サッカー日本代表「森保ジャパン」は、2月3日開催のAFCアジアカップ準々決勝でイラン代表相手に1-2と敗北。日本代表OBの田中マルクス闘莉王氏が、『週刊新潮』により性加害疑惑が報じられたFW伊東純也(スタッド・ランス)と、怪我明けのMF三笘薫(ブライトン)のスタメン不在による影響を指摘したほか、森保一監督の選手管理能力に疑問を呈した。
伊東は所属先のランスで好調を維持していたが、アジアカップ開幕後は本来のパフォーマンスを発揮できず。試合途中で右サイドから左サイドにポジション変更した指揮官の采配が議論の対象となる中、1月31日に『週刊新潮』のニュースサイト『デイリー新潮』で性加害疑惑が報じられると、イラン戦前日に代表離脱が正式決定した。
一方、三笘は昨年12月21日に行われたプレミアリーグ(イングランド1部)クリスタル・パレス戦で、ドリブルで敵陣へ攻め込んだ際に左足首を捻って負傷交代。グループステージ全試合でベンチ外だったが、1月29日開催の決勝トーナメント1回戦バーレーン戦で途中出場。左サイドからのロングカウンターで決定機を演出するなど、キレのある動きを見せていたが、イラン戦では複数選手による厳しいマークに遭い、ゴール前に迫ることができなかった。
闘莉王氏は4日夜に自身のYouTubeチャンネル『闘莉王TV』を更新。イラン戦を振り返る中、スタメンで伊東と三笘を欠いたことによる影響の大きさを訊かれると、昨年6月の国際親善試合エルサルバドル戦から今年1月1日の国際親善試合タイ戦にかけての9試合で39ゴールという得点力に触れた上で、「(今まで)数多くのチャンスを作っていた伊東と三笘が出ないと、どうしても攻撃力は落ちる。これは目に見えるもの」と指摘。
「伊東と三笘をできるだけ長い時間プレーさせるためには、コンディションを整えるべき。(代表チームが)それをしたかと言われたら、していない。色々と伊東の離脱の問題とか、三笘が怪我明けとか。できるだけこの2人を(スタメンで)使わないといけない。(代表選手の)クオリティはみんな一緒ではない。クオリティの高い選手を先発として機能させるのが監督の仕事」と、森保監督に厳しい目を向けている。
その上で闘莉王氏は、森保ジャパンが目指す戦い方について「もう少しセンタリング(クロス)を増やすべきだと思う。上田綺世がいるならば、彼はヘディングが強くて飛び込みも良い。もう少しセンタリングを増やすには何が必要かということ常に練習で考えながらやらないといけない」と提言した。
週刊誌の報道もあり、ピッチ外でもトラブルに見舞われた森保ジャパン。ドリブル突破など個人打開能力が突出したウインガーに依存する戦術の脆さがあらわになった格好だ。