1年前の私には、とうてい想像もできなかった現実です。今は高校を辞める時の約束だった『高等学校卒業程度認定試験』にチャレンジしようとしています。 誰かに言われたからではなく、自分の人生の幅を広げるためにも、『やりたい』と思っています。とはいえ、今は仕事も忙しいし、 友達とも遊びたいし、勉強時間がとれないのが悩みの種です。(松谷さん)

本書には、赤裸々な著者の気持ちが語られている。私たちは縛られたくない、自分の個性を殺して、押し込められて、生きていきたくない、自殺を望んでいた友人のこと、絶望させられた高校の先生のこと、親の顔も見たくなくなって家を出た一人暮らしのこと、自立している友達のこと、尊敬できる大人に出会ったこと、などである。

これが、17歳の素直な気持ちなのだと考える。

17歳のリアリティ

書店には「生き方」の本がたくさん陳列されている。それらの多くはリアリティに欠けている。著者のようなティーン世代がどのように感じ、どのように自分の道を切り開いていこうとしているのか?それらを大人が理解することは困難だろう。

17歳といえば多感な時期でもある。本書は、子育てをしている親御さんや学校で「先生」と呼ばれている人たちに読んでもらいたい。何かを感じるのではないかと思う。

また、悩みを抱えていない子供もいない。お父さんや、お母さんの言うことをよく聞いているいい子ではなく、ちょっと壁にぶち当たっている人にもおススメしたい。

今回、初出版を実現した、松谷咲さんの輝かしい前途を祈念します。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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