では新NISAに参入される方に私の経験則から一言申し上げます。基本的に損が出ても儲かった銘柄との税の相殺が出来ないので損は損のままの塩漬けになります。塩付けがミソなのです。(シャレを言っているわけではありません。)つまり、損が出た場合のヘッジが出来にくい制度設計になっています。その特徴を考えると投資先は明白に絞り込めるはずです。それは ①配当株 ②長期的に安定成長しそうな株ないし投資信託です。投資信託の場合、時折清算、閉鎖になるので勝手に終了してしまうリスクがある点に留意すべきでしょう。
配当株については日本では年4-5%程度を配当している銘柄はかなりたくさんあります。問題はその多くが小さな会社なのです。よって業績次第では配当もぶれるし、株価も乱高下しやすくなります。基本的には大きな資本の安定企業を選ぶべきで最もオーソドックスな高配当の銀行株は入門編とも言えるでしょう。
次に長期成長する安定企業です。正直、私は日本の企業群にそれがあるのか銘柄選定ができません。1つは少子高齢化が進むので国内市場の大きな成長が期待できません。よって基本的には海外進出している企業が対象になります。一方、ハイテクなど日本が強みを持つ分野でも景気の波に大きく左右されることを思うと1年先までは分かるけれど5年先といった長期は分からないケースだらけなのです。つまり皆さんの知るあの会社この会社は20年後も存在はしていると思いますが、成長しているかどうかは別問題ということです。
ならば基本的には成長が前提にある海外株式の方が可能性はあるでしょう。但し、北米株の場合、弱肉強食の争いでM&Aが頻繁に起きるため、持っていた株が違う銘柄になるのは私の手持ちでも年に複数銘柄おきます。また分社化とか極端に株価が下がった場合の株式併合もあります。そのあたりの基礎知識を持ち合わせていることが大事です。あと、新NISAであろうと投資国のルールに基づき、源泉税が取られますので気をつけてください。新NISA、非課税だろう、と文句を言うと恥ずかしい思いをします。
銘柄選びは慎重に、そして市況を読み、ベストのタイミングで購入することです。焦らずにじっくりと、だけど買う時以上に売る時は大胆に、ですかね。
では皆様の投資の成功をお祈りします。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年12月25日の記事より転載させていただきました。
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