ホテルや旅館など、宿泊業に対する1つ星の口コミは、何が理由で投稿されているのでしょうか。

口コミラボでは前回、「高評価、低評価の口コミにはそれぞれ共通する原因がある」という仮説をもとに、飲食店の高評価、低評価の口コミを分析しました。

今回は宿泊業の高評価、低評価の口コミを分析したうちの低評価編です。

目次
口コミが低評価になる理由は「接客」「部屋の設備」「衛生」
 1. 接客:迷惑をかけた際にはまず謝罪することが大切
 2. 室内の設備や備品:宿泊客目線で設備を整えよう
 3. 衛生:髪の毛や埃など、基本的な清掃をしっかりと
ここにも注意!改善すべき3つの要素
 1. 外国人への対応:外国語でコミュニケーションが取れる体制を
 2. タバコの臭い:消臭が難しければ喫煙可能客室として提供を
 3. 旅館の食事:宿泊客の期待を裏切らないことが大切
低評価の口コミを知ることは、高評価の口コミを呼び込む第一歩

口コミが低評価になる理由は「接客」「部屋の設備」「衛生」

今回の調査は、以下の方式で行っています。

  • Google マップの口コミにおいて総合評価が3.5から4.5の首都圏の宿泊施設が対象

    ・ビジネスホテル、シティホテル、リゾートホテル、カプセルホテル、旅館、温泉旅館、民宿や民泊およびゲストハウスの7業種ごとに事業者をそれぞれ3施設ずつ無作為に抽出
    ・それぞれの宿泊施設から3~4件ずつ1つ星評価の口コミを無作為に選出
    ・合計70件の口コミに含まれている評価要素を以下11項目に分類

  • 価格

  • 接客
  • 立地
  • 食事
  • 部屋
  • 衛生
  • サービス
  • 感染対策
  • 滞在可能時間
  • 室内の設備や備品(ベッドやドライヤーなど)
  • 室外の設備や施設(大浴場や食堂など)

言いかえれば 「『普通』と評価されている宿泊施設の口コミの中で、★1がつけられた口コミを抽出して書かれている内容を分析してみた」 という調査です。

▲宿泊施設の1つ星口コミに含まれる評価要素:口コミラボ編集部作成(写真=口コミラボより引用)

 

調査の結果、1つ星の口コミに最も多く含まれた評価要素は 「接客」で全体の約19.1 %、2番目に多く含まれた評価要素は 「室内の設備や備品」で全体の約15.0 %、3番目に多く含まれた評価要素は 「衛生」で全体の約14.3 %となりました。

1. 接客:迷惑をかけた際にはまず謝罪することが大切

今回調査した口コミの中では、接客の悪さが最も多く言及されていました。

接客に関する口コミの中では、とりわけ 「宿泊施設や従業員の不手際が原因で迷惑を被ったにもかかわらず謝罪を受けなかった」 という趣旨の記述が多く見られました。

違う部屋を案内された、部屋の設備が故障していたなどの不手際の際に、従業員から謝罪を受けなかったことやその場で解決策を提案されなかったことについて不満に思う宿泊客が多いようです。

このような事態を避けるには、宿泊客に迷惑をかけたらまずは謝罪すること、その場で解決策を提案できなければ上長に引き継ぐことなど、 有事の際の対処を従業員全員と共有する 必要があります。

また、ある程度の人的ミスや設備の故障は発生することを想定し、発生した場合の対処についてマニュアルで定めておくとよいでしょう。

このほかにも、土足禁止や飲食物の持込禁止などの規則を設けている宿泊施設では、 規則が宿泊客に伝わっておらず宿泊客と従業員との間でトラブルになる事例 が見られました。

宿泊の規則を定める場合は従業員からの口頭での説明に留めず、フロントの前や部屋の中などのわかりやすい場所に掲示し、 繰り返し周知する 必要があるでしょう。

2. 室内の設備や備品:宿泊客目線で設備を整えよう

今回調査した口コミの中では、室内の設備や備品の悪さは2番目に多く言及されていました。

室内の設備や備品の悪さに関する口コミの中では、歯ブラシやカミソリが部屋に置かれていないなど、 アメニティに関するもの が目立ちました。

なかには、資源やコストの節約のために、アメニティはフロントで必要分だけ提供している宿泊施設もあるでしょう。

そのような場合でも、室内にアメニティはフロントで提供する旨を書いておくなど、 宿泊客に施設のシステムを正しく認識してもらうための工夫 が必要となります。なお、そのような工夫をしても低評価を受けてしまう場合には、資源やコスト節約分と、顧客満足度のバランスを再検討する必要がありそうです。

また、 室内にWi-Fiがないという口コミ もいくつか見られました。現代では、ほとんどの宿泊客がホテルや旅館にはWi-Fiがあって当然という認識を持っています。そのため、宿泊施設にとってWi-Fiの提供は寝具やアメニティと同様に 最低限の必須項目 ともいえるでしょう。

同時に、多くの宿泊客は就寝中にスマートフォンなどを充電するため、室内には宿泊人数分、できればベッドや布団の近くにコンセントを用意できるとよりよいでしょう。

3. 衛生:髪の毛や埃など、基本的な清掃をしっかりと

今回調査した口コミの中では、衛生面の悪さは3番目に多く言及されていました。

衛生面の悪さに関する口コミの中でも、最も多く言及されていたのは 髪の毛や埃が部屋の中に残っていること でした。

布団や枕の上、排水口、洗面台など、 髪の毛が付着する確率の高いところは特に念入りに清掃する ことが求められます。特に排水口は見落としやすいことからか「大量の髪の毛が詰まっていた」といった口コミが散見されました。

また、 換気口やエアコン、空気清浄機に埃が溜まっているという口コミ も見られました。

毎回これらの内部のフィルターを掃除することは難しいかもしれませんが、少なくとも清掃時に確認したり、毎回の清掃時には埃を取り除くために掃除機をかけたりし、宿泊客に不快感を与えないように気をつけるべきでしょう。

このほかにも、虫の死骸や布団へのダニの付着など、国内ではあまり考えにくい衛生水準で営業している宿泊施設も一部存在するようです。

虫やダニの駆除に関しては、 事業者での処理が難しければ定期的に業者に依頼する とよいでしょう。

ここにも注意!改善すべき3つの要素

宿泊施設における低評価の口コミでは 「接客」「室内の設備や備品」「衛生」 の3要素が最も多く言及されていました。

このほかにも、 外国人への対応の悪さ、タバコの臭い、旅館における食事の悪さ について多くの低評価の口コミが見受けられました。

1. 外国人への対応:外国語でコミュニケーションが取れる体制を

今回無作為に抽出した70件の低評価の口コミでは、 うち10件が繁体字中国語の口コミ、うち3件が英語の口コミ でした。

特に繁体字中国語を用いる台湾では 日本と同様にインターネットにおける口コミ文化が発達 しており、宿泊施設の体験をGoogleをはじめとする口コミプラットフォームに投稿する観光客が多く見られます。

外国人宿泊客に対してスムーズに対応できない宿泊施設は、 今後インバウンドが回復した際に商機を失ってしまう危険性 を抱えています。

英語や中国語などを話せる人員をフロントに配置するか、ポケトークなどの翻訳機を準備することでコミュニケーション上の障壁を解消するとよいでしょう。

また、外国人からの口コミでは 「外国人だからと蔑ろな扱いを受けた」「言葉が通じないため会話を放棄された」 というものも存在しました。

宿泊施設におけるこのような行為は人権問題まで発展しかねません。このような事態を未然に防ぐためにも 外国人対応のマニュアルを整えておく などの対策が必要です。

2. タバコの臭い:消臭が難しければ喫煙可能客室として提供を

今回無作為に抽出した70件の低評価の口コミのうち、 3件の口コミがタバコの臭いに言及 していました。

以前は客室内での喫煙が当たり前であったため、ある程度の年数が経過した宿泊施設ではタバコの臭いが客室に染みついている場合もあります。

消臭作業を業者に依頼する場合、客室の大きさや臭いの程度により料金は異なるものの、 数万円から十数万円が相場 となっているようです。

2020年4月には 健康増進法が改正 され、施設の屋内は原則として禁煙となりました。しかし、 ホテルの客室は例外として喫煙が可能 となっています。

そのため、タバコの臭いの消臭が難しければ、一旦は喫煙可能客室として仕分けることで喫煙客を呼び込むことも視野に入れるべきでしょう。

しかし、日本における喫煙者数は年々減少しています。日本たばこ産業の調査によると喫煙者率は1989年から2018年の30年間で36.1%から17.9%と約半減しており、

喫煙可能客室の需要も今後更に減少してゆく ことが予想されています。

そのため、タバコの臭いのある客室を抱えている宿泊施設では、近いうちに全面的な消臭作業の実施の是非を検討すべきでしょう。

3. 旅館の食事:宿泊客の期待を裏切らないことが大切

今回分析した低評価の口コミでは、 「食事」は5番目となる全体の約12.2%で言及 されていました。

しかし、旅館では接客に次ぐ2番目となる全体の約23.8%、温泉旅館では衛生と接客に次ぐ3番目となる全体の約16.7%で言及されており、 旅館における食事の重要性 が浮き彫りとなっています。

なかには「冷凍食品やパック食品のような料理を出された」という口コミもあり、 旅館の食事にはある程度の品質を求めている宿泊客が多い ことがわかります。

また、「事前情報では飲み放題と聞いていたのに飲み放題ではなかった」など、インターネットなどに掲載されている情報と実情が異なっていた例もありました。

Google マイビジネスなどに情報を掲載する際は、 間違ったことが書かれていないか、最新の情報になっているか、改めて確認する ことが大切です。

ほかにも、提供まで時間がかかる、食堂に子供用の椅子がない、呼び出しボタンを押しても従業員が来ないなど、食事そのものではないものの改善が必要な箇所もいくつか見られました。

低評価の口コミを知ることは、高評価の口コミを呼び込む第一歩

今回の分析では、低評価の口コミに含まれる評価要素として 「接客」「室内の設備や備品」「衛生」 が特に多く見られると判明しました。

また、 外国人への対応、タバコの臭い、旅館における食事 についても、低評価の口コミを生む温床となっていることがわかりました。

低評価の口コミは、改善すべき要素をわかりやすく教えてくれる指針とも捉えられます。

自らの宿泊施設に低評価の口コミが寄せられた場合も、まずは内容が正しいものであるか事実確認を実施し、正しければ真摯に謝罪した上で改善点を提示、実施することで、よりよい宿泊施設へと成長を遂げられるでしょう。

<参照資料>

時事ドットコム:【図解・社会】喫煙者率の推移(2019年1月)

提供元・口コミラボ

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