政治
市場は過剰反応
2024/12/04
決戦で見たもの、これからの自民党:石破政権の行方は「サプライズいっぱい」
日経平均先物は2000円強下げており、円は4円ぐらい高くなっています。これは一回目の投票で高市氏が1位になったことで株式市場で安ど感がでて日経平均が900円も上げたことの反動であります。その前日も1000円以上上げているので2000円下がっても高市祭りが中止になった程度でショックというほどではないとみています。また、円についてもそもそもの動きに戻っただけです。私はドル円は140円が一つの壁だと以前述べたと思います。ここを明白に超えてくるかといえば結構頑強な壁で、まずは石破氏の手腕を見ようということになると思います。
一部論客は消費税が上がるといっていますが、石破氏はそれはないと明言しています。ただし、氏は法人税と所得税には上げ余地があるとしています。個人的には法人税は上げられても所得税増税は賃上げ効果を相殺するのでやるべきではないと思います。もしもそれをするならいくら石破氏が財政規律派と言えども自民党は本当に支持されなくなります。決戦での国会議員票は政策的に真逆の高市氏に16票差でした。つまり8人差です。こんな僅差では国民に不人気な増税案が党内で通るわけがないとみています。むしろ景気回復による税収増があるので茂木氏の主張のように財源は別腹で生み出せると思います。
石破氏はバイデン氏のようないぶし銀のベテランタイプです。また熟考し、議論するタイプですから独断専行にはならないはずです。日本経済全般を見ると決して悪くないわけでサントリーは既に来年のベア引上げを発表したぐらいです。政治的な反応は往々にして行き過ぎるので週末をはさみ少し頭を冷やしたうえで市場との対話をした方がよいでしょう。株価は月曜日寄り付きは一旦下げますが、回復途上となり、基本的には上に向かうとみます。以前から申し上げているように日経平均は改めて4万円を目指すとみています。週明けは銀行株が跳ねそうです。また為替は長期的にドル指数が安くなっても円がそのままシーソーのような関係にならない気もします。日本のファンダメンタルズは円が一方的に買われるような話ではないと思います。よって慌てないことが大事でしょう。
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