「石器時代は石が無くなったから終わったのではない」
これは1973年の石油ショックの立役者、サウジアラビアのヤマニ石油大臣の言葉だ。
当時、イスラエルとアラブ諸国の間で第四次中東戦争が起きて、サウジアラビアは「石油戦略」を発動、石油を減産した上で、イスラエル支持の国々に対して石油の輸出を禁止した。慌てた日本政府はサウジアラビアを訪問し、輸入の継続をとりつけた。
その後、ザキ・ヤマニ大臣の言葉は、温暖化対策、なかんずく太陽光発電や風力発電の推進者によって引用されてきた。化石燃料も、その枯渇を待つことなく、やがて時代は終わる、という訳だ。
それで世界諸国は、化石燃料利用を規制し、また太陽・風力を巨額の予算によって大量導入してきた。だがその結果はどうかと言えば、世界の化石燃料消費は増え続けているし、CO2排出も減らない。なぜか?
それは、石器が使われなくなった理由は、石器を政府が禁止したからではないからだ。
石器が使われなくなった理由は、それより優れた技術が登場し、石器が必要無くなったからだ。鉄器は、鋤や鍬などの農具の性能を飛躍的に高めた。戦争においても鉄器は石器を圧倒した。
化石燃料時代が終わるとすれば、それは、化石燃料より優れた技術が登場し、化石燃料が不要になったときだ。
残念ながら、太陽・風力は、コストは高く、出力は安定しないので、化石燃料には負ける。
化石燃料を上回るのは何か?