台湾問題は台湾側も自国で作った潜水艦の進水式を行いましたが、中国と台湾の武装化は、台湾海峡を挟んだ両サイドの緊張は高め、国家のトップの意思とは別に偶発的事象から戦争に発展するリスクも出てきます。
このような緊張関係は世界のいたるところで見られます。近年1万人以上の死者がでた紛争はウクライナ以外にアフガン、ミャンマー、イエメン、ティグレ(エチオピア、スーダンなどの争い)の5つあり、1000人以上の死者が出た紛争になればそれ以外に18か所もあります。我々が思っている以上に世界は病んでいるのです。
これが当たり前になれば世界は混乱の渦に巻き込まれます。以前も書きましたが、先の両大戦は先進国が主体となり双方が連合なり連携なりをするチームの戦いでした。最近の戦いは地域の個別の戦いで時と場合により先進国がその背後で支援する流れになっています。しかしそれも最近は少なくなってきています。理由は西側諸国では国内世論が一枚岩にならないからです。またアメリカが加担した戦争は必ずしも良い結果をもたらしていないことが多いこともあるでしょう。朝鮮戦争引き分け、ベトナム戦争実質的撤退、イラク撤退、アフガン撤退です。
社会が裕福になればなるほど自己満足をより追及するようになり、戦争へ否定的になりやすくなります。ですが、社会に富が十分に行き渡っていない国家では紛争を通じてでも富を得ようとすることもあり得ます。その点からすると私は台湾海峡問題より北朝鮮の方が怖いのです。それは国民の富が低いことで闘争に対する積極性がはるかに高くなるからです。
ウクライナ戦争は国家間で闘争するマインドを目覚めさせ、戦争に踏み込むメンタル的なハードルを下げてしまいました。今後、世界の雲行きが怪しくなりやしないか、懸念せざるを得ません。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年10月6日の記事より転載させていただきました。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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