新型コロナウイルス感染拡大の影響で、観光業界は大きな打撃を受けています。

そのようななか、コロナ禍を生き抜くため、訪日旅行の大きな目玉コンテンツだったものが、オンラインへの転換を始めています。

本記事ではそれぞれの事例を参考に、オンラインコンテンツ化への工夫について紹介します。

目次
さっぽろ雪まつりは今年はオンライン開催
メイドカフェもオンライン化、スマホで楽しめるコンテンツに
「オンラインうどんタクシー」まで登場
第三次補正予算では、文化芸術分野のオンラインコンテンツ化への支援も強化している
オンライン化で新たな付加価値を生み出し、インバウンドへの訴求を

さっぽろ雪まつりは今年はオンライン開催

例年会場で開催されていた「さっぽろ雪まつり」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2021年はオンライン形式で開催されることとなりました。

「オンラインさっぽろ雪まつり2021~みんなでつくる雪まつり~」と題し、2021年2月4日(木)~2月28日(日)の期間中、「オンラインさっぽろ雪まつり2021特設サイト」でオンライン開催されます。

特設サイトは、すでに1月19日(火)から開設されており、写真投稿コンテスト「さっぽろ雪フォトまつり」や「雪像づくりリポート」などの一部コンテンツが先行配信されています。

2月4日からは、さっぽろ雪まつりの貴重な秘蔵映像をショートムービーで配信する「さっぽろ雪まつり大歴史展」や、地域ブランド「札幌スタイル」と連携した「Online さっぽろ雪まつり2021 CRAFT FES」が公開予定となっています。

さらに市内各所の街頭ビジョンの活用や、さっぽろホワイトイルミネーション会場との連携なども実施されます。

このイベントは、市民参加型の展開により市民に冬ならではの楽しみを提供するほか、国内外にさっぽろ雪まつりの文化や札幌の冬の魅力を配信することで、将来の誘客につなげる狙いがあります。
 

訪日ラボ
▲トップページ:オンラインさっぽろ雪まつり2021特設サイト(写真=訪日ラボより引用)

メイドカフェもオンライン化、スマホで楽しめるコンテンツに

秋葉原カルチャーをけん引してきた「メイドカフェ」でも、オンライン化の動きが始まっています。

秋葉原の街の観光活性化のために設立された合同会社AKIBA観光協議会と株式会社カヤックは、1月25日からメイドカフェ・コンカフェ(コンセプトカフェ)に特化したライブコミュニケーションサービス「アキバメイドオンライン」の提供を開始しました。

スマートフォンで気軽にメイドカフェ・コンカフェを体験できるもので、アキバユーザーはもちろん、国内遠方の人やデジタルインバウンドユーザーにも訴求し、コロナ禍で減少する訪日外国人への打ち手ともなっています。

秋葉原近隣にはメイドカフェ・コンカフェが約200店舗以上ありますが、「アキバメイドオンライン」では有名店からマニア向けのお店まで、さまざまな世界観やユニークなキャストの触れ合いを楽しむことができます。

無料の会員登録完了後、すぐにサービスの利用を開始でき、登録したメイドカフェ・コンカフェのオリジナルグッズを購入できるECサイトや、配信中のキャストへのコメントやプレゼントなど、さまざまなサービスが展開されています。

特にキャストと互いの顔が映った状態で、1対1のオンラインお給仕体験ができる「2ショット機能」は、オンライン上でプライベートな空間を作り出せるため、オフラインのメイドカフェにはない体験をもたらすサービスだといえます。
 

訪日ラボ
▲2ショット配信イメージ画像:PR TIMES(写真=訪日ラボより引用)

「オンラインうどんタクシー」まで登場

香川県の琴平バス株式会社は、2月28日(日)15時~17時に、特別企画として「オンラインうどんタクシー」を開催する予定です。

自宅で旅行気分を楽しめる「バーチャルとリアルの融合」を目指しており、うどん店の案内や観光地めぐりを動画で見せるだけでなく、うどんタクシー専任ドライバー「純ちゃん」による案内や、現地の人や他の参加者との会話も楽しみながら、うどんの歴史や文化を学び体験できます。

参加者には事前に「旅のしおり」と、琴平バスが選んだ、うどんやあん餅、コーヒーなどの「お料理」がクール便で届き、当日はオンラインミーティングアプリ「Zoom」を利用して自宅から仮想のうどんタクシーに乗り込んでツアーを楽しみます。

定員は15名で、旅行代金は4,980円(送料:北海道沖縄 +1,000円)となっています。

琴平バスは昨年、インバウンド向けに四国を周遊するオンラインバスツアーも企画し、成功させています。

第三次補正予算では、文化芸術分野のオンラインコンテンツ化への支援も強化している

1月25日から衆院予算委員会で本格会議が始まった、令和2年度第3次補正予算案で、日本政府は文化芸術分野のオンラインコンテンツ化への支援を強化する方針です。

経済産業省は、新型コロナウイルス感染拡大の影響でコンテンツのプロモーション機会を失った事業者を支援する「コンテンツグローバル需要創出促進事業」に401億円を計上しました。

日本発のコンテンツの海外展開を促進し、日本ブーム創出を通じて関連産業の海外展開を拡大し、訪日外国人を増やす狙いがあり、一定の条件下で、再公演やオンライン配信などのシステムを整えるための費用を補助します。
 

訪日ラボ
(写真=訪日ラボより引用)

オンライン化で新たな付加価値を生み出し、インバウンドへの訴求を

コロナ禍を生き抜くため、そして収束後のインバウンド回帰までに文化を残すために、各所でオンラインコンテンツ化が進んでいます。

オンラインコンテンツ化は、オフラインの「代替案」がスタート地点ではありますが、なかにはオンライン化により新たな付加価値を生み出す例もみられます。今回ご紹介したメイドカフェのオンライン化は、まさにその一例といえるでしょう。

人の動きが制限されている中、オンライン体験コンテンツは独自の発達を遂げているといえます。そして、この独創的な発想こそがコロナ後のインバウンド需要を掴むために求められています。

文・訪日ラボ編集部/提供元・訪日ラボ

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