過去に性的なトラウマを経験した人や、パートナーとの関係にストレスや問題を抱えている場合は、かえって精神的な緊張を高めて睡眠を妨げる可能性があります。
また、パートナーがいない人や状況的に性行為が難しい場合も考えられます。
性行為を睡眠のための義務的な手段と捉えるのではなく、あくまで自然で楽しめる範囲内で取り入れることが重要です。
総じて、今回の研究はオーガズムを伴う性的な行為が心と体を深くリラックスさせ、良質な睡眠につながる可能性を示したという点で画期的でした。
今後、さらなる研究が進み、より明確なメカニズムや効果的な方法が明らかになれば、睡眠薬に代わる自然な睡眠改善方法として広く受け入れられる可能性があります。
慢性的な不眠に悩む人たちにとって、「パートナーとの親密な時間」が思わぬ快眠への近道となるかもしれません。
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元論文
0405 How Well Does Sexual Activity Improve Sleep When Compared With Pharmacologic Sleep Aids?
https://doi.org/10.1093/sleep/zsad077.0405
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部