法が結び目理論の難問を解く際に非常に強力であることも示されました。

つまり、この成果は結び目を研究する数学者に、実験的かつ計算的な手法の有効性を改めて示したという点でも重要です。

数学の世界では、一見当たり前と思われてきた法則が覆ることで新たな地平が開けることがしばしばあります。今回の成果もまさにその一例であり、結び目という身近で不思議な対象の奥深さを改めて示す出来事となりました。

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元論文

Unknotting number is not additive under connected sum
https://doi.org/10.48550/arXiv.2506.24088

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部