政府は多額の資金を味方のメディアに投入している
政府は昨年だと、公的に9040万ユーロ(108億円)を報道機関に補助金や広報費として投入している。その主な内訳はRTVEに2170万ユーロ、SERなどラジオに1170万ユーロ、紙面に1020万ユーロ、ネットに1370万ユーロが投入された。この資金投入によって、不況で一般企業からの宣伝広告が大幅に減少している中、政府からの補助金や広報費は小規模なデジタル紙などは経営を維持するのに役立っている。(6月27日付The Objectiveから引用)。
更に、公的企業であるスペイン国有鉄道RENFE、国民宿舎ホテルParador、宝くじ協会なども上述したメディアに宣伝費として資金を投入している。
公的にメディアに今年政府が投入することになっている予算は1億3830万ユーロ(166億円)。それに公的企業が広告などで投入を予定しているのが1億3180万ユーロ(158億円)。即ち、この2つの予算2億7000万ユーロがメディアに分配される総額である。
勿論、上述したように、政府のお抱え報道機関的なメディアにその大半が投入されることになる。一般の企業広告が減少しても、公的資金が広告代として投入されることになる。一方の政府に批判的なメディアにはそれが殆ど届かないということになるから、経営を苦しめる要因となる。それに耐えらないメディアは閉鎖を余儀なくさせられる。
政府と公的企業がメディアに投入する総額が如何に多額であるかというのを示す意味で、アマゾンがスペインで年間広告費として充てている額は4000万ユーロ(48億円)でしかない。