スイスは2015年からのデータとなるので傾向はつかみにくいですが、オランダは近年急激に増加しているのがわかります。

どちらも対外直接投資所得に近い水準で、ほぼ相殺する関係ということが言えそうです。

その他の主要先進国では、これら2国と比べるとかなり低い水準で推移しています。また、対外直接投資所得と比べていずれもかなり低めの水準ですね。

直接投資残高では、対外直接投資よりも対内直接投資が上回るアメリカやイギリスでも、所得では対外直接投資の方が上回っているのが特徴的です。

日本は2022年で282ドルとかなり低い水準です。

3. 1人あたり直接投資収益

最後に対外直接投資所得から対内直接投資所得を差し引いた、直接投資収益です。

図3 直接投資収益 1人あたりOECD統計データより

図3が人口1人あたりの直接投資収益です。

日本は上昇傾向が続いていて、2022年ではドイツとほぼ同じ水準で、フランスやアメリカを上回ります。主要先進国の中では高い水準となるようです。

オランダは差引の収益で見ると、それほど圧倒的な水準ではなく、主要先進国と近い水準になっています。

対外直接投資による所得と対内直接投資による所得が同程度で、差引するとほぼ相殺するためですね。

主要先進国では基本的にはプラスで推移していて、水準もそれほど変わりません。

概ね人口1人あたり1,000~1,500ドル程度の収益という事になります。

4. 1人あたり直接投資収益の特徴

今回は、人口1人あたりの直接投資の所得・収益についてご紹介しました。

オランダ、スイスは人口が少ないながら、直接投資の多い国なので、人口1人あたりだと突出した水準となります。

ただし、対外直接投資所得と対内直接投資所得が拮抗しているため、差引の直接投資収益ではそれほど大きな水準というわけではないようです。

主要先進国では各国とも概ね近い水準で推移しています。