米テックのデジタル小作人に成り下がる日本のIT企業
IT企業の「ソフトウェアは海外からの借り物のまま」のツケが回ってきたのが、デジタル赤字問題。財務省の「国際収支から見た日本経済の課題と処方箋」会議第1回会合(2024.3.26)資料によるとサービス収支の赤字(図の下のマイナス部分)の大部分を占める「デジタル関連」(紫の棒グラフ)は2014年度の2.1兆円から23年度に5.4兆円と10年間で2.5倍に膨れ上がった。
グラフ上の枠内にデジタル関連サービスの説明があるが、読みにくいので以下に再掲する。
デジタル関連:以下の①~③の合計
① コンピュータサービス・・ クラウドサービスやオンライン 会議システムの利用料。 ② 著作権等使用料・・ 動画・音楽配信に伴う各種ライセンス料。 ③ 専門・経営コンサルティングサービス・・インターネット広告の売買代金。
いずれも米IT企業に席巻されつつあるサービスで、これを利用する日本企業がデジタル小作人とよばれる由縁だが、地主である「GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)5社の時価総額合計は、日本企業の時価総額合計を超える」。そう指摘する西角直樹 三菱総研主席研究員は以下のように主張する(2024年8月28日付、読売新聞「デジタル赤字 止まらぬ拡大」)。
産業振興の観点から見れば、資源の乏しい日本にとってデジタル産業は基幹産業に育てるべき領域です。 デジタル赤字は日本のデジタル産業の空洞化につながる側面があり大きな問題だと思います。