「科学者の愛猫が新種ウイルス発見の立役者になる」
そんな興味深い話がアメリカから届きました。
米フロリダ大学(UF)に勤務するウイルス学者ジョン・レドニッキー(John Lednicky)博士は、黒猫の「ペッパー(Pepper)」を飼っています。
そして今回、ペッパーが屋外で狩ってきた一匹のマウスを調べたところ、その体内からこれまで知られていなかったオルトレオウイルスの新種が発見されたのです。
しかもペッパーが新種ウイルスの発見に貢献したのは、これが二度目となっています。
研究の詳細は2025年6月10日付で科学雑誌『Microbiology Resource Announcements』に掲載されました。
目次
- 猫の「狩り」が科学を動かす?新種ウイルスの発見劇
- 哺乳類に感染する新種ウイルス、人への影響は?
猫の「狩り」が科学を動かす?新種ウイルスの発見劇
すべてはフロリダ州ゲインズビルの住宅街から始まりました。
ペッパーは自宅近くの林で、エバーグレーズ・ショートテール・トガリネズミ(学名:Blarina peninsulae)を仕留め、誇らしげに持ち帰ってきたのです。
その姿を見た飼い主のレドニッキー博士は、研究者としての直感でただならぬものを感じました。
彼はこのネズミを研究室へ持ち帰り、ウイルス検査を実施。
すると、これまでに一度も報告されたことのない新型のオルトレオウイルスが見つかったのです。
今回見つかった新型オルトレオウイルスは「ゲインズビル・トガリネズミ哺乳類オルトレオウイルス3型UF-1株」と命名されました。

実はペッパーが新種ウイルスの発見に貢献したのは、これが初めてではありません。
驚くべきことに、ペッパーは前年にも“偉業”を成し遂げています。