需要併設型蓄電池の複雑さに見るSassor社のすごさ

** レジル 安藤 ** :電力の市場取引や関連する制度まわりの知識が豊富ということもさることながら、制約の多い需要併設型の蓄電池に対してフレキシブルに対応できるという面も、Sassor社の大きなアドバンテージであると感じます。需要併設型蓄電池は、充電と放電のタイミングを図るための分析に必要な項目が、非常に多岐に渡るためです。

分散型エネルギーの鍵は「蓄電池のマネジメント能力」にあり。需要併設型蓄電池が支える、エネルギーの未来の画像5
(画像=『Business Journal』より引用)

** Sassor 石橋 ** :レジルのマンション防災サービスのように、実際に電気を使用する需要家に蓄電池が併設されている場合、最もコストをかけずに充電できるタイミングと、需要家が電気を使うタイミングを予測して充電と放電を制御します。これに加えて、太陽光パネルが併設されている場合は、天候や過去のデータなどから発電量の予測も必要になります。需給調整市場などに調整力を提供する場合は、市場入札価格を過去の実績値などから予測して入札します。

** レジル 安藤 ** :マンションや一般家庭の場合、朝に活動がスタートしたタイミングと、帰宅してからの夜間に電力使用量が多くなります。蓄電池の充放電を効率的に行うためには、この電力需要のカーブを正確に予測できなければいけません。これに加えて、不安定性のある太陽光発電の予測も組み合わせつつ、マンション特有の充放電制約のもと、各種市場取引の最適化を組み合わせられる点がSassor社のすごさですね。

** Sassor 石橋 ** :市場での取引価格は前日までに分析する必要がある一方で、充電によるマンションの契約電力の更新を防ぐため、電力使用量はリアルタイムでの分析が求められます。それらをすべて踏まえた上で、制御の指示を出します。需要併設型蓄電池の制御は、非常に複雑で一筋縄ではいかない。それがこの領域の最大の難しさでもあります。

分散型エネルギーの鍵は「蓄電池のマネジメント能力」にあり。需要併設型蓄電池が支える、エネルギーの未来の画像6
(画像=『Business Journal』より引用)