しかし、異種の動物に対して明確に利他的な行動を示すケースは非常に稀です。
それでも、今回のイルカたちの動きは、少なくとも「邪魔をする」でも「攻撃する」でもなく、むしろ誘導や同行に近い行動だったことは間違いありません。
Dolphin Discovery CentreのFacebook投稿では、「イルカたちはクジラの周囲で遊びながらゆっくりと沖合に導くような動きを見せた」と記されており、「協力行動かどうかは断定できないが非常に珍しい自然現象だ」と言えます。
そして、過去にはイルカが溺れそうな人間を支えたという記録や、犬が他種を助けた事例など、異種間協力と思われる例は存在しており、今後さらなる研究が求められる分野です。
自然界には、私たちの理解では説明しきれない行動・現象が多く存在します。
ときには、異なる種の間にも予想もしない関係性が築かれる可能性があります。
もしかしたら、今も世界のどこかで、動物たちが異種間で助け合っているかもしれません。
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参考文献
Watch Friendly Dolphins Help Lead A Lost Humpback Whale Into Deeper Waters
https://www.iflscience.com/watch-friendly-dolphins-help-lead-a-lost-humpback-whale-into-deeper-waters-79740
Young humpback whale a bit lost in Koombana Bay🐳 – dolphins to the rescue 🐬!
https://www.facebook.com/dolphindiscoverycentre/videos/769887368728550
ライター
矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。