イランのペゼシュキアン大統領は30日、首都テヘランにある議会で就任宣誓を行い、4年間の任期をスタートした。新大統領の就任式には約86か国の代表団とイラン政府高官が出席した。西側諸国の代表は参加していない。

イランの新大統領の就任演説(2024年7月30日、IRNA通信から)

暗殺される直前の30日、イランの新大統領と会見するハマスの最高指導者ハニヤ氏(左)(2024年7月31日、IRNA通信から)

イラン国営放送IRNA通信によると、ペゼシュキアン新大統領(69)は「イラン・イスラム共和国大統領の職務を遂行するために、自身の才能と資質のすべてを発揮する」、「イラン大統領としてイスラム教、イスラム共和国体制、憲法を維持する」と誓った。その後、議会で就任演説をした。

イランでは大統領は行政分野のトップに過ぎず、国の精神的最高指導者(国家元首)はハメネイ師だ。新大統領は28日、ハメネイ師と会見し、イラン第9代大統領の就任の認可を受け取ったばかりだ。

7月5日実施されたイラン大統領選挙の決選投票で改革派の元保健相のペゼシュキアン氏(69)が対抗候補者の保守強硬派ジャリリ最高安全保障元事務局長(58)を10ポイント余りの大差をつけて当選した。なお、大統領選はライシ大統領が5月19日、搭乗していたヘリコプターの墜落事故で死去したことを受け、急遽実施された。

新大統領は停滞する国民経済の活性化、国民生活を苦しめる急騰するインフレ対策、増加する失業者問題などに取り組む。一方、国内問題では言論の自由、インタ―ネットの規制緩和、女性のスカーフ着用義務の一部緩和などを実施する意向といわれるが、強硬派が反対していることもあって、実行できるか否かは不明だ。