しかし、意外なことに、これまでこうした「セックスと睡眠の関係」を科学的に本格的に調べた研究はほとんどありませんでした。
つまり、この身近な現象が単なる俗説なのか、本当に科学的根拠のある現象なのか、まだよくわかっていなかったのです。
そこで今回の研究チームは、この長年の「常識」をきちんと科学的に検証することにしました。
もし本当に性行為が睡眠の改善に効果があるのなら、それは睡眠薬に頼らない新しい治療法として有効かもしれません。
性行為によって本当に睡眠は改善するのか?
そしてもし改善するとすれば、その効果は睡眠薬と比べても劣らない、あるいはそれ以上に優れているのでしょうか?
性行為がもたらす睡眠改善効果、驚きの数字が明らかに

性行為によって本当に睡眠は改善するのでしょうか?
もし改善するとすれば、その効果は睡眠薬と比べても劣らない、あるいはそれ以上に優れているのでしょうか?
この疑問に対する答えを得るため、研究者たちはまず、実際に不眠に悩む人々を対象にアンケート調査を行うことにしました。
研究チームは、小規模な予備調査として25歳から49歳までの成人男女53人を対象にオンラインでアンケートを実施しました。
参加者のうち66%は、過去に不眠を改善する目的で睡眠薬を使用した経験を持つ人たちでした。
つまり、睡眠の問題をよく理解し、睡眠薬の効果も知っている人々を中心に調査を進めたのです。
アンケートの内容はシンプルで、参加者には普段の睡眠の質や睡眠薬の使用状況に関する質問のほか、「就寝前に性的な活動(オーガズムを伴う行為)をした夜の睡眠の状態」について詳しく答えてもらいました。
具体的には、「性行為のあとの夜は、普段よりも眠りやすかったか」「睡眠薬を使ったときの睡眠と比べてどちらの方が効果的だったか」など、性行為と睡眠薬の両方を経験しているからこそ比較できるような内容です。